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本編
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エドワルドは数日掛けて、馬でローズウッド公爵領に着き、そこからまた、ルーデン地方へと向かう。
他の者に頼むと言う手が無い訳ではなかったが、リラに頼まれたのだから、他の者に任せると言う気にはならなかったのだ。
そうして王都を出て馬で駆ける事、丸五日。
単独で、昼夜を問わずに馬を走らせていた為、四日目の昼に、先に出た援軍に追い付き驚かれるが、エドワルドの愛馬も軍馬として育てられていた上等の馬なので、疲弊は有るがゆっくり休ませれば直ぐに回復するだろう。
エドワルドはそこでこれからする事を話して、国王にもエヴァンス侯爵家のジーン殿から話を進めている事も言っておく。
アレクシスならば、その内追加人数を送って来るに違いない。日数を掛ければ掛ける程、ドレファン国の者達が図に乗って、また襲撃を企む可能性が高いからだ。
そしてまた単独で馬を走らせて、ルーデン地方に五日目の朝に着き、そこからバルトのいる村に昼頃に到着したのだ。
「エドワルド殿?!何故このような所に?」
王弟であるエドワルドが来るとは思っていなかったバルトに驚かれるが、エドワルドは王都で立てた計画をバルトに見せる為に来たのだ。
「今回の襲撃犯達を、一網打尽にする方法です」
エドワルドは、リラから渡された資料をバルトに見せる。
「これは……。よく、これ程の資料を集められましたね。それもこれ程の短時間で……」
驚くのも無理は無い。エドワルドが王都から馬を飛ばして来た時間を引いても、丸一日しか無いのだから。
「エヴァンス侯爵家の協力を借りられました。ジーン殿には、兄上に報告をして頂く事になりましたので私が来ました。援軍は、昨日追い越してしまったので、夜には着くと思います。我々は、彼等が着く前に、木を伐る道具や溝を掘る道具の準備を揃えて、村周辺を警戒する者と、木を伐る者、溝を掘る者等に分けて、同日に塞ぎ、水攻めにする。距離が少し離れている為、相手に気付かれる心配も無いかと。ですので、急ぎ、近隣の村人にも頼んで、道具を多く集めましょう」
「承知した。エドワルド殿はその馬を休ませてあげなさい。それと君も。王族である君が、態々持って来なくても、誰かに頼むと言う事だって出来ただろうに。もしかしてこの資料は、彼女の協力もあるのかな?」
後半は、エドワルドに聴こえる程度の小声で喋る。
「よく分かりましたね。お察しの通りです」
「昔、ジルギリス殿が言っていた事を思い出したんだよ。『私の子は、物凄く歴史や史実に興味を示し、本が大好きで、大きくなったらエヴァンス家の役に立つのです!って言うんだよ。そりゃあもう可愛くて』と、言っていたから、私はジーン殿の事だと思っていたが、自己紹介の時に、アウラ地方の事を言っていたし、今回も、君が誰にも任せずに来たからね。もしかしてと思っただけだよ」
バルトは笑顔で種明かしをした。
他の者に頼むと言う手が無い訳ではなかったが、リラに頼まれたのだから、他の者に任せると言う気にはならなかったのだ。
そうして王都を出て馬で駆ける事、丸五日。
単独で、昼夜を問わずに馬を走らせていた為、四日目の昼に、先に出た援軍に追い付き驚かれるが、エドワルドの愛馬も軍馬として育てられていた上等の馬なので、疲弊は有るがゆっくり休ませれば直ぐに回復するだろう。
エドワルドはそこでこれからする事を話して、国王にもエヴァンス侯爵家のジーン殿から話を進めている事も言っておく。
アレクシスならば、その内追加人数を送って来るに違いない。日数を掛ければ掛ける程、ドレファン国の者達が図に乗って、また襲撃を企む可能性が高いからだ。
そしてまた単独で馬を走らせて、ルーデン地方に五日目の朝に着き、そこからバルトのいる村に昼頃に到着したのだ。
「エドワルド殿?!何故このような所に?」
王弟であるエドワルドが来るとは思っていなかったバルトに驚かれるが、エドワルドは王都で立てた計画をバルトに見せる為に来たのだ。
「今回の襲撃犯達を、一網打尽にする方法です」
エドワルドは、リラから渡された資料をバルトに見せる。
「これは……。よく、これ程の資料を集められましたね。それもこれ程の短時間で……」
驚くのも無理は無い。エドワルドが王都から馬を飛ばして来た時間を引いても、丸一日しか無いのだから。
「エヴァンス侯爵家の協力を借りられました。ジーン殿には、兄上に報告をして頂く事になりましたので私が来ました。援軍は、昨日追い越してしまったので、夜には着くと思います。我々は、彼等が着く前に、木を伐る道具や溝を掘る道具の準備を揃えて、村周辺を警戒する者と、木を伐る者、溝を掘る者等に分けて、同日に塞ぎ、水攻めにする。距離が少し離れている為、相手に気付かれる心配も無いかと。ですので、急ぎ、近隣の村人にも頼んで、道具を多く集めましょう」
「承知した。エドワルド殿はその馬を休ませてあげなさい。それと君も。王族である君が、態々持って来なくても、誰かに頼むと言う事だって出来ただろうに。もしかしてこの資料は、彼女の協力もあるのかな?」
後半は、エドワルドに聴こえる程度の小声で喋る。
「よく分かりましたね。お察しの通りです」
「昔、ジルギリス殿が言っていた事を思い出したんだよ。『私の子は、物凄く歴史や史実に興味を示し、本が大好きで、大きくなったらエヴァンス家の役に立つのです!って言うんだよ。そりゃあもう可愛くて』と、言っていたから、私はジーン殿の事だと思っていたが、自己紹介の時に、アウラ地方の事を言っていたし、今回も、君が誰にも任せずに来たからね。もしかしてと思っただけだよ」
バルトは笑顔で種明かしをした。
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