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本編

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「暫く、またリラ嬢と離れ離れになる事が、とても残念でなりません」


 ジーンに頼んで、エドワルドが王都に残ると言う手段もあるにはあるが、それだと、夜のエヴァンス家に忍び込もうとする馬鹿が増えそうである。

 エヴァンス家の使用人達は有能で、何も起こさせないと解っていても、心配する心は止められないのだ。

 リラを危険に晒すぐらいなら、ジーンが残り、守りを強化して貰う方が断然良い。

(とは言え、あの国の所為で、本来ならリラとの恋人気分を存分に味わい、ジルギリス殿にも真剣だと理解して貰った上で、エヴァンス領を訪れられたと言うのに、全てをち壊したのだから、この代償と怒りは、その命で償って貰う。時代遅れの似非神を引き摺り下ろし、今までの付けを払わせてやる!!)


「そうね。……わたくしも、実は物凄く怒っているのよ。エドワルド様がリラと婚約した事で、旦那様が一時的でも帰って来てくれると思っていたのだもの。それなのに、早く会える所か未だに会えないのですもの……。ねぇ、エドワルド様。わたくし、旦那様に手紙を書くので、直接手渡して頂けないかしら?」

「勿論良いですよ」

「有難う御座います。では、次回にお渡ししますわね。ドレファンに行く前に、必ずもう一度は寄って下さいな」

「分かりました。必ず来ます」

「リラ、また暫く会えなくなるのだから、出来るだけエドワルド様との時間を大切にしなさい。それではわたくし、自室に戻りますわ。夕食はちゃんと食べて行って下さいね。また後で会いましょう」


 リリーはサロンを退出し、リラはエドワルドと残る。


「……エドワルド様に危険は無いですよね?」

「大丈夫だよ。私達に危険は無い」


 寧ろ、危険なのは相手ドレファン側だ。


「どちらかと言えば、陛下兄上の方が危険だが、私も兄上も、剣術の心得があるから、問題は無いよ。怪我等しないように気を付けるから、そんなに心配そうな顔をしなくても大丈夫だよ」


 リラの額にキスを一つ落とせば、リラが怨めしそうな目を向けて来る。

「……こういう事は、人前では嫌ですぅ~!」

「じゃあ、リラの部屋に行って、先程の続きをしようか?」


 エドワルドが甘く囁けば、リラは顔を真っ赤に染めながら、それでも頷き笑顔を見せて、エドワルドの腕の中に収まる。

(もう少ししたら、またエドワルド様と暫く会えなくなるのだから、少しぐらい、イチャイチャしたいです~!二人切りでいたいです~!!)

 エドワルドはそんなリラに癒され、機嫌を上昇させた。
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