最後の日記

フランク太宰

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最後の日記

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 まさか今日で平成が終わるとはね。あの2016年の3月、恐らくもっとも人生が美しかった、あに頃には想像もしていなかったよ。
 しかし、頭の中は大正の初期で、浅草12階のしたでは、娼婦が男共に声をかけている。
 なにも変わっていないし、相も変わらず"残酷"は大股で無知にダウンタウンを歩く。
破滅の冷たく鋭い足音は"コッ コッ"と私に近づく。
 愛は救ってくれるだろうか?
一神教の神は慈愛の手を差し出してくれるだろうか?
 少なくとも思うのは、何かに頼れる時代はいつのまにか消え失せた事。
しかし、幸福求めし人々は、寒い目抜き通りを、鈍い足音をたてながら生き続けるのみなのかもしれない。

  昔、もう死んだ老人が言っていた「浮き世の馬鹿は騒ぐだけ」
 そう、きっとそのとおりだ。
 静かに心持ち豊かに"クレイジーキャツ"の様にブロードウェイを歩く夢を見ながら。
日々は過ぎていく。
 
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