氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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「ならば、我々がその愚王を始末する。だからお前は、母親のような女性達を作らない国に変えろ。お前がこの国の王になり、忌まわしい腐ったこの国を変えて行け。もし王が嫌だと言うのなら、繋ぎになれば良い。出来れば愚王の血筋を絶やしたいから、子は作るなと言いたいが、周囲の人間と環境でどうにかなるだろうから、そこまでの強要はしない。だが、お前はあの愚王の血を引いていると言う事で、相当辛い目に合わされると思うぞ。それを子供が味わう事を忘れるなよ?」

「……はい」

「まぁ、いきなり王になれと言われても無理なのは理解出来るから、我々は隣国として、出来る限りお前を助けよう。ただし、今回の事で、我々も被害を受けている。お前達が襲撃した……と言っても、この愚王の第一王子と軍部の隊長格が主導した事だろうが、襲撃されて民間人に怪我人も出たし、建物も損壊、援軍として兵を送り、数々の予定の返上、ドレファンへの出向と、何も無ければ掛からなくて良い費用や、時間を無駄にされているんだ。その代償が、愚王や愚臣達、王族共の後始末では割りに合わない事も分かるな?」

「はい。前回の戦争と同じく、多額の賠償金を支払います。ですが、今の状態では、国政も何も無い。どこから手を付ければ良いのか……」


 アレクシスと捕虜の男との会話に、マーウィンが加わる。エドワルドとジルギリスが、再度真っ黒い笑顔で今後の処遇を話し合っている為、邪魔はしない事にした。


「ああ、それに関しても、ジルが調べていたぞ。昔この国でそこそこ真面に働いていた者で、地方に左遷や追放と言う形で生き延びていないかどうか。後、現国王であるこの愚王に逆らえなくとも、家族を殺されたりして、反感を抱いてる者とかもな。ただし、反感を抱いてる者の場合、お前さんの命が危険に晒される可能性は高いぞ?」

「それは……仕方無いかと。身内を殺されて、やり場の無い怒りを、王の身内である私に向けるのは、当然だと思います。私も、ここに良い思い出は有りませんから」


 そんな事を喋っていると、エドワルドとジルギリスが、アレクシスの側で転がる愚王の娘に目を向ける。


「この愚王の馬鹿娘達は喉を焼くよりも、従わない場合に、歯を抜いていってはどうですか?先ずはその痛みで起こして、あの愚臣の舌を切り落とすか自分が切り落とされるかの選択をさせ、どちらも否定する場合は気絶させてまた抜いて、それが済んだら喉を焼く薬を飲むか飲ませるか、口を縫うか縫われるか。ああ、でもそれなら愚臣の歯も抜かせた方が良いですよね?舌を切り落とす時に邪魔になるだろうから」

「そうですね。それなら抜かせた歯茎も薬で焼けますし、口を縫うのも簡単でしょう。歯が無くなれば、爪でも指でも有りますからね。喋らすと、碌な事を言わなさそうですし、強制的に先ずは口を封じましょう」


 兵士達に、城に残っていたドレファンの兵士達の回収と、城門の完全封鎖をさせてから、ドレファンの兵士達の前で、先ずは見せしめの公開強制口封じを行った。
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