274 / 805
本編
222
しおりを挟む
それからエドワルドは、レオンを嗾けた連中を聞き出していく。
訪問者リストもあるし、レオンは日誌も書いていたので、誰が何を言ったのかきちんと詳細に記録をしていた。
これは、ジルギリスが毎日、誰が訪ねて、何を言ったのか、全員分を詳細に書き込んで置くようにと言っていたからだ。そして、名前別で、誰とどんな会話をしたのか書き出していけば、次に会う時前以て確認出来るし、どんな話をしていたのかも思い出し易くなると言われたからだ。
ジルギリスは人払いした事でも詳細に書き込んで置くように、他人に見せる為の物では無いが、将来書類作りの為の訓練として書くので、誰が読んでも解り易いように書く事、相手の癖や特徴も気付いた事は書き留める事等々、細かい注文も付けていた為、レオンはそれをエドワルドに渡した。
まさか、こんな物が役に立つとは思っていなかったが、エドワルドがそれを見て、ジルギリス殿は多分、万が一こういう事態が起きた時の事を想定して書かせていたんだと思うぞとの発言に吃驚する。そして、これからは名前別に書き出した後は、これを提出する事も約束させられる。
「お前の信用は、今回の事でガタ落ちしたからな。信用と言う物は、何年掛かっても取り戻せない場合も有る。幾ら努力しようと、一度やった事に変わりはないし、それを消す事も出来ないからだ。だからと言って、腐るな。努力を見ていてくれる者は、必ずどこかにいる。その者を失望させるような事は、二度とするな」
エドワルドはリラを送ると申し出て、リラは仕事の邪魔だろうからと断ろうするが、甥の不始末だし、ジルギリスからリラを家まで送る許可も貰っているからと言われて、それならと送って貰う事にして、ダン達はエヴァンス家の、リラはエドワルドと共に、クルルフォーン家の馬車に乗り込む。
「本当に申し訳ない。あいつは王太子で有りながら自覚が全く足りて無かった。まさか、あんな事をするなんて……」
「エドワルド様の所為では有りませんわ。それに、わたくしはエドワルド様が急いで来て下さったので、とっても嬉しかったです」
「……そう言えば、リラはレオンに手を伸ばしていたように見えたけれど、何をしようとしていたのかな?」
「王太子様の顔が赤かったので、熱でも出ているのかと思っただけですわ?今の時期は、風邪を引き易いので、エドワルド様も気を付けて下さいね?」
「ああ。気を付けるよ」
(リラは全く気付いていないのだな。それならそれで、態々気付かせる必要は無い。リラが私だけの物だと言う事に変わりはないのだから……)
リラを家まで送った後、エドワルドは直ぐに王宮に引き返し、ジルギリスにお礼を言って、何事も無かったかのように仕事に戻った。
訪問者リストもあるし、レオンは日誌も書いていたので、誰が何を言ったのかきちんと詳細に記録をしていた。
これは、ジルギリスが毎日、誰が訪ねて、何を言ったのか、全員分を詳細に書き込んで置くようにと言っていたからだ。そして、名前別で、誰とどんな会話をしたのか書き出していけば、次に会う時前以て確認出来るし、どんな話をしていたのかも思い出し易くなると言われたからだ。
ジルギリスは人払いした事でも詳細に書き込んで置くように、他人に見せる為の物では無いが、将来書類作りの為の訓練として書くので、誰が読んでも解り易いように書く事、相手の癖や特徴も気付いた事は書き留める事等々、細かい注文も付けていた為、レオンはそれをエドワルドに渡した。
まさか、こんな物が役に立つとは思っていなかったが、エドワルドがそれを見て、ジルギリス殿は多分、万が一こういう事態が起きた時の事を想定して書かせていたんだと思うぞとの発言に吃驚する。そして、これからは名前別に書き出した後は、これを提出する事も約束させられる。
「お前の信用は、今回の事でガタ落ちしたからな。信用と言う物は、何年掛かっても取り戻せない場合も有る。幾ら努力しようと、一度やった事に変わりはないし、それを消す事も出来ないからだ。だからと言って、腐るな。努力を見ていてくれる者は、必ずどこかにいる。その者を失望させるような事は、二度とするな」
エドワルドはリラを送ると申し出て、リラは仕事の邪魔だろうからと断ろうするが、甥の不始末だし、ジルギリスからリラを家まで送る許可も貰っているからと言われて、それならと送って貰う事にして、ダン達はエヴァンス家の、リラはエドワルドと共に、クルルフォーン家の馬車に乗り込む。
「本当に申し訳ない。あいつは王太子で有りながら自覚が全く足りて無かった。まさか、あんな事をするなんて……」
「エドワルド様の所為では有りませんわ。それに、わたくしはエドワルド様が急いで来て下さったので、とっても嬉しかったです」
「……そう言えば、リラはレオンに手を伸ばしていたように見えたけれど、何をしようとしていたのかな?」
「王太子様の顔が赤かったので、熱でも出ているのかと思っただけですわ?今の時期は、風邪を引き易いので、エドワルド様も気を付けて下さいね?」
「ああ。気を付けるよ」
(リラは全く気付いていないのだな。それならそれで、態々気付かせる必要は無い。リラが私だけの物だと言う事に変わりはないのだから……)
リラを家まで送った後、エドワルドは直ぐに王宮に引き返し、ジルギリスにお礼を言って、何事も無かったかのように仕事に戻った。
48
お気に入りに追加
9,275
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる