上海ハニー

フランク太宰

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主人公(仮)の書いた、こんがらがった日記。

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  全ての事柄が過去になっていくのは、不幸だ。皆それに耐えて、死んでいくにしても。
  時として"そんな"普通のことに耐えられずにいる、人もいるのだろ。
  きっと僕はそうだ。全ての過去が牙をむき出しにして前方にはだかっている。
  Aの個とに関しても亡霊はいつもすぐ側にいる。
 まだ、生きてはいるSでさえ、彼女が誰かと眠りに就いている姿は僕を責める。
 しかし、ながら誰も悪くないのだ。
誰しも勝手に生きとし生きているだけ。
包丁をもちながら、僕に迫ってくるやつはいない。でも、彼らは僕に牙を向けるのだ。
 そして医者はいない。南北戦争でただ被弾した兵士の脚を切断するだけの医者もいない。
  荒野をただ一人さ迷い太陽は上がらず、月は輝かない、この大地でさ迷い続け、
疲れはてても眠れずに、ただ啓治を求めてさ迷い続ける。
  遠くに見える灯台からはそんな男が見えて、きっと、この世界の破滅を目にしている。
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