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本編
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リラ達が王宮に滞在したその夜、王妃の部屋の前に二人いる近衛の内の一人の腹の具合がおかしいと、その場を離れた隙を見計らい、もう一人の近衛を誘き寄せる為に、侍女が大声を上げて注意を引き寄せる。
「何事だ?!!」
「あれっ、あれぇっっ!!!」
駆け付けた近衛に侍女は、前持って用意していた蛇に怯えた振りをして、王妃の部屋の扉から、近衛を退ける事に成功する。
実は、もう一人の近衛に、下剤をこっそりと混ぜた物を飲ませていたのだ。
侍女が近衛を引き付けている間に、隠れ潜んでいた貴族の男が、王妃の部屋に侵入する。王妃の部屋に侍女はいない。今日の夜勤当番は、手引きした侍女だからだ。
近衛が蛇を排除するのを見届け、侍女はお礼を言い、王妃の部屋の中へと戻る。
時折王妃に頼まれたからと言って、本を返しに行く事が有るので、それを利用し、外へ出て、男を手引きし連れて来ていたのだ。
そうして時間差で王妃の部屋に入り、一人愉悦に浸る。
今頃王妃は寝室で、男に組み敷かれているに違いないと。
どうせなら、あの幸せ一杯のポヤポヤした顔が、恐怖と絶望に歪む様を、じっくり見てやりたいと、王妃の寝室へと向かう。
きっとあの王妃は、何故こんな目に合っているのかも分からないだろう。
可愛くて綺麗な王妃様。誰にでも優しく、幸せ一杯の王妃様。でも、そんな王妃が他の男に何度も抱かれたと知ったら、陛下の寵愛は消え失せる筈だ。今夜は始まりに過ぎないのだから。
恨みなんて無いけれど、あのポヤポヤした顔を見ているだけでムカつくのだ。
幸せに育っただけの頭の軽い女。まるで、その地位は、初めから自分に決まっていたかのように振る舞う女。だから、何としても、その位置から引き摺り下ろしたくなった。
大丈夫。陛下をお慰めするのは、貴女じゃなくても出来るのよと、そんな思いで王妃の寝室の扉を開ける。
あの男が王妃を組み敷き、王妃を犯している姿を想像しながら。
だが、そこに在るのは侍女が想像した物とは全く異なっていた。
「何で……何でここに?!?」
侍女が扉を開け一歩入った瞬間、侍女は床に倒され、背中を押さえ付けられて動けない状態だ。
何をされたのか分からないまま、上を見上げれば、そこには今日から昼の護衛に付くと言っていた護衛と、今日入った追加の侍女達。
「何で……って、それはこっちが聞きてぇな。何で王妃様の寝室に、こんな男が入り込めたんだ?それに、呼ばれもしてねぇのに何でここに入った?」
返事をしたのはダンだが、侍女を手早く後ろ手で拘束したのはルネだ。
「言いたくなけりゃ、言わなくても良いぞ。どうせあんたは国賊として、確実に娼館に送られるからな」
「……はぁあ?!何よ!それっ!!?」
「当然だろ?王妃様が他の男と不義密通してました。だけで済むと思ってたのか?もしもこれが成功してたって、この男だけでなく、お前等侍女や近衛、全員の首が飛ぶだけだ」
「当然でしょう?王妃様に何か有った場合、その責任は、王妃様付きに当たる者達、全ての責任なのだから」
そんな事すら分からなかったのかと、その場にこっそり隠れ潜んでいたアナスタシアと、エヴァンス家の者達は、呆れた視線で侍女を見下げた。
「何事だ?!!」
「あれっ、あれぇっっ!!!」
駆け付けた近衛に侍女は、前持って用意していた蛇に怯えた振りをして、王妃の部屋の扉から、近衛を退ける事に成功する。
実は、もう一人の近衛に、下剤をこっそりと混ぜた物を飲ませていたのだ。
侍女が近衛を引き付けている間に、隠れ潜んでいた貴族の男が、王妃の部屋に侵入する。王妃の部屋に侍女はいない。今日の夜勤当番は、手引きした侍女だからだ。
近衛が蛇を排除するのを見届け、侍女はお礼を言い、王妃の部屋の中へと戻る。
時折王妃に頼まれたからと言って、本を返しに行く事が有るので、それを利用し、外へ出て、男を手引きし連れて来ていたのだ。
そうして時間差で王妃の部屋に入り、一人愉悦に浸る。
今頃王妃は寝室で、男に組み敷かれているに違いないと。
どうせなら、あの幸せ一杯のポヤポヤした顔が、恐怖と絶望に歪む様を、じっくり見てやりたいと、王妃の寝室へと向かう。
きっとあの王妃は、何故こんな目に合っているのかも分からないだろう。
可愛くて綺麗な王妃様。誰にでも優しく、幸せ一杯の王妃様。でも、そんな王妃が他の男に何度も抱かれたと知ったら、陛下の寵愛は消え失せる筈だ。今夜は始まりに過ぎないのだから。
恨みなんて無いけれど、あのポヤポヤした顔を見ているだけでムカつくのだ。
幸せに育っただけの頭の軽い女。まるで、その地位は、初めから自分に決まっていたかのように振る舞う女。だから、何としても、その位置から引き摺り下ろしたくなった。
大丈夫。陛下をお慰めするのは、貴女じゃなくても出来るのよと、そんな思いで王妃の寝室の扉を開ける。
あの男が王妃を組み敷き、王妃を犯している姿を想像しながら。
だが、そこに在るのは侍女が想像した物とは全く異なっていた。
「何で……何でここに?!?」
侍女が扉を開け一歩入った瞬間、侍女は床に倒され、背中を押さえ付けられて動けない状態だ。
何をされたのか分からないまま、上を見上げれば、そこには今日から昼の護衛に付くと言っていた護衛と、今日入った追加の侍女達。
「何で……って、それはこっちが聞きてぇな。何で王妃様の寝室に、こんな男が入り込めたんだ?それに、呼ばれもしてねぇのに何でここに入った?」
返事をしたのはダンだが、侍女を手早く後ろ手で拘束したのはルネだ。
「言いたくなけりゃ、言わなくても良いぞ。どうせあんたは国賊として、確実に娼館に送られるからな」
「……はぁあ?!何よ!それっ!!?」
「当然だろ?王妃様が他の男と不義密通してました。だけで済むと思ってたのか?もしもこれが成功してたって、この男だけでなく、お前等侍女や近衛、全員の首が飛ぶだけだ」
「当然でしょう?王妃様に何か有った場合、その責任は、王妃様付きに当たる者達、全ての責任なのだから」
そんな事すら分からなかったのかと、その場にこっそり隠れ潜んでいたアナスタシアと、エヴァンス家の者達は、呆れた視線で侍女を見下げた。
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