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本編

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「こんな馬鹿共を相手にすると疲れるだけだぞ。たったと処分して、国に帰ろう!」


 マーウィンが、ジルギリスに提案するも、ジルギリスは渋い顔をする。


「そうしたいのは山々ですが、簡単に殺せる訳が無いでしょう」


 ジルギリスの、溜め息混じりの声に愚臣が声を上げる。


「そうだ!簡単に殺せる筈が無い!」


 何を勘違いしたのか、未だに、自分だけは助かると思い込んでいるのだろうか?そんな希望は、潰して置くに限る。


「簡単に殺してしまったら、地獄を見せれないですからね。先ずはこの嘘吐き連中の舌を切り落としましょう。煩わしい声も、言葉にならない方がまだマシでしょうから。ただ、言葉にならないだけで、煩い事には代わりは無いですが」

「ああ、それに対する対処法が有りますよ。ウチの薬師が喉を焼く薬をくれましたから。傷口も焼くので、出血も少ないでしょうから、飲み水に混ぜれば良いそうですよ」

「?!?」


 顔色を変えるドレファン側を無視して、話を続けるエドワルドとジルギリス。


「ですが、唸り声を上げそうですよね?いっその事、口を糸と針で縫ってしまいましょうか」

「ああ、連れに医師が居るので、縫わせても良いですね」

「ここは一つ、ドレファンの美姫でしたか?その女達に縫わせれば良いのでは?医師とは言え、こんな男共の唾液に手がまみれるなんて手袋越しでも嫌でしょう。針仕事は女の仕事と言いますし、どうせ縫われるのなら、美姫の方が良いのではないですか?」

「……確かに。どうせだから、舌を切る所からさせましょうか。自分がされるのと、この愚臣にするのとどちらが良いか選択肢を与えれば、進んでしてくれるでしょうからね」


 エドワルドとジルギリスが、互いに良い笑みを浮かべる。勿論、ドレファン側からすれば、悪魔の微笑みだろうが。

 因みに、ドレファンの王女達は、針等持った事も、鋏や刃物を持った事も無い。

 花嫁修業?なぁにそれ?仮にも王女が、そんな事をする訳無いでしょう?わたくしは神の血を継ぐ末裔よ。わたくしを嫁に貰える事を、泣いて喜びなさい!とか、平然とのたまう女達なのだ。

 ドレファン国内ならば、洗脳された男共だらけだからそれでも通用するだろうが、他国の男、しかも過去に何度も迷惑を掛けられていた国の者達が、真面に相手をする訳が無い。

 先ずは美姫と言われる馬鹿女共にも、自身の立場を分からせないといけない。


「四人一組で、城内にいる女を残らず連れて来い。ただし今は手を出すな。どんな病気を持ってるか、分かった物ではないからな。したいなら、医師に診察させてからだ。それと完全に避妊出来る薬も貰って置け。ディーランの子供にドレファンの馬鹿の血を混ぜたくはないからな」


 エドワルドのもっともな言葉に、兵士達は頷いて、近衛と数人だけが護衛に残り、後は各自持ち場を決めて、効率よく次々と捕縛して来た。
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