氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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「酷いですよね?自分達のした事を棚に上げて、鬼だ悪魔だ死神だ、だなんて。そもそもいきなり喧嘩を吹っ掛けて来て置いて、被害者面なんて、図々しいにも程がある。別に、何と呼ばれようが構いませんけどね?落とし前はきっちり付けさせて頂きますよ」

「「当然です」」


 エドワルドとアレクシスが、声を揃えて返事をすると、マーウィンがジルギリスに一応聞いてみる。


「血筋で言えば、この愚王の子供達は、腹違いで男女かなりいると聞くが、真面な奴等はいたのか?」

「該当者無し。女も含めて全員屑ですね。一番真面なのは、そこにいる捕虜君ぐらいかな?」

「何の話だ、何の?!!」

「勿論、挿げ替えの話ですよ。他に何が有ると言うんですか」

「ふざけるな!!!私はまだまだ王でいる!!」

「決定権はディーランに有りますよ。私達の意見は全員一致で、貴方達重臣も含めて死罪です。命乞いは受け付けません」

「美姫を!!美姫をくれてやる!国王に妾を複数、王弟に嫁と妾、王太子にも年相応の美姫だ!!何ならお前達にもくれてやる!!!」


 ドレファン国王の言葉により、広間の温度が一気に凍り付いた。複数人の殺気が元で。

 本気でそれが通用すると思っていやがったのかと。


「?!?」


 その殺気に、愚鈍なドレファン国王もさすがに気付いたのか、声も凍り付き、ザーッと血の気が引く。


「男は誰もがお前と同じだと思うなよ?私は妻一筋だ。愚王の馬鹿娘等、どれ程の美姫であろうと要るか。お前のような屑王の娘に、息子にも弟にも手出しさせて堪るか!」

「私も婚約者のエヴァンス令嬢以外は要りませんよ。ドレファンの馬鹿女に、大切な兄や甥を渡さなければいけない理由は無いし、神の末裔だ何だと妄言吐いてるようなイカレた男の娘等を王族に組み込む気は毛頭無い。随分好き勝手な事を言うが、我々が欲しいのは、愚王の血を継ぐ馬鹿共の死。当然美姫だろうとリストに載る。まぁ、子供達の場合はディーランへの国賊として、娼館に送られたり坑山に送られたりする選択も有るが、お前達にその選択は無い。有るのは死罪のみだ」

「まままま、待てっっ!!!私達は関係無いだろう?!!」


 話を聞いていた重臣が、やっと話の内容を理解したのか、声を上げるが、ディーラン側は何を今更と言った顔を見せる。
 

「どうもこうも、愚王の愚臣等、要る訳が無いだろう。害にしかならないと解っていて、残す馬鹿は、そこの愚王かそのレベルの類いだ。そんな愚臣達を残せば確実に、またこの愚王類いが繁殖する。それが解っていて残せる訳が無いだろう」


 アレクシスが噛み砕いた説明をする。そこまで言わないと解らないのかと呆れながら。
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