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本編

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(こここっ、怖いです怖いです怖いです~!今、身の危険を感じましたよ?!わたくし、監禁されてしまうのですか?エドワルド様がいなければ生きられないと言う事は、お食事もエドワルド様が持ってくる?エドワルド様の手を煩わせる?だだっ、駄目です、そんな事!そもそも捨てられるならわたくしであって、わたくしがエドワルド様を捨てるなんて有り得ません!?)

 ジーンに身を寄せるようにしているリラだが、要点がズレまくっている事にリラは全く気付いていない。知らない方が良い事ではあるが、いつか身を持って、エドワルドの言葉の意味を知る事になるだろう。

(リラは頭は良いのに、男女の事になると他人事と思い込んでいるからな。母上が一通り教えているだろうけど、エドワルド殿との結婚がどういう事か、もう一度母上から、ある程度詳しく教えて貰う必要がありそうだ)


「母上が言っただろう?諦めて頑張れと。あれは、逃げる事も捨てる事も出来ないから、諦めて受け入れなさいと言う意味と、エドワルド殿の愛は重いから、極力刺激しないように頑張れと言う意味だぞ」

「……重い?のですか?」


 キョトンと首を傾げて聞き返すリラ。

 今までの執着溺愛発言を聞いても、平然とするリラは凄い。まぁ、ジーンに慣らされているからだと言って良いのかも知れないが、普通の令嬢ならば引くだろう。

 エドワルドは、喩え嫌われたとしても逃がさない、どんなに憎まれようと手放せないと思っていたので、リラの反応に驚く。

(今までの私の発言を、重いとすら感じていない?)

 自分の想いを全て受け入れてくれそうなリラの存在は、エドワルドに更なる執着心を湧き上がらせる。

(?!ななっ、何か急に寒気が……?ききききっ、気のせいですわよね?!?)


「夜会では、絶対に私の傍を離れないで下さいね」


 笑顔ではあるが、エドワルドの有無を言わせない威圧感に、リラはただ頷く。

 そもそも社交界で、エドワルドとの婚約をリラが触れ回れる程、リラのコミュ能力は高くない。エドワルドがエスコートしていれば、エドワルドに聞くか、後日ジーンに聞くかするだろう。中にはリラに聞く強者もいるだろうが、いつも通りで良いと言われたのだから、あまり考えないようにした。

(でも、王宮でする夜会よね。国王陛下や他の王族の方々もいらっしゃるのに、いつも通りで大丈夫なのかしら?)
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