夢の中へ

フランク太宰

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夢の中へ

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  単純な話さ、眠る前に読んだ好きな本の中に夢の中で行けるかと言う事。
 行けることは、あるだろう、勿論ね、しかし、そうでないことの方が多いのじゃないか?夢を見てる時間は貴重だ、すべての人が夢で心休まる時間を過ごすべきなのだよ。
  現実世界から抜け出す唯一の方法が夢だ。寝不足で過労死しそうな若者に、十二時間眠る夢を見せたり、結ばれることのない女性との理想的な家庭生活の夢。
 現在、私が開発途中の通称Dream Highは
望む夢を作り出せる装置だ、需要は確実に多い、それに心地よい夢のお陰で現実社会での生活の質も上がると予想される。
 先日、学会で、この話をしたところ、おおうけでね、後日お役人から電話があったよ、研究費を大幅にUPしてくれると言う事だ。これで俺も貧乏生活から脱出できる。

  ある博士が友人に酒の席で話した"装置"はその時から二年後には正式に製品化され、爆発的に売れた、睡眠薬と共に。
しかし、博士の言っていた、現実社会での生活の質の向上は誤算だった。
製品を使った人々は夢の世界と現実社会の違いを受け入れられなかった。
自殺者も増加し、殺人事件も起こった。
自分が夢の中で社長だった、者が実際の自分の会社の上司をナイフで刺し殺したのだ。
犯人はこう言ったらしい
「無礼者!!社長に向かって役立たずなどとはどう言う事だ!茶をつげだと!てめぇは俺の小便でも飲んどけ、タコが!!!」
ちなみに、犯人は二十代の女性だ。
 政府はこの事態にあわてふためき、社会の全自動化に取り組んだ。そして、二十年の月日が過ぎ去り、人間は全自動生活カプセルの中で生活するように成った。
 今かつての先進国の国民たちは寝言以外喋らなくなった。

  しかし、発展途上国の地域の人々は、その技術革新についていけなかった。
 そんな地域にラマに乗った一人の老人がいた、老人は後ろに乗せた孫にこう言った
「いやーせいせいするな孫よ、うるせぇ奴等が居なくなったお陰で平和、平和!!」
そんな事を言いながら、ラマに乗った二人は大国同士の代理戦争で出来たミサイルのクレーターを避けながら、愛する我が家の方へ去っていった。
 




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