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本編

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「エドワルド様!わたくしの部屋でお休みしましょう?わたくしの膝を使って構いませんから!」

「……膝?」


 エドワルドには、膝枕と言う発想は無かったようだ。そんなエドワルドに、断られたらどうしようと、リラの中に不安が過るが、ダンの言葉を信じるならば、それは無いと断言してくれたので、勇気を出して口にする。


「わっ、わたくしの膝を枕に、ゆっくりお休みしましょう?エドワルド様が居て良い時間まで、ずっとわたくし枕になります!エドワルド様がわたくしに、いっ、悪戯さえしなければ、次回もわたくしが膝枕をする事が出来ますよ?!悪戯し過ぎた場合は、マッドと交代させられますからしちゃ駄目です!!その分、二人切りで、ゆっくり出来ますよ?……いっ、嫌……です、か?」


 エドワルドは驚き、固まっているのだが、それを見たリラが、段々不安そうな顔をする。

 そんなリラに逃げられないように、手を掴み、エドワルドが満面の笑みを見せる。


「嫌じゃないし、嬉しいですよ。膝枕なんて初めてです。本当に、次もしてくれるの?」


 エドワルドの言葉に、リラも満面の笑みを返して頷く。


「勿論です!だから、わたくしの部屋に行きましょう!」

「分かった。行くよ」


 今度は立ち上がり、リラと一緒にリラの部屋へと向かう。

 リラの部屋に着くと、リラが進んでカウチに座り、ご機嫌な様子でエドワルドを呼ぶ。


「エドワルド様、ここです、ここ!」


 リラがいつも以上に目を輝かせて、膝を両手で叩いて喜んでる姿が可愛くて仕方無い。

(何だ?あれは……。普通、膝枕をされる私が喜ぶのは当然だが、膝枕をするリラが喜んでいるように見えるなんて、可愛過ぎるにも程があるだろうに)

 エドワルドがリラの膝に頭を乗せると、リラが本当に嬉しそうにエドワルドを見下ろす。


「わたくし、子供の頃からずっと、母様が父様に膝枕をしている姿を見て、わたくしも、大きくなって結婚をする事があったのなら、いつかその旦那様にしたいと思っていたのです♪その夢を、エドワルド様が叶えて下さいました。わたくし、本当に嬉しいです!だから、ゆっくりお休みになって下さいね?」


(かっ……かわっ、可愛い!!!こんな至近距離でっ、はっ……破壊力が抜群過ぎるっっ!!下手をすると一生起きられなくなるじゃないか?!耐えろっ!私!!ここで死んだら元も子も無いからな?!)

 真っ赤な顔で、口元を隠すエドワルドを見下ろし、リラは心の中で大いに喜んだ。

(エドワルド様のお顔が赤いです!多分、わたくし、エドワルド様を翻弄出来ているようですわよ?!やぁ~ん!エドワルド様可愛いですぅ♪)

 リラは手で、エドワルドの目を隠し、よく眠れるようにと光りを遮った。
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