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第十一章
スポルス
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「さて、あの男達が言っていたことは――お前が孤児だというのは、本当か?」
問いかけに、少年は頷かない。ただ唖然と口を開けて、ルキウスの顔を見つめている。
恍然とした眼差しだった。「救われるかもしれない」その可能性だけでこうなってしまうとは、よほど切羽詰まっていたのだろうか。
孤児など、珍しくもない。この子供を一人救ったところで、情勢には何ら影響はないだろう。無論、皇帝ネロの名に輝きが戻るわけでもない。
けれど目の前の困った子供を放置できる程、人非人にもなれなかった。子供を欲しがっている貴族はいる。養子縁組の手はずを整えてやるくらい、苦にもならなかった。
「心配はいらない。孤児だからと、攫って売り払うような真似はしないから」
質問にも答えず、ただただ呆然とする少年に、苦笑した。
理知的なだけではなく、よく見れば顔立ちも整っている。もしかしたら今までに、売られかけた経験があってもおかしくはない。
否、むしろその可能性は強いのではないか。可愛い子供の誘拐は後を絶たない。しかも、実の親が貧困から我が子を売りに出すことすらある。
奴隷として働かされ、逃げ出したはいいがそのような事情があっては親元には帰ることができない。途方に暮れ、孤児として盗みを働きながら生きる――よくある話だ。
「言っただろう、悪いようにはしない。安心して私に――」
「――皇帝……?」
ついて来い。続けるはずの言葉を遮ったのは、夢見るような少年の声だった。
今度は、ルキウスが愕然と目を瞠る。
公務で訪れたわけではない。お忍びで街に来る時にはいつも、変装をしている。豪奢な長衣を脱ぎ捨て、庶民と同じようなトゥニカを纏い、付け髭を貼り付けていた。
勿論、知り合いに見つかればすぐに知られる程度ではある。けれど「皇帝」として公に出ている時の姿しか知らぬ、しかも遠目にしか見た事のない市民に気付かれるはずはなかった。
「――何者だ?」
我知らず、警戒が強くなる。身構えながら向き直ると、少年は弾けたように顔を上げた。
「僕です! スポルスです!」
「スポルス――?」
名前に、覚えはなかった。眉根を寄せたまま見下ろすと、あ、と小さく呟く。
「いえ、お会いした時に名前は言いませんでした。――もしかしたら、覚えていらっしゃらないかもしれません。でも僕は――僕は、絶対に忘れない」
あの時から、忘れたことはありませんでしたと、熱に浮かされたように続ける少年に、居心地の悪い思いが滲む。
悪意は、おそらく持っていない。高揚した頬を見る限り、「皇帝ネロ」に心酔しきっているのはわかった。
けれど、彼の言う「あの時」も思い出せない。
そもそも、まったく見覚えのない顔なのだ。
――否、ふと、何かがひっかかる。
真っ直ぐな瞳が、ブリタニクスを思い出させる少年。
何かを思い出せそうな、喉元まで出てきているような、もどかしさがあった。
「身を挺してまで、僕を助けて下さった……あのご恩を、忘れることはできません」
まさかまた、会えるなんて。
感激のためだろうか、瞳を潤ませながら見上げられて、ようやく思い出した。
「まさか、あの子か? 火事の時に会った――」
ローマ十四区の内、十区にまで及んだ大参事――あの時、ルキウスを「お姉ちゃん」と呼んだ、慧眼の子供がいた。
あの子供が――不思議な感慨に襲われる。
気が付けばもう、大火から二年近くの年月が流れていた。大人にとっては大きな変化もないけれど、子供にはこれ程の成長をもたらすとは。
だが、同時に痛々しい。身長こそかなり伸びてはいるけれど、細い手足は栄養状態の悪さを物語っていた。
火災の被害者には、相応の救済を施したはずだ。本建築が間に合っていない所には、アグリッピナ庭園に仮設住宅を設置もしている。そこに居る限りは、食料の配布もあった。
なのに何故という疑問は、不機嫌を伴うものだった。
「何故このような所に居る。確かに君の住んでいた建物は焼けてしまったようだが、対策はしているはずだ」
生活に困るはずなど――犯罪に手を染めるまで、追いつめられるような必要はないはずなのに。
皇帝としての仕事に、物言いをつけられた気分になってしまう。
「――あの火事で、僕の両親は死にました」
皇帝に会えた喜びに頬を紅潮させていた少年は、ふと、我に返ったように俯く。
想像できていた答えではあった。あの火事の時、煤で汚れてはいたが、彼の着ていた服は割と質のいいものだった。災厄を機会に生活を変えたと見る方が、自然である。
問題は、その後だった。
「それでも、アグリッピナ庭園にとどまれば良かっただけの話だろう」
「僕の家は――どちらかと言えば、裕福な方でした。焼け出された中にもそれを知っている人はいて――ここはおれ達のような者が来る所だ、金持ちは去れと……」
「追い出されたのか」
問いに、黙って頷く。
酷い話だった。大火で全てを失った少年に、それまでの妬みをぶつけたのだろう。
たかが一人増えたくらいで、配給が減るわけでもないのに――保護者のいない子供など、何処かでのたれ死んでも構わない、ということか。
それでも、紛れ込んでしまえばきっと、わからなかっただろう。庭園にはまだ、大勢の人がいる。子供一人が居ても――
否、彼が裕福だったことを知るのは、一人ではないだろう。無論、敵視する人間ばかりではないだろうが、両親を失い、傷心した所に追い打ちをかけられたせいで、冷静な判断ができなかったのかもしれない。
――哀れな。
図太くなれない繊細さと真面目さが、この少年を追いつめたのか。
「――スポルス、だったか」
呼びかけに、俯いていた顔を上げる。
どん底の生活にあったはずなのに、綺麗な瞳をしていた。人間の醜さを見たはずなのに――それくらいでは穢れないとでも言うように。
「私の元に来るか」
「えっ……」
「すぐにとはいかないかもしれない。だがいずれ――そうだな。お前に資質があれば、正式に養子にできるよう、取り計らってもいい」
ルキウスは、子供を持つことができない。皇帝である以上、後継者として養子をとる必要があった。
実際、そのために動いてはいたのだ。血縁者の中から探してはいたのだが、条件に合う子供がいなかった。
反対は、あるだろう。何処の誰とも知れぬ子供を養子になどと、すんなり受け入れられるはずがない。
だがそろそろ、いいのではないか。今まで皇帝になったのは、アウグストゥス、引いてはユリウス・カエサルの一族だけだった。
だからこそ、「皇帝」と呼ばれるのだから。
ルキウスの養子になれば、一応はカエサルの血筋に加わることになる。とはいえ、偉大なるカエサルの血をまったく受け継がない皇帝が誕生するのだと思えば、最高の皮肉だった。
「拾って頂けるのは、光栄です。でも、養子は――」
事の重大さに気付いたのだろう。スポルスは顔面を硬直させる。
――この、聡明さと誠実さこそがむしろ、皇帝の資質。
「言っただろう、素質があれば、と。まずはギリシア語、弁論術や哲学――あらゆる学問を学んでもらう。見極めは私がやる。素質があれば私の養子にするし、なければ知り合いの貴族に預けることになるだろう」
噛んで含めるように言い聞かせると、スポルスは小さく喉を鳴らした。
「お傍に置いて頂くには、あなたに認められる必要がある、と」
皇帝になれなければ傍に置く意味がない――秘められた意図に気付いたスポルスは、やはり賢明だった。
頷く代わりに、スポルスの頭に手を置く。
満足に風呂に入ることもできていないのだろう。髪は房で固まり、ざりっとした手触りが気にかかる。
それでも、嬉しそうに肩を竦めた笑顔が印象的だった。
自分への敬愛を、利用する。
邪知深いことだと、自嘲を禁じ得なかった。
問いかけに、少年は頷かない。ただ唖然と口を開けて、ルキウスの顔を見つめている。
恍然とした眼差しだった。「救われるかもしれない」その可能性だけでこうなってしまうとは、よほど切羽詰まっていたのだろうか。
孤児など、珍しくもない。この子供を一人救ったところで、情勢には何ら影響はないだろう。無論、皇帝ネロの名に輝きが戻るわけでもない。
けれど目の前の困った子供を放置できる程、人非人にもなれなかった。子供を欲しがっている貴族はいる。養子縁組の手はずを整えてやるくらい、苦にもならなかった。
「心配はいらない。孤児だからと、攫って売り払うような真似はしないから」
質問にも答えず、ただただ呆然とする少年に、苦笑した。
理知的なだけではなく、よく見れば顔立ちも整っている。もしかしたら今までに、売られかけた経験があってもおかしくはない。
否、むしろその可能性は強いのではないか。可愛い子供の誘拐は後を絶たない。しかも、実の親が貧困から我が子を売りに出すことすらある。
奴隷として働かされ、逃げ出したはいいがそのような事情があっては親元には帰ることができない。途方に暮れ、孤児として盗みを働きながら生きる――よくある話だ。
「言っただろう、悪いようにはしない。安心して私に――」
「――皇帝……?」
ついて来い。続けるはずの言葉を遮ったのは、夢見るような少年の声だった。
今度は、ルキウスが愕然と目を瞠る。
公務で訪れたわけではない。お忍びで街に来る時にはいつも、変装をしている。豪奢な長衣を脱ぎ捨て、庶民と同じようなトゥニカを纏い、付け髭を貼り付けていた。
勿論、知り合いに見つかればすぐに知られる程度ではある。けれど「皇帝」として公に出ている時の姿しか知らぬ、しかも遠目にしか見た事のない市民に気付かれるはずはなかった。
「――何者だ?」
我知らず、警戒が強くなる。身構えながら向き直ると、少年は弾けたように顔を上げた。
「僕です! スポルスです!」
「スポルス――?」
名前に、覚えはなかった。眉根を寄せたまま見下ろすと、あ、と小さく呟く。
「いえ、お会いした時に名前は言いませんでした。――もしかしたら、覚えていらっしゃらないかもしれません。でも僕は――僕は、絶対に忘れない」
あの時から、忘れたことはありませんでしたと、熱に浮かされたように続ける少年に、居心地の悪い思いが滲む。
悪意は、おそらく持っていない。高揚した頬を見る限り、「皇帝ネロ」に心酔しきっているのはわかった。
けれど、彼の言う「あの時」も思い出せない。
そもそも、まったく見覚えのない顔なのだ。
――否、ふと、何かがひっかかる。
真っ直ぐな瞳が、ブリタニクスを思い出させる少年。
何かを思い出せそうな、喉元まで出てきているような、もどかしさがあった。
「身を挺してまで、僕を助けて下さった……あのご恩を、忘れることはできません」
まさかまた、会えるなんて。
感激のためだろうか、瞳を潤ませながら見上げられて、ようやく思い出した。
「まさか、あの子か? 火事の時に会った――」
ローマ十四区の内、十区にまで及んだ大参事――あの時、ルキウスを「お姉ちゃん」と呼んだ、慧眼の子供がいた。
あの子供が――不思議な感慨に襲われる。
気が付けばもう、大火から二年近くの年月が流れていた。大人にとっては大きな変化もないけれど、子供にはこれ程の成長をもたらすとは。
だが、同時に痛々しい。身長こそかなり伸びてはいるけれど、細い手足は栄養状態の悪さを物語っていた。
火災の被害者には、相応の救済を施したはずだ。本建築が間に合っていない所には、アグリッピナ庭園に仮設住宅を設置もしている。そこに居る限りは、食料の配布もあった。
なのに何故という疑問は、不機嫌を伴うものだった。
「何故このような所に居る。確かに君の住んでいた建物は焼けてしまったようだが、対策はしているはずだ」
生活に困るはずなど――犯罪に手を染めるまで、追いつめられるような必要はないはずなのに。
皇帝としての仕事に、物言いをつけられた気分になってしまう。
「――あの火事で、僕の両親は死にました」
皇帝に会えた喜びに頬を紅潮させていた少年は、ふと、我に返ったように俯く。
想像できていた答えではあった。あの火事の時、煤で汚れてはいたが、彼の着ていた服は割と質のいいものだった。災厄を機会に生活を変えたと見る方が、自然である。
問題は、その後だった。
「それでも、アグリッピナ庭園にとどまれば良かっただけの話だろう」
「僕の家は――どちらかと言えば、裕福な方でした。焼け出された中にもそれを知っている人はいて――ここはおれ達のような者が来る所だ、金持ちは去れと……」
「追い出されたのか」
問いに、黙って頷く。
酷い話だった。大火で全てを失った少年に、それまでの妬みをぶつけたのだろう。
たかが一人増えたくらいで、配給が減るわけでもないのに――保護者のいない子供など、何処かでのたれ死んでも構わない、ということか。
それでも、紛れ込んでしまえばきっと、わからなかっただろう。庭園にはまだ、大勢の人がいる。子供一人が居ても――
否、彼が裕福だったことを知るのは、一人ではないだろう。無論、敵視する人間ばかりではないだろうが、両親を失い、傷心した所に追い打ちをかけられたせいで、冷静な判断ができなかったのかもしれない。
――哀れな。
図太くなれない繊細さと真面目さが、この少年を追いつめたのか。
「――スポルス、だったか」
呼びかけに、俯いていた顔を上げる。
どん底の生活にあったはずなのに、綺麗な瞳をしていた。人間の醜さを見たはずなのに――それくらいでは穢れないとでも言うように。
「私の元に来るか」
「えっ……」
「すぐにとはいかないかもしれない。だがいずれ――そうだな。お前に資質があれば、正式に養子にできるよう、取り計らってもいい」
ルキウスは、子供を持つことができない。皇帝である以上、後継者として養子をとる必要があった。
実際、そのために動いてはいたのだ。血縁者の中から探してはいたのだが、条件に合う子供がいなかった。
反対は、あるだろう。何処の誰とも知れぬ子供を養子になどと、すんなり受け入れられるはずがない。
だがそろそろ、いいのではないか。今まで皇帝になったのは、アウグストゥス、引いてはユリウス・カエサルの一族だけだった。
だからこそ、「皇帝」と呼ばれるのだから。
ルキウスの養子になれば、一応はカエサルの血筋に加わることになる。とはいえ、偉大なるカエサルの血をまったく受け継がない皇帝が誕生するのだと思えば、最高の皮肉だった。
「拾って頂けるのは、光栄です。でも、養子は――」
事の重大さに気付いたのだろう。スポルスは顔面を硬直させる。
――この、聡明さと誠実さこそがむしろ、皇帝の資質。
「言っただろう、素質があれば、と。まずはギリシア語、弁論術や哲学――あらゆる学問を学んでもらう。見極めは私がやる。素質があれば私の養子にするし、なければ知り合いの貴族に預けることになるだろう」
噛んで含めるように言い聞かせると、スポルスは小さく喉を鳴らした。
「お傍に置いて頂くには、あなたに認められる必要がある、と」
皇帝になれなければ傍に置く意味がない――秘められた意図に気付いたスポルスは、やはり賢明だった。
頷く代わりに、スポルスの頭に手を置く。
満足に風呂に入ることもできていないのだろう。髪は房で固まり、ざりっとした手触りが気にかかる。
それでも、嬉しそうに肩を竦めた笑顔が印象的だった。
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