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攻守交替
しおりを挟む僕はまたベッドに横になっている。
足元にはナオトさん。そして、頭の先にはゆうき先輩がいる。
僕だけが裸になって、二人にじっくりと身体を見られているだけでも恥ずかしさで消えてしまいたい。
「リラックスしてね」
ナオトさんはそういうが、僕はなかなか緊張が解けない。きゅっと締まった僕のお尻の穴に、ナオトさんがローションを垂らす。ひやりとした感覚に驚いてゆうき先輩の腕にしがみついた。
ゆうき先輩が僕の腕を優しく撫でる。
「たくと……」
僕の顔を覗き込むようにして、それから口をふさがれた。
お尻の穴と、舌と、そして、全身から感じる二人の体温を全面に受けながら、僕はその快楽の波に押し流された。
しばらくの間、僕はされるがままだった。お尻の穴に入れられる指が一本から二本、そして三本になったとき、僕はあまりの痛さに顔をしかめた。。
「うぅ」
「大丈夫か⁉」
僕の異変に気付いたゆうき先輩が声をかける。その声とともに、ナオトさんも僕のお尻の穴から指を抜いた。
「やっぱり厳しいかな」
「え?」
ナオトさんはゆうき先輩の下腹部を見て「触っていい?」と聞いた。ゆうき先輩がひとつ頷くと、おもむろに掴み、それから、「うーん」と首を捻った。
「これはちょっと、入らないかも」
ゆうき先輩も自覚があるようで、驚くというよりうなだれていた。僕も正直、入れられるとは思えず、俯くしかなかった。
「無理……」
ふと顔を上げると、ゆうき先輩が手で顔を覆って泣いていた。
「俺、やっぱり……たくとと一緒になれないなんて無理だ……」
ゆうき先輩のこんな姿を僕は一度も見たことがない。たぶんだけど、ゆうき先輩はそういう感情を表に出すことを恥ずかしいと思ってる。それなのに。
僕はどうすればいいだろう。
「……もうちょっと頑張ってみる」
自分の指をお尻の穴に無理に入れる。
「あっ」
ナオトさんの制止も間に合わず、僕はお尻の穴を切ってしまった。
「無理しちゃだめだよ」
ナオトさんにティッシュで血を拭ってもらう。本当に情けなかった。
白い殺風景な部屋に、二人の男が項垂れていた。そこに一人のきれいな男が光を差し込むように言葉を発した。
「一緒になる方法、あるじゃん」
ナオトさんは何でもないことのように言った。
「ゆうきくんがウケやればいいんだよ」
ゆうき先輩がトイレでお尻を洗っている。それに付き添って指導しているのはナオトさん。僕はベッドに座ったまま、それをしばらく待っていた。
ゆうき先輩がウケをする。ということは、僕がタチをするということだ。
あの雄雄しいゆうき先輩が僕に入れられて喘ぐ姿を想像する。自然と、陰茎には血液が集まっていた。
「おお、いいね。いけそう」
「うぅ……あっ」
二人の声がうっすらと聞こえる。
しばらくして、下半身を気にしながら戻ってきたゆうき先輩と、その後ろで笑みを浮かべているナオトさんが戻ってきた。
「たくとくんもずいぶん興奮してるみたいだね」
ナオトさんに指摘されて咄嗟に手で隠す。
「恥ずかしがらなくていいのに」
そう言われても……と思っていると、ゆうき先輩も股間を手で隠していることに気づいた。ゆうき先輩にウケをやらせることに負い目があったが、その様子を見て少し気持ちも晴れた。
「じゃあ始めようか」
さっきまで僕がしていたように、今度はゆうき先輩がベッドで横になった。仰向けの状態で股を開く。
「俺、女みてえ」
ゆうき先輩は耳を真っ赤にして両手で顔を覆った。
僕は何をしたらいいかわからず、ゆうき先輩の肛門をただ見ていた。するとナオトさんが僕の手をとりつつ、
「たくとくん、爪見せて」
といった。
「爪?」
僕が聞き返すと「伸びてたら危ないから」と理由を教えてくれた。爪は幸いにも切ったばかりだった。
「じゃあ、まずは指を入れていこうか。さっき僕がたくとくんにやったみたいに」
その言葉に反応してか、ゆうき先輩がちらりとこちらを見た。その目から逃れるように先輩のお尻の穴に目をやって、そこにローションを垂らす。
「少しでいいよ、うん」
僕の指にもローションを塗って、ナオトさんに言われるままゆっくりと指を押し入れていく。トイレでナオトさんにほぐされていたこともあり、するすると第二関節を超えていった。
「上下に動かしてみて」
ナオトさんの指示を受け、小さく上下に動かしてみる。上に動かしたときに、ゆうき先輩から「ふ」と息が漏れる音が聞こえた。先輩は枕で顔を隠している。そこに触れるたびに体がびくりとはねた。
「結構、いい感じ?」
ナオトさんがゆうき先輩に訊いた。
「わかんね」
ゆうき先輩が小さい声で答える。その反応を見て、ナオトさんは僕にピースサインを向けた。それは、指を二本に増やすという指示だった。
指二本を重ねて、ゆっくりと穴に入れる。
「力抜いて、そうそう」
ゆうき先輩は要領を得るのがはやく、お尻の穴が緩くなる。指もすっと奥まで入った。少し位置を変える。
「んー、あー」
もう声を我慢する余裕はゆうき先輩には無かった。お尻の穴がきゅっと締まる。ナオトさんはその様子を見て「リラックスして」と、ゆうき先輩の乳首を舐めた。
「あっ、ん」
突然の刺激に、ゆうき先輩は上半身をのけぞらせた。たくととの情事の頻度が増したこともあって、ゆうき先輩の乳首はすでに開発済みだった。
たくとはその光景に嫉妬を覚えた。僕よりもナオトさんのほうに感じているのが悔しく、空いていた左手をゆうき先輩の陰茎に伸ばした。握り、上下する。
「たくとっ」
ゆうき先輩が叫んだ。
「俺、もう……ヤバいかも」
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