ADHD(注意欠陥障害)の人

セリー

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30代の頃

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家に戻り、母親に謝りたくて実家に電話した。

運悪く父親が出た。

「お前、母さんに怒鳴っただろう?お前みたいなもんが偉そうに。何の用事だ?また金くれか?厄介者が!」

父親にいきなりそう言われた。

反射的に話の途中で電話を切った。

受話器を持つ手が震え、父親への憎しみが更に大きくなるのを感じた。



その夜は眠れなかった。

「母親からバカが遺伝した」そう認識した瞬間に、母親と自分を重ねてしまった。
自分が今まで言われてきたまったく同じことを、母親にぶつけてしまった。
あの瞬間は、本当に母親を忌々しく思った。

だけど

お母さんを傷付けてしまった。

時間が経てば経つほど、その後悔の方が大きくなり、いたたまれない気持ちになった。

謝りたかった。

今度はいつ母親に会えるか分からないのに。



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