49 / 147
第二話 ギルド本部編
2ー8 魔族
しおりを挟む
「どうして、魔獣は人を襲うの?」
ロワメールは花緑青と向き合い、この国の王子として改めて質問した。
魔族には、下位種の魔獣と上位種の魔者がいる。魔者は強大な力と永遠に近い命、そして美しい姿を持っていた。誇り高い彼らは人間に興味はなく、うっかり注意を引いてしまわない限り、人間に見向きもしない。
だが、ひとたび彼らの機嫌を損ねれば、その怒りは苛烈を極めた。気に触ったからという理由で、街ひとつ壊滅させられたこともある。
美しく誇り高く、恐ろしいーーそれが魔者だった。
下位種の魔獣は、形こそは皇八島に住む野生生物と似ているが、高い知性と魔力を持ち、狂暴で人を襲う。
しかし魔獣は人間を殺すが、餌としているわけではなかった。
魔獣はただ、命を奪う為に人を襲う。
それは何故なのか。
憎しみなのか、怒りなのか。人間にはそれすらわからない。
「銀の子供は、わしらをなんだと思うておるのじゃ? 人間を見つけては、手当たり次第に襲う化け物とでも思うておるのか?」
「魔族は魔力が凝縮し、形を得たものだとしかわからない」
花緑青は鷹揚に頷いた。憶測も悪意もない簡潔な答えは、及第点である。
「そも獣が人を襲うのには、理由がある」
足を組み替え、花緑青は指を二本立てた。
「魔力の暴走。もしくは魔力の穢れ。獣が人を襲う理由は、この二つ。例外はあるがの」
ロワメールは神妙に花緑青の話を聞いていた。その真面目な態度に花緑青もご満悦で、教師さながら滔々と弁を振るう。
「暴走とは文字通り、魔力が制御不能に陥った場合。もうひとつ。魔力の穢れ。これは、穢れた魔力を基に獣が生まれた、あるいは穢れた魔力を吸収して起こる。そして魔力が黒く染まれば正気を失う、と言えば、わかりやすいか?」
それ故、魔族の核と言われる魔宝珠には、白珠と黒珠があるのだ。通常の魔宝珠は白、穢れれば黒く染まり、正気を失う。
「そして一度黒く染まってしまえば、治すことはできぬ」
それが魔族にとっても望まざる状況なのは、言わずもがな。
重く暗く告げられた真実に、ロワメールは愕然となる。
「正気を失うってことは、自らの意思で人を襲ってるわけではないの? 魔力が穢れなければ人を襲わない?」
「普通は人など襲わん。襲う理由も必要もない。人里離れた森や山で、彼奴らはひっそり暮らしておる。獣は本来美しく、気高い存在じゃ」
「それじゃあ魔族は……」
人間を憎み、襲っているのではないのか。
これまでの常識が覆る衝撃に、ロワメールはしばし言葉を失った。
人はなんと、無知なのか。
魔族におびえながら、その実、魔族のことをなにも知らない。
「わしは基本、わしらと人は共存できると思うておる。古の時代、わしらと人は良き隣人であった」
遠い昔を思い出し、花緑青は懐かしそうに目を細める。
にわかには信じ難い話だが、魔主の懐古の表情が嘘とも思えない。
(魔主の言うことを、疑いもせず信じるのは危険だ。でも)
セツは、花緑青を全く警戒していなかった。ロワメールと花緑青の間で、ソファの背にもたれ、ゆったりと二人の話を聞いている。横に座ってくれているのは、ロワメールを守る為ではなく、恐怖心を和らげる為だろう。
セツのその態度が、答えの気がした。
ならば今は、この貴重な機会を有効に役立てなければ。魔族に関する知識は必ずや国民の為、皇八島の為になる。
「魔者の怒りを買わなければ、魔者は人を襲わない?」
ロワメールは意識を切り替え、質問を続けた。
魔者は、魔獣のように正気を失って人を攻撃するのではない。過去の惨劇は、魔者の怒りに触れて起きた悲劇である。例えその怒りが理不尽なものであっても、そこには一貫性があった。
「そうよな。王の命令でなければ、怒り、気紛れか」
「気紛れ……」
湯呑みに口をつけながら、花緑青は淡々と答える。
「そなたも知っている例を上げるなら、白の奴もそうじゃな」
「白?」
「カイエの魔主だよ」
セツに教えられ、ロワメールは息をのんだ。
「『カイエの白い悪夢』!」
それは千年前にカイエ島を襲った悲劇だ。
「あれこそ、白の気紛れ。正確には退屈しのぎじゃろうな」
その退屈しのぎで、どれだけ多くの人が犠牲になったか。皇八島史上、最も大きな被害を出した魔族の襲撃である。
「白は若いからの。戯れに人を襲ってみたんだろうよ。結果つまらぬと悟って、早々に引き上げたようじゃが」
言葉を失うロワメールを、花緑青は湯呑み越しに観察した。
若い正義感で怒るかと思いきや、青年はそれ以上、なんら反応を示さなかった。
「そんな理由で、と怒るかと思うたが」
「今ここで怒っても、意味はないよ」
セツ絡みでなければ冷静な自覚が、実はロワメールにもある。冷酷かもしれないが、今は過去に憤るより、情報を得るほうが重要だった。
「あなたがここに来た目的は、セツ?」
「そうじゃ。起きた気配がしたのでな」
「他の人間に興味はないの?」
「ないな」
いっそ清々しい即答である。
「……それは、どうして?」
ロワメールは慎重に、この少年魔主の本質を探った。その意図を察し、花緑青はくくっと喉を鳴らす。
「面白いのう」
セツを真っ先に心配する心根の優しさを見せたかと思えば、情報収集を優先する冷淡な合理性も見せる。ロワメールは澄ました顔をして、猛烈な勢いで思考を巡らせているはすだ。
(なかなかどうして、綺麗な顔に似合わぬ豪胆さよ)
なんでも答えると言われたからといって、魔主から直接情報を引き出そうとする人間が、果たして何人いるか。
物怖じしない青年は、花緑青の好奇心をいたく刺激した。
「銀の子供よ。そなたは退屈だからと、アリを踏み潰そうと思うか?」
魔族にとって、特に強大な力を持つ魔主にとって、脆く短命な人間など取るに足らぬ存在だ。
花緑青は、その小さな体に誰よりも強大な力を秘め、セツよりも遥かに永く生きている。
そんな花緑青にとって、マスターだけが異彩を放っていた。
瞬きの間に一生を終えるか弱き人間でありながら、魔主に匹敵する魔力を持ち、有限である人の身で摂理を超えて長き時を生きる。
魔法使いのギルド本部が自らの支配地にあることは、花緑青にとって幸運という他なかった。
ロワメールは花緑青と向き合い、この国の王子として改めて質問した。
魔族には、下位種の魔獣と上位種の魔者がいる。魔者は強大な力と永遠に近い命、そして美しい姿を持っていた。誇り高い彼らは人間に興味はなく、うっかり注意を引いてしまわない限り、人間に見向きもしない。
だが、ひとたび彼らの機嫌を損ねれば、その怒りは苛烈を極めた。気に触ったからという理由で、街ひとつ壊滅させられたこともある。
美しく誇り高く、恐ろしいーーそれが魔者だった。
下位種の魔獣は、形こそは皇八島に住む野生生物と似ているが、高い知性と魔力を持ち、狂暴で人を襲う。
しかし魔獣は人間を殺すが、餌としているわけではなかった。
魔獣はただ、命を奪う為に人を襲う。
それは何故なのか。
憎しみなのか、怒りなのか。人間にはそれすらわからない。
「銀の子供は、わしらをなんだと思うておるのじゃ? 人間を見つけては、手当たり次第に襲う化け物とでも思うておるのか?」
「魔族は魔力が凝縮し、形を得たものだとしかわからない」
花緑青は鷹揚に頷いた。憶測も悪意もない簡潔な答えは、及第点である。
「そも獣が人を襲うのには、理由がある」
足を組み替え、花緑青は指を二本立てた。
「魔力の暴走。もしくは魔力の穢れ。獣が人を襲う理由は、この二つ。例外はあるがの」
ロワメールは神妙に花緑青の話を聞いていた。その真面目な態度に花緑青もご満悦で、教師さながら滔々と弁を振るう。
「暴走とは文字通り、魔力が制御不能に陥った場合。もうひとつ。魔力の穢れ。これは、穢れた魔力を基に獣が生まれた、あるいは穢れた魔力を吸収して起こる。そして魔力が黒く染まれば正気を失う、と言えば、わかりやすいか?」
それ故、魔族の核と言われる魔宝珠には、白珠と黒珠があるのだ。通常の魔宝珠は白、穢れれば黒く染まり、正気を失う。
「そして一度黒く染まってしまえば、治すことはできぬ」
それが魔族にとっても望まざる状況なのは、言わずもがな。
重く暗く告げられた真実に、ロワメールは愕然となる。
「正気を失うってことは、自らの意思で人を襲ってるわけではないの? 魔力が穢れなければ人を襲わない?」
「普通は人など襲わん。襲う理由も必要もない。人里離れた森や山で、彼奴らはひっそり暮らしておる。獣は本来美しく、気高い存在じゃ」
「それじゃあ魔族は……」
人間を憎み、襲っているのではないのか。
これまでの常識が覆る衝撃に、ロワメールはしばし言葉を失った。
人はなんと、無知なのか。
魔族におびえながら、その実、魔族のことをなにも知らない。
「わしは基本、わしらと人は共存できると思うておる。古の時代、わしらと人は良き隣人であった」
遠い昔を思い出し、花緑青は懐かしそうに目を細める。
にわかには信じ難い話だが、魔主の懐古の表情が嘘とも思えない。
(魔主の言うことを、疑いもせず信じるのは危険だ。でも)
セツは、花緑青を全く警戒していなかった。ロワメールと花緑青の間で、ソファの背にもたれ、ゆったりと二人の話を聞いている。横に座ってくれているのは、ロワメールを守る為ではなく、恐怖心を和らげる為だろう。
セツのその態度が、答えの気がした。
ならば今は、この貴重な機会を有効に役立てなければ。魔族に関する知識は必ずや国民の為、皇八島の為になる。
「魔者の怒りを買わなければ、魔者は人を襲わない?」
ロワメールは意識を切り替え、質問を続けた。
魔者は、魔獣のように正気を失って人を攻撃するのではない。過去の惨劇は、魔者の怒りに触れて起きた悲劇である。例えその怒りが理不尽なものであっても、そこには一貫性があった。
「そうよな。王の命令でなければ、怒り、気紛れか」
「気紛れ……」
湯呑みに口をつけながら、花緑青は淡々と答える。
「そなたも知っている例を上げるなら、白の奴もそうじゃな」
「白?」
「カイエの魔主だよ」
セツに教えられ、ロワメールは息をのんだ。
「『カイエの白い悪夢』!」
それは千年前にカイエ島を襲った悲劇だ。
「あれこそ、白の気紛れ。正確には退屈しのぎじゃろうな」
その退屈しのぎで、どれだけ多くの人が犠牲になったか。皇八島史上、最も大きな被害を出した魔族の襲撃である。
「白は若いからの。戯れに人を襲ってみたんだろうよ。結果つまらぬと悟って、早々に引き上げたようじゃが」
言葉を失うロワメールを、花緑青は湯呑み越しに観察した。
若い正義感で怒るかと思いきや、青年はそれ以上、なんら反応を示さなかった。
「そんな理由で、と怒るかと思うたが」
「今ここで怒っても、意味はないよ」
セツ絡みでなければ冷静な自覚が、実はロワメールにもある。冷酷かもしれないが、今は過去に憤るより、情報を得るほうが重要だった。
「あなたがここに来た目的は、セツ?」
「そうじゃ。起きた気配がしたのでな」
「他の人間に興味はないの?」
「ないな」
いっそ清々しい即答である。
「……それは、どうして?」
ロワメールは慎重に、この少年魔主の本質を探った。その意図を察し、花緑青はくくっと喉を鳴らす。
「面白いのう」
セツを真っ先に心配する心根の優しさを見せたかと思えば、情報収集を優先する冷淡な合理性も見せる。ロワメールは澄ました顔をして、猛烈な勢いで思考を巡らせているはすだ。
(なかなかどうして、綺麗な顔に似合わぬ豪胆さよ)
なんでも答えると言われたからといって、魔主から直接情報を引き出そうとする人間が、果たして何人いるか。
物怖じしない青年は、花緑青の好奇心をいたく刺激した。
「銀の子供よ。そなたは退屈だからと、アリを踏み潰そうと思うか?」
魔族にとって、特に強大な力を持つ魔主にとって、脆く短命な人間など取るに足らぬ存在だ。
花緑青は、その小さな体に誰よりも強大な力を秘め、セツよりも遥かに永く生きている。
そんな花緑青にとって、マスターだけが異彩を放っていた。
瞬きの間に一生を終えるか弱き人間でありながら、魔主に匹敵する魔力を持ち、有限である人の身で摂理を超えて長き時を生きる。
魔法使いのギルド本部が自らの支配地にあることは、花緑青にとって幸運という他なかった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
僕のおつかい
麻竹
ファンタジー
魔女が世界を統べる世界。
東の大地ウェストブレイ。赤の魔女のお膝元であるこの森に、足早に森を抜けようとする一人の少年の姿があった。
少年の名はマクレーンといって黒い髪に黒い瞳、腰まである髪を後ろで一つに束ねた少年は、真っ赤なマントのフードを目深に被り、明るいこの森を早く抜けようと必死だった。
彼は、母親から頼まれた『おつかい』を無事にやり遂げるべく、今まさに旅に出たばかりであった。
そして、その旅の途中で森で倒れていた人を助けたのだが・・・・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※一話約1000文字前後に修正しました。
他サイト様にも投稿しています。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界無宿
ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。
アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介。
映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。
訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。
一目惚れで購入した車の納車日。
エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた…
神様の道楽で異世界転移をさせられた男は、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。
アクション有り!
ロマンス控えめ!
ご都合主義展開あり!
ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。
不定期投稿になります。
投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる