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本編

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 食堂に、ジーンも現れ、晩餐が始まる。

 エドワルドは、エヴァンス家にて、驚きの実態を目にする。何せ、食事が運ばれて来る前に、大きなテーブルと多数のイスが運び込まれ、別のテーブルとは言え使用人達も同席し、騒がしい晩餐へと変貌するからだ。


「ああ、驚いたかな?これがエヴァンス家流の本当の晩餐だよ。まぁ、そうは言っても、侯爵夫人がエヴァンス家の裏の役割を知らされている場合に限るけどね。それと、エドワルド殿は、他人では無く身内扱いさせて貰う事にしたからね。ここにいる全員が、エヴァンス家の裏の役割を知っているよ。使用人達はエヴァンス家が集めに集めたエリート集団だからね。ここで情報を聞く事もあれば、個別で聞く事もある。ジェフ、グラント!ちょっとこっちに来て」


 呼ばれた男達が席を立ってこっちにやって来る。


「何です?若様」

「もしかして、大量の書類仕事ですか?!」

「こちらはエドワルド=クルルフォーン公爵だ。二人共、挨拶をしなさい」


 ジーンのその言葉に二人はピンと来た。リラの結婚相手とは聞いていたが、用が無いのに態々わざわざ二人を名指しで呼び、挨拶をさせる必要は無いからだ


「初めまして公爵様。ジェフです。書類に限らず、情報精査、処理等が得意です」

「グラントです!書類仕事や書類読み、山積み資料整理が大好きの活字中毒者です!溜まっているならいくらでも分けて下さい!お役に立てると思います!」

「この二人を連れ帰り、暫く使って下さい。ジェフは調べ物が得意で、グラントは整理が得意。グラントは、バラバラの書式すら書き直す事も喜んでする変わり者ですが、見易く便利になるので、気の済むまでやらせてやったら良い。ただし、放って置くと、寝食忘れてする時があるので、適度に止めてやって頂けると有り難い。まぁ、放置しても、倒れて眠り、食べてからまた没頭するので死にはしませんが。もし、他にもいるようでしたら言って下さい。貴方に倒れられるとリラが一番心配しますからね」

「若様、序でにクルルフォーン邸で、独自選別しておいた方が良いですか?」

「ああ、頼む。誰に見られてもそうと気付かれない書面で頼む」

「はい!はい!それならその資料も帰って来てから手掛けて良いですか?!」

「ああ、帰って来れたらな」

「そっ、それ程までに仕事が?!行く行く!絶対行きます!!」

「っとまぁ、こんな感じで、グラントは活字中毒が高じて読み込んだ資料等丸暗記する、所謂いわゆるリラの劣化版能力と言った所か?」

「まぁ、俺の場合は書き込むか読み込む事で覚えるので、会話とかはそれ程覚えてませんから。重要事項は書面にして頂いた方が覚えます!」


 劣化版と言うが、それでも充分凄い事に変わりはない。
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