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本編
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「女の子?!」
アレクシスが驚くと、アナスタシアが肯定する。
「アレク様、ルナは女の子で、ちゃんと一人でわたくしの護衛を朝から晩まで付きっ切りでしていたのですよ。髪の紐の赤い方がルナで、青がルネ。ルナはいつも傍にいて、わたくしを守ってくれていたのです」
ルナとルネの前に足を運び、目線を合わせる為に膝を折るアレクシス。息子を相手にする時も、同じように目線を合わせるのがアレクシスのやり方だ。
「済まない、気付かなくて。それと、アナを守ってくれて有難う。エヴァンス家で、上位十人だなんて凄いな。エヴァンス家は、強い者達が多いと聞く。きっとこれからも、強くなるのだろうな」
そんなアレクシスの言葉に機嫌を直すルナとルネ。
「一緒にエヴァンス令嬢のお菓子を頂こう」
アレクシスの言葉に目をキラキラさせる双子達。
食べれても、別室か、皆が食べ終わるまではお預けだと思っていたからだ。
「「食べる、一緒、良いの?!」」
「良いとも。アナ、椅子は足りているのか?」
「大丈夫ですわ。ちゃんと人数分用意しましたもの♪アレク様が同席をお許しになられるならば、運べますわ」
「では、そうして貰おう。アナを守ってくれていた労いもしなければならないだろうからな。ファーニーと他の二人も同席を願おう」
アレクシスが立ち上がり、奥へと向かう。
本来王族は、侍女や護衛達と共に同じテーブルに着くと言う考えは無いと言っていいのだが、アレクシスはあのマーウィンを父に持つためか、割りと柔軟な思考の持ち主だ。
エヴァンス家ではそうしていると、ジルギリスから聞いた事もあるのかも知れないが。
「ダン、久し振りに私と手合わせをしようではないか!」
「嫌ですよ。今回潜り込む時に、近衛の団長の所に挨拶に行ったら、久し振りに手合わせしてくれと言われましてね。そっちと手合わせしたから、それで勘弁して下さい。こっちは護衛の為に来ただけですから」
またもあっさり断られるマーウィン。マーウィンを無視してエドワルドがダンに交渉する。
「ダン、今度時間がある時でいいから、鍛えてくれないか?」
「なんだ?珍しいな、公爵様。どういう風の吹き回しだ?」
「父を、一度でいいから叩きのめしてみたいのだ。ドレファンからの帰りに手合わせしたが、全く勝てずに歯痒かったのでな」
「ああ、成程な。まぁ、ウチの嬢ちゃんの旦那になる公爵様なら、特別に鍛えてやるさ。ただし、それ程甘くは無いだろうから覚悟はしろよ?」
「ああ、望む所だ。感謝する」
「私は?!」
「嫌ですよ面倒臭い。マーウ様の相手は、ジルの旦那に任せます」
「マーウ?ウチの使用人達を困らせないで下さいね?そんな事ばかり言ってると、リラのお菓子は抜きにしますよ?」
「さぁ、念願のリラちゃんのお菓子を食べようではないか!」
マーウィンはそそくさと奥に向かった。
アレクシスが驚くと、アナスタシアが肯定する。
「アレク様、ルナは女の子で、ちゃんと一人でわたくしの護衛を朝から晩まで付きっ切りでしていたのですよ。髪の紐の赤い方がルナで、青がルネ。ルナはいつも傍にいて、わたくしを守ってくれていたのです」
ルナとルネの前に足を運び、目線を合わせる為に膝を折るアレクシス。息子を相手にする時も、同じように目線を合わせるのがアレクシスのやり方だ。
「済まない、気付かなくて。それと、アナを守ってくれて有難う。エヴァンス家で、上位十人だなんて凄いな。エヴァンス家は、強い者達が多いと聞く。きっとこれからも、強くなるのだろうな」
そんなアレクシスの言葉に機嫌を直すルナとルネ。
「一緒にエヴァンス令嬢のお菓子を頂こう」
アレクシスの言葉に目をキラキラさせる双子達。
食べれても、別室か、皆が食べ終わるまではお預けだと思っていたからだ。
「「食べる、一緒、良いの?!」」
「良いとも。アナ、椅子は足りているのか?」
「大丈夫ですわ。ちゃんと人数分用意しましたもの♪アレク様が同席をお許しになられるならば、運べますわ」
「では、そうして貰おう。アナを守ってくれていた労いもしなければならないだろうからな。ファーニーと他の二人も同席を願おう」
アレクシスが立ち上がり、奥へと向かう。
本来王族は、侍女や護衛達と共に同じテーブルに着くと言う考えは無いと言っていいのだが、アレクシスはあのマーウィンを父に持つためか、割りと柔軟な思考の持ち主だ。
エヴァンス家ではそうしていると、ジルギリスから聞いた事もあるのかも知れないが。
「ダン、久し振りに私と手合わせをしようではないか!」
「嫌ですよ。今回潜り込む時に、近衛の団長の所に挨拶に行ったら、久し振りに手合わせしてくれと言われましてね。そっちと手合わせしたから、それで勘弁して下さい。こっちは護衛の為に来ただけですから」
またもあっさり断られるマーウィン。マーウィンを無視してエドワルドがダンに交渉する。
「ダン、今度時間がある時でいいから、鍛えてくれないか?」
「なんだ?珍しいな、公爵様。どういう風の吹き回しだ?」
「父を、一度でいいから叩きのめしてみたいのだ。ドレファンからの帰りに手合わせしたが、全く勝てずに歯痒かったのでな」
「ああ、成程な。まぁ、ウチの嬢ちゃんの旦那になる公爵様なら、特別に鍛えてやるさ。ただし、それ程甘くは無いだろうから覚悟はしろよ?」
「ああ、望む所だ。感謝する」
「私は?!」
「嫌ですよ面倒臭い。マーウ様の相手は、ジルの旦那に任せます」
「マーウ?ウチの使用人達を困らせないで下さいね?そんな事ばかり言ってると、リラのお菓子は抜きにしますよ?」
「さぁ、念願のリラちゃんのお菓子を食べようではないか!」
マーウィンはそそくさと奥に向かった。
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