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第九章
予感
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死を前にすれば、神など捨てると思っていた。
憔悴しきった横顔が、溜め息を吐き出す。
クリストゥス信仰者達は、頑強に改宗を拒み、甘んじて死んでいった。結果、想定していたよりもずっと、多くの人間を殺す結果となってしまった。
疲れた顔で小さく呟く皇帝に、ガイウスは返す言葉を探す。
あのような者達は死して当然だ、などと気休めを口にはできない。ガイウス自身、決してそうは思えないのだ。賢明な皇帝が、本意ではない言葉で納得するはずがない。
讒言するべきだった。正当な裁判もなしに極刑を賜るなど、あり得ない。以前のガイウスであれば、何としてでも阻んだだろう。
けれど、彼女の寵愛を失うことを恐れ、反論さえもできなかった。
――否、本当に寵愛など、受けているのだろうか。
二人が結ばれて以降、皇帝はガイウスに対して冷淡な態度を貫いている。私的に過ごすことを極力避けているようにさえも、見えた。
わかっている。おそらくは、オクタヴィアへの罪悪感がそうさせることは。
ガイウスとて、オクタヴィアのことは忘れ難い。今でも敬愛の念は変わっていないし、彼女の死を悼む気持ちも消えてはいなかった。
それでも、嫉妬が胸を焦がす。
もし、オクタヴィアが生きていれば。考えないようにしていても、どうしても浮かんでしまう。
彼女が傍にいれば、皇帝はきっとガイウスなど見向きもしない。ガイウスにも想いは傾けてくれているが、オクタヴィアへの気持ちに比べれば些細な物だ。
二人を比べ、皇帝がどちらを選ぶかなど、明らかだった。
オクタヴィアの信じた神は、同性愛を禁じていると聞く。だが二人は、同性であっても愛し合っていた。
たとえ罪であったのだとしても、想いはきっと、純粋だった。
禁忌だからとためらわず、打ち明け合っていれば二人は、今でも幸せに暮らしていただろう。
そうであれば、嬉しい。微笑み合う皇帝と皇后の姿を思い描くのは、ガイウスにとっても幸せな妄想だった。
だがその仮定が消えたからこそ、皇帝を手に入れた。想いを、成就させことができた。
二人の幸せを望みながら、自分の欲望を満たすことを望む。二律背反が、胸をかき乱す。
なんと欲深く、醜いことか。
このような男を、あの清いオクタヴィアを愛した人が本当に愛するのか。
答えは、否だ。――そうとしか、思えない。
悪魔が耳元に囁きかける。
ネロは女だと公表してしまえ。皇帝の地位を失えば、彼女は自由になれる。――お前だけのものになる。
その誘惑に辛うじて耐えていられるのは、「皇帝ネロ」への尊敬だった。
否、やはり彼女自身への愛情故、なのだろうか。
彼女が無謀なまでに名誉を求めるのは、その名を歴史に刻みたいがためだった。女と知られれば、地位を追われるだけではなく、「ネロ」の名は歴史において永遠に封印されるだろう。
そうなれば、たとえローマから脱出し、何処かでひそかに暮らしたとしても、ただの抜け殻になってしまう。
誇りを失い、生きる意味さえなくした彼女を手に入れて、一体何になるというのか。
オクタヴィアを大切に想い続ける皇帝《カエサル》だからこそ、ガイウスは愛した。なのに、独占したいと思ってしまう。
皇帝としての威厳に満ち、誇りをもつ彼女だからこそ愛しいと思うのに、公事になど目を向けず、自分だけを見てほしいと願う。
二重の矛盾が、ガイウスを責め立てた。
――けれど、今は側近としての役割を果たすべきだ。
意を決して、ガイウスは皇帝の執務室を訪れた。
「どうした、難しい顔をして」
ガイウスを迎える顔には、やはり覇気がない。
当然だ。毎日のように、ティゲリヌスから陰謀事件を聞かされているのだから。
皇帝ネロを仇と狙う人間は、数多くいる。実際、暗殺未遂も幾度となくあった。
神経衰弱気味になった皇帝は、煩わしさもあってか、それらに対処する全権をティゲリヌスに与えてしまった。
処分は、皇帝ネロの名においてティゲリヌスが行っていたと言っても、過言ではない。
「大変申し上げ難いことですが、ティゲリヌスを信用しすぎるのはいかがかと思います」
ティゲリヌスは、確かに政治家としては一定の評価ができるけれど、人間としては及第点を与えられる人物ではなかった。
陰謀事件における決定権を活用し、処断した中には無実の人物もいた。彼にとっては邪魔である、もしくはその財産に目をつけられたせいで、だ。
聡明な皇帝が、ティゲリヌスの悪行に何故気付かないのだろうか。
思うのと同時、醜い政治闘争から目をそらしたいばかりに、気付かないふりをしているのではないかとの疑念すら浮かんでいた。
ガイウスを見上げる目に、不快の色が滲む。
「彼はよくやってくれている。私の命を守るために、昼夜を問わず働いてくれているが」
「皇帝のためかどうか疑わしいと、申し上げているのです」
「――どういう意味だ」
ルキウスの声が低くなる。ごりっとした濁りの混じったそれは、不快を通り越して憤りが含まれたものだった。
覚悟はしていても、目の当たりにするとやはり、躊躇が生まれる。
――けれど、言わなければならない。
胸の辺りに嫌な痛みを感じながら、口を開く。
「確かに、彼の政治能力は高い。けれど性格は陰湿で、人を逆恨みしては濡れ衣を着せる残酷なものです。その残虐な所業は、皇帝ネロ、あなたの名において行われています」
「――」
「市民達があなたを何と呼んでいるのかご存じですか? カリグラの再来、愚鈍なるパリス、オレステスの罪人、邪悪なオルクス――」
「黙れ!」
怒声を上げて、睨みつけてくる視線が痛い。思わず口を閉ざしたガイウスに向けられたのは、口の端を引きつらせた笑みだった。
「私を悪し様に罵るのが、それ程楽しいか」
「そうではありません」
ガイウスは深く、溜め息を吐く。
「私は、あなたのためを思って申し上げている。ティゲリヌスにこれ以上権力を持たせすぎるのは――これ以上お傍に置いておくのは、あなたのためにはなりません」
ティゲリヌスに濡れ衣を着せられ、処刑された人々――その遺族が憎むのは誰か?
皇帝ネロだ。
そして悪しき皇帝を倒すことこそが正義と思いこんだ人々が、暗殺を企てる。それらが捕らえられて処刑され――延々と続く、悪循環が生まれるだけだ。
幼い頃から身分も高いルキウスは、母親以外には面と向かって罵られることはなかっただろう。
いつも傍で方針に口出しをするガイウスを、疎ましく思っている可能性も否定できない。
これが決定打となって、憎悪の対象となってしまう事もあり得る。
――それでも、「皇帝ネロ」のために。
「ああ――なるほど、わかった」
長い睨み合いの末、ルキウスが不意に笑った。
苦みの混じった、何処か呆れたような笑み。
理解してくれたのだろうか。期待よりも、表情が示す不思議な反応の方が気にかかる。
「まったく……驚いた。あなた程の人でも、そのような感情があるのだな」
くすくすと笑いながら、伸ばされた手がガイウスの頬をそっと撫でる。
「安心してくれ。私が恋慕うのはあなただけだ。他の誰にも、心を移すようなことはない」
彼女が何を言っているのか、理解できなかった。まったく脈絡もなく発せられた言葉に、唖然とする。
ティゲリヌスへの嫉妬から、彼を引き離そうとするための虚言と思われたのだと気付いた時には、更に愕然とした。
これがあの、聡明さを謳われた皇帝か。
見たい物だけを見て、聞きたいことだけを聞く。
理解したくないことには目を塞ぎ、あえてとしか思えない不可思議な解釈をする。
オクタヴィアの存在は、これ程までに大きかったのかと痛感していた。彼女を失った後は、制御の効かない暴れ馬のようにただ感情を暴走させる。
否、彼女を失う要因となったのも、理性が効かなかったせいだ。
――そしてその原因は、ガイウスにある。
ルキウスを責める資格など、最初からガイウスにはなかったのだ。
これ以上、言葉を尽くしても無駄だった。諦めが胸を支配する。やんわりとルキウスの手を払い、一礼すると部屋を出て行った。
皇帝ネロの人生は、まるで狂ったままに時を刻む時計だった。
悲劇を予感しながらも、止める術はない。
自らの無力さに、絶望を覚えずにはいられなかった。
憔悴しきった横顔が、溜め息を吐き出す。
クリストゥス信仰者達は、頑強に改宗を拒み、甘んじて死んでいった。結果、想定していたよりもずっと、多くの人間を殺す結果となってしまった。
疲れた顔で小さく呟く皇帝に、ガイウスは返す言葉を探す。
あのような者達は死して当然だ、などと気休めを口にはできない。ガイウス自身、決してそうは思えないのだ。賢明な皇帝が、本意ではない言葉で納得するはずがない。
讒言するべきだった。正当な裁判もなしに極刑を賜るなど、あり得ない。以前のガイウスであれば、何としてでも阻んだだろう。
けれど、彼女の寵愛を失うことを恐れ、反論さえもできなかった。
――否、本当に寵愛など、受けているのだろうか。
二人が結ばれて以降、皇帝はガイウスに対して冷淡な態度を貫いている。私的に過ごすことを極力避けているようにさえも、見えた。
わかっている。おそらくは、オクタヴィアへの罪悪感がそうさせることは。
ガイウスとて、オクタヴィアのことは忘れ難い。今でも敬愛の念は変わっていないし、彼女の死を悼む気持ちも消えてはいなかった。
それでも、嫉妬が胸を焦がす。
もし、オクタヴィアが生きていれば。考えないようにしていても、どうしても浮かんでしまう。
彼女が傍にいれば、皇帝はきっとガイウスなど見向きもしない。ガイウスにも想いは傾けてくれているが、オクタヴィアへの気持ちに比べれば些細な物だ。
二人を比べ、皇帝がどちらを選ぶかなど、明らかだった。
オクタヴィアの信じた神は、同性愛を禁じていると聞く。だが二人は、同性であっても愛し合っていた。
たとえ罪であったのだとしても、想いはきっと、純粋だった。
禁忌だからとためらわず、打ち明け合っていれば二人は、今でも幸せに暮らしていただろう。
そうであれば、嬉しい。微笑み合う皇帝と皇后の姿を思い描くのは、ガイウスにとっても幸せな妄想だった。
だがその仮定が消えたからこそ、皇帝を手に入れた。想いを、成就させことができた。
二人の幸せを望みながら、自分の欲望を満たすことを望む。二律背反が、胸をかき乱す。
なんと欲深く、醜いことか。
このような男を、あの清いオクタヴィアを愛した人が本当に愛するのか。
答えは、否だ。――そうとしか、思えない。
悪魔が耳元に囁きかける。
ネロは女だと公表してしまえ。皇帝の地位を失えば、彼女は自由になれる。――お前だけのものになる。
その誘惑に辛うじて耐えていられるのは、「皇帝ネロ」への尊敬だった。
否、やはり彼女自身への愛情故、なのだろうか。
彼女が無謀なまでに名誉を求めるのは、その名を歴史に刻みたいがためだった。女と知られれば、地位を追われるだけではなく、「ネロ」の名は歴史において永遠に封印されるだろう。
そうなれば、たとえローマから脱出し、何処かでひそかに暮らしたとしても、ただの抜け殻になってしまう。
誇りを失い、生きる意味さえなくした彼女を手に入れて、一体何になるというのか。
オクタヴィアを大切に想い続ける皇帝《カエサル》だからこそ、ガイウスは愛した。なのに、独占したいと思ってしまう。
皇帝としての威厳に満ち、誇りをもつ彼女だからこそ愛しいと思うのに、公事になど目を向けず、自分だけを見てほしいと願う。
二重の矛盾が、ガイウスを責め立てた。
――けれど、今は側近としての役割を果たすべきだ。
意を決して、ガイウスは皇帝の執務室を訪れた。
「どうした、難しい顔をして」
ガイウスを迎える顔には、やはり覇気がない。
当然だ。毎日のように、ティゲリヌスから陰謀事件を聞かされているのだから。
皇帝ネロを仇と狙う人間は、数多くいる。実際、暗殺未遂も幾度となくあった。
神経衰弱気味になった皇帝は、煩わしさもあってか、それらに対処する全権をティゲリヌスに与えてしまった。
処分は、皇帝ネロの名においてティゲリヌスが行っていたと言っても、過言ではない。
「大変申し上げ難いことですが、ティゲリヌスを信用しすぎるのはいかがかと思います」
ティゲリヌスは、確かに政治家としては一定の評価ができるけれど、人間としては及第点を与えられる人物ではなかった。
陰謀事件における決定権を活用し、処断した中には無実の人物もいた。彼にとっては邪魔である、もしくはその財産に目をつけられたせいで、だ。
聡明な皇帝が、ティゲリヌスの悪行に何故気付かないのだろうか。
思うのと同時、醜い政治闘争から目をそらしたいばかりに、気付かないふりをしているのではないかとの疑念すら浮かんでいた。
ガイウスを見上げる目に、不快の色が滲む。
「彼はよくやってくれている。私の命を守るために、昼夜を問わず働いてくれているが」
「皇帝のためかどうか疑わしいと、申し上げているのです」
「――どういう意味だ」
ルキウスの声が低くなる。ごりっとした濁りの混じったそれは、不快を通り越して憤りが含まれたものだった。
覚悟はしていても、目の当たりにするとやはり、躊躇が生まれる。
――けれど、言わなければならない。
胸の辺りに嫌な痛みを感じながら、口を開く。
「確かに、彼の政治能力は高い。けれど性格は陰湿で、人を逆恨みしては濡れ衣を着せる残酷なものです。その残虐な所業は、皇帝ネロ、あなたの名において行われています」
「――」
「市民達があなたを何と呼んでいるのかご存じですか? カリグラの再来、愚鈍なるパリス、オレステスの罪人、邪悪なオルクス――」
「黙れ!」
怒声を上げて、睨みつけてくる視線が痛い。思わず口を閉ざしたガイウスに向けられたのは、口の端を引きつらせた笑みだった。
「私を悪し様に罵るのが、それ程楽しいか」
「そうではありません」
ガイウスは深く、溜め息を吐く。
「私は、あなたのためを思って申し上げている。ティゲリヌスにこれ以上権力を持たせすぎるのは――これ以上お傍に置いておくのは、あなたのためにはなりません」
ティゲリヌスに濡れ衣を着せられ、処刑された人々――その遺族が憎むのは誰か?
皇帝ネロだ。
そして悪しき皇帝を倒すことこそが正義と思いこんだ人々が、暗殺を企てる。それらが捕らえられて処刑され――延々と続く、悪循環が生まれるだけだ。
幼い頃から身分も高いルキウスは、母親以外には面と向かって罵られることはなかっただろう。
いつも傍で方針に口出しをするガイウスを、疎ましく思っている可能性も否定できない。
これが決定打となって、憎悪の対象となってしまう事もあり得る。
――それでも、「皇帝ネロ」のために。
「ああ――なるほど、わかった」
長い睨み合いの末、ルキウスが不意に笑った。
苦みの混じった、何処か呆れたような笑み。
理解してくれたのだろうか。期待よりも、表情が示す不思議な反応の方が気にかかる。
「まったく……驚いた。あなた程の人でも、そのような感情があるのだな」
くすくすと笑いながら、伸ばされた手がガイウスの頬をそっと撫でる。
「安心してくれ。私が恋慕うのはあなただけだ。他の誰にも、心を移すようなことはない」
彼女が何を言っているのか、理解できなかった。まったく脈絡もなく発せられた言葉に、唖然とする。
ティゲリヌスへの嫉妬から、彼を引き離そうとするための虚言と思われたのだと気付いた時には、更に愕然とした。
これがあの、聡明さを謳われた皇帝か。
見たい物だけを見て、聞きたいことだけを聞く。
理解したくないことには目を塞ぎ、あえてとしか思えない不可思議な解釈をする。
オクタヴィアの存在は、これ程までに大きかったのかと痛感していた。彼女を失った後は、制御の効かない暴れ馬のようにただ感情を暴走させる。
否、彼女を失う要因となったのも、理性が効かなかったせいだ。
――そしてその原因は、ガイウスにある。
ルキウスを責める資格など、最初からガイウスにはなかったのだ。
これ以上、言葉を尽くしても無駄だった。諦めが胸を支配する。やんわりとルキウスの手を払い、一礼すると部屋を出て行った。
皇帝ネロの人生は、まるで狂ったままに時を刻む時計だった。
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