上 下
6 / 805
SS置き場

お気に入り250人突破記念♪感謝のSS ~エヴァンス家の使用人の事情~

しおりを挟む
 エヴァンス家の使用人は古参が多く、他家と比べて使用人達の辞職率が極端に低い。

 リラも古参の使用人だと普通に接しられるし、リラがどんな行動を起こそうとも優しく見守り可愛がってくれるので、リラとしては家族同様だ。

 稀に途中採用される数少ない使用人達も、リラが顔馴染みになる頃には、リラに優しく接してくれる為、醜い顔に慣れてくれたのだとリラは喜ぶが、事実は別で、リラのギャップを知り、その美しい容貌から繰り出される毒舌の本性も知っているので、そのギャップに嵌まり込み、内心悶えまくった上で優しく見守ると決意した者達だ。

 その為、エヴァンス家の使用人達は辞職する者は殆ど無く、やむを得ず辞職する者でも、再就職の際は必ずエヴァンス侯爵家へと寄り、雑用でも何でも良いから再び雇って欲しい、料金も安くて構わないから是非ともお願いしますと願い出る。

 勿論エヴァンス家も、忠実な使用人は大歓迎だ。以前と変わらず同額で雇い入れ、仕事を割り振る。

 エヴァンス家の使用人は密偵の役割を持つ者が多く、また、他家の密偵に好き勝手させないように情報操作も握ってる。リラの本性を外部に漏らすようなヘマはしない。

 たまにリラが平民を拾って来る事もあるが、彼等は帰る場所の無い者ばかりで、その後ことごとくリラに忠誠を誓っているから、リラを止める者はいない。

 最初はリラの毒舌に、戸惑っている者が殆どだが。

 リラは使用人達の中でも隠すべき華で宝だ。リラを道具としか見ない貴族に、渡す気等毛頭ない。悪評に惑わされる者等論外だ。

 そんな中、エドワルドは使用人達の黒い噂の情報網からでも調べる事が難しい。

 だがそれは、王弟だからと言う理由では無く、使用人を無下にせず、多大なる信頼を得ている為だ。そうでなければ王族と言えど、使用人達の噂や情報網に引っ掛かる。悪い噂はいくら口止めした所で、必ずどこかから漏れるのだ。

 まぁ、リラの場合はわざと流している部分があるのだが。

 その情報網に引っ掛かるような屑貴族に見惚れられるよりはマシだろう。

 一番良いのはリラが婿を迎える事だが、この際仕方ない。ローテーションを組んで、リラの嫁ぎ先へと勤務出来るよう交渉するのみだ!

 使用人達は裏でそんな話を企てていた。

 勿論エヴァンス家にも話を通し、リラのその日の出来事を記録した日誌を、エヴァンス家に提出する事を約束して協力を得るが、リラはこの先、この日誌の存在を知らずに過ごす事になる。



*****

 ※沢山のお気に入り登録有難う御座います~♪♪♪現段階で2000人を軽く上回っている状態です!
 本編執筆中に派生した話を持ってきました。台詞は無いですが、リラは使用人達皆に愛でられてます!リラは日誌に気付かないけど、エドワルドは気付いて、エヴァンス家に写しを要求しそう……。
 楽しんで頂けたら幸いです!
しおりを挟む
感想 2,440

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

冷徹義兄の密やかな熱愛

橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。 普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。 ※王道ヒーローではありません

夫の書斎から渡されなかった恋文を見つけた話

束原ミヤコ
恋愛
フリージアはある日、夫であるエルバ公爵クライヴの書斎の机から、渡されなかった恋文を見つけた。 クライヴには想い人がいるという噂があった。 それは、隣国に嫁いだ姫サフィアである。 晩餐会で親し気に話す二人の様子を見たフリージアは、妻でいることが耐えられなくなり離縁してもらうことを決めるが――。

継母の品格 〜 行き遅れ令嬢は、辺境伯と愛娘に溺愛される 〜

出口もぐら
恋愛
【短編】巷で流行りの婚約破棄。  令嬢リリーも例外ではなかった。家柄、剣と共に生きる彼女は「女性らしさ」に欠けるという理由から、婚約破棄を突き付けられる。  彼女の手は研鑽の証でもある、肉刺や擦り傷がある。それを隠すため、いつもレースの手袋をしている。別にそれを恥じたこともなければ、婚約破棄を悲しむほど脆弱ではない。 「行き遅れた令嬢」こればかりはどうしようもない、と諦めていた。  しかし、そこへ辺境伯から婚約の申し出が――。その辺境伯には娘がいた。 「分かりましたわ!これは契約結婚!この小さなお姫様を私にお守りするようにと仰せですのね」  少しばかり天然、快活令嬢の継母ライフ。 ■この作品は「小説家になろう」にも投稿しています。

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

処理中です...