フェールの花-価値のない王子は完璧な王に愛される-

淡海のえ

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フェールの花-価値のない王子は完璧な王に愛される-

第2章・アラガスタの王 12 堪える夜

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 クリースに案内されたのは、城の奥の奥にある部屋だった。第二王子自ら案内するところを見ると、城に信用できる相手が一人もいないのかもしれない。

「では、ここで……」

 型通りに頭を下げて見せるクリースは、また返事も待たずに消える。城の亡霊だと言われたら、信じてしまいそうだ。

 示された部屋に視線を戻すと、ドアが大きく開いている。そして数人の声が部屋から漏れている。

 どうやら女性と揉めているらしい。本当にいいのかと再度確認した時に、クリースは兄は毎夜誰かを誘っていると答えた。

 全く信じていなかったが、誘ったことのある誰かなのだろうか。どうするか一瞬迷ったが、立ち聞きする趣味もないので声をかけることにする。

「取り込み中済まないな。クライス王子に話がある」

 中にいる三人は同時に振り返り、瞳を見開いて驚いている。なぜここにいるはずのない人間がいるのか、考えているのがわかる。

 初めて近くで見るクライスは、想像していたよりも少し背が高く見える。十三歳だった頃の面影を探して、困ったように視線をさ迷わせるクライスをじっと見てしまう。

 従者と女性が部屋から出ていくのを見て、ドアを閉めて鍵をかけた。さらに困惑したクライスは、微かに頬が染まって瞳が潤んでいるように見える。

 そっと触れただけで、力が抜けて腕の中に落ちてくる。素直な反応と甘い声、シミ一つない綺麗な白い肌。

すぐに何かを飲んでいることに気づいたが、手を止める気にはならなかった。触れてしまえば、もっともっとと欲が出る。

 あまりにも反応が愛らしく感じて、執拗に赤いあとを残す。感じる場所を少し強く吸うと、我慢できないと言うように腰が揺れて身を捻ろうとする。

 追えば逃げる姿を見ながら、いつの間にかコールの方が片思いをしていたらしい。直に触れて熱を感じたら、ただ手に入れたいだけではないと実感する。

「うぅ……っ、あ、もぅ、そこや……ぁ」

 感じすぎてポロポロと泣く姿に、ひどくそそられる。手の中で呼応するように跳ねる陰茎は、軽く指を動かすだけで透明な液体をトロトロと流す。

 少量しか出すものがなくて震える姿に、手を離してやると荒い呼吸が少し静かになっていくのがわかる。どんな種類の媚薬を飲まされたのかわからないが、このまま寝かせてあげるのが優しさだろう。

 けれどもっと触れたいと思ってしまうのだから仕方ない。ゆっくりと指を沈めると、落ちかけていたまぶたが開くのが見える。

「な……にっ……!」

 なぜ指を入れられたかわからずに、クライスが慌てて起き上がろうとする。だから有無を言わさず、空いていた左手で足を大きく開かせた。

 緩く指を動かすと、クライスが眉を寄せる。

「くっ……るし……ぃ……」

 何度もイかせたせいで、びしょびしょに濡れた秘部が指に合わせて水音を立てる。苦しいとは言うが、痛みは感じていないようで甘い声が混じり始める。

「まだ苦しいか?」

 だんだんと開き始めた秘部は、指を飲み込み収縮する。指が自由に動かせるようになってきたところで、陰茎のちょうど付け根を裏から押してやる。

「ひぃあぁあっ!」

 高い悲鳴に近い声を上げて、腰が大きく跳ねる。見ているだけで、イってしまいそうなほど煽情的だ。

 シーツを握り、必死に堪えるように唇を噛んでいる。逃れようと動く肢体は、いやらしく誘っているようにも見える。

 もっと乱したくて、執拗に裏を指で擦るようにすると、絶え間なくいやらしく泣いてくれる。中が何度も痙攣するように震えて、ポタポタと陰茎からまた雫が溢れだす。

「あぁ……お、く……奥に、ほし……」

 指だけでは届かないところがうずくのが、積極的に腰を揺す始める姿には、さすがに我慢できなくなる。欲しい欲しいと甘い言葉を口にするが、目覚めた時に恨まれるのは目に見えている。

 クリースが言うように、遊んでいる体ではないのはもうわかっている。中に入れたい衝動を堪えて、クライスの体をうつむきにする。

 そして滑らかな腿をしっかり合わせて、間に陰茎を沈めた。出したもので滑りやすくなった肌を、ゆっくりと味わう。

 グチュグチュと、まるで本当に中に入れているように、濡れた音が響き渡る。

「や、だ……な、か……が……」

 与えられていた中の刺激が急に消えたせいか、不満そうにぐずられる。なだめるように胸の突起を摘まむと、力が入って背がしなる。

 快楽に従順になった体は、くたんと力が抜けてシーツに沈みながら震えた。

 クライスの陰茎に当たるように、腰を揺すってやると泣き声を上げながら簡単に達してしまう。完全に落ちてしまった唇に口づけながら、自らも達した。

 白濁が滑らかな腹の上に落ちる。いやらしい姿を惜しみなく見せていたのが嘘のように、クライスは健やかに眠っている。

 涙のあとをそっと拭ってやると、むず痒そうに眉を寄せる。

「……すまない」

 耳元で謝罪して、シーツを引っ張り下だけ隠す。クリースに駒扱いされるのは気に入らないが、クライスを手に入れたいならこうしろと言われた。

 素直に言うことを聞いても構わないと思うくらい、クライスが欲しい。

 朝、侍女がこの姿を見たら大事件になるだろう。
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