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第六章
告発
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それから何日もしないうちに、ルキウスはオクタヴィアを告発した。
姦通罪――その結果、不義の種を身に宿したとして。
あの日以来、ルキウスは私室には戻っていない。執務室に寝泊まりし、オクタヴィアと顔を合わせないようにした。
おそらく、それがいけなかったのだろう。オクタヴィアと会えば、それだけで愛しさが募っていたかもしれない。
怒りを打ち負かせるほどの愛情で、元の関係に戻ることができた可能性もある。
けれど毎日机と向き合い、吐き出すことのできない悲しみと憎しみが、ルキウスを残虐な行動へと駆り立てていた。
「皇帝、あなたはなんということを――!」
ガイウスが訪れ、ルキウスを非難したのは、告発を行ったその日のことだった。
情報が早すぎる。
よほどこの件に心を砕いていたか――それとも、処置を受けたオクタヴィアに直接訴えられたか。
おそらくは、後者。
ガイウスの、オクタヴィアに対する愛情を見せつけられているような気分だった。
酷い男だ。ルキウスは、眉根を寄せる。
彼は無自覚だったとはいえ、ルキウスの恋心を踏みにじった。その上、大切なオクタヴィアを汚し、二人の関係まで壊してしまった。
「――何の話だ」
最後の書類に署名をし、目を上げる。深く腰かけた椅子から、立ち上がることもしなかった。
なぜだろう。ガイウスを憎いと思うのに、気持ちは変わらない。彼を失いたいとは、思えなかった。
オクタヴィアを遠ざける処置は、怒りに突き動かされたままやってのけたのに。
「オクタヴィア様のことです」
言われるまでもない。
口にしかけて、黙る。ガイウスの目が、いつになく鋭くなっていたからだ。
当然だった。愛人が、姦通の罪で訴えられたのだ。
余波が自分にまで及ぶ事を、危惧しないはずがない。
耳元で囁く悪意が、ガイウスの人間性までを貶める。
「取り消して下さい」
「その必要はない」
「何故です? ご懐妊のことは聞きました。めでたい話ではありませんか。帝国に、世継ぎが生まれるのですから」
「私の子どもだったらな」
ふんと、鼻先で笑って見せる。キリキリと痛みを訴えかけてくるのが、胃なのか胸なのかも、わからなかった。
「何故そうではないと断言してしまわれるのです。そもそも、あのオクタヴィア様が姦通などと……」
「ありえない、か?」
「はい」
白々しい。頷くガイウスに、思わず失笑する。
その間男とはガイウス、お前ではないか。
喉元まで出そうになった言葉を、やっとの思いで飲み込んだ。
それを言ってしまえば、オクタヴィアだけではなくガイウスまでも失ってしまう。そのような事態は、避けなければならなかった。
同じ罪を犯した二人。
なのになぜ、罰をオクタヴィア一人に押しつけ、ガイウスを許そうとしているのだろう。
疑問への答えは、すでに見つけていた。
母殺しの罪を許し、心の重荷を削ってくれたのは、ガイウスだった。彼自身に自覚がないからこその、救いだった。
だから今度は、自分が彼を許してあげるのだと、思い込んでいた。
――ずっと以前、オクタヴィアに救われたことも、それからずっと傍らで見守ってくれていたことも全て忘れて。
恋は人を盲目にすると言う。ルキウスもまた、その一人だったのかもしれない。
「ありえないのは、彼女が私の子を宿すことの方だ」
唇に刻んだ冷笑は、誰に向けたものかはルキウス自身にもわからなかった。
「だから何故、そう断言してしまわれるのかと――」
「私は、彼女を抱いたことがない」
怪訝というよりは激昂しかけたガイウスを、静かに遮る。
愕然と瞠られた目を、真っ直ぐに見つめ返した。
「誓ってもいい。ただの一度もだ」
それで子どもなどできるはずがないだろう?
問いかけを、皮肉な笑みで飾る。
そんな、と一言呟いて、立ち尽くすガイウスの様子は意外だった。
オクタヴィアが身を任せるほどに気を許していたならば、洗いざらい話していると思っていた。
けれどあの驚きようは、演技には見えない。ルキウスを女だとは知らなかったとしか思えなかった。
一体何故、オクタヴィアは話さなかったのだろう。
彼女の、自分を想う心の証拠だと、思わないわけではない。だがそれよりも、皮肉が強く訴えかけてくる。
さすがに皇后の誇りが残っていたのか、偽りの結婚生活を恥じてでもいたのか。
それとも――ルキウスのことなど思い出さないほど、ガイウスに夢中だったのかと。
「あれほど、仲がよろしかったのに」
愕然と呟かれる声が、ガイウスの驚愕の強さを物語っているようだった。
「確かに、私は彼女が大好きだった。誰よりも愛していた。だが――言いたくもないが、私は男として機能しない」
事実だった。女であるルキウスが、夫としての役割を果たすことは到底不可能なのだから。
「そのことで彼女に不自由な思いをさせたのは事実だろう。だが私も辛かった。どれだけ愛しても、本当に彼女を自分のものにすることができないのだから」
これもまた、真情だった。
アグリッピナ殺害の直後、混乱の中でオクタヴィアを求めた。あの時は本気で、彼女を欲していた。
どれほど愛しく思っても、オクタヴィアと結ばれることは永遠に叶わない。
ぎり、と唇を噛みしめる。胸の奥がしめつけられるような痛みに襲われていた。
「――そのお話がもし、真実であるなら……」
言い辛そうに、それでもはっきりとした声でガイウスが続ける。
「オクタヴィア様の腹の子を処分し、その上でまたお傍に置けばいいではないですか。皇帝がそうされれば、あなたの慈悲はきっと、彼女にも伝わるはずです」
「処分? ――はっ、莫迦なことを」
提案を、鼻先で笑う。
「オクタヴィアの信仰を知らないのか? 堕胎など、するはずもない。――それに」
重苦しい胸を、少しでも軽くさせるためにため息を吐き出す。
「それに、彼女は体が弱い。そのような危険な真似はさせられない」
不確かな堕胎の結果、命を落とした娘は数多くいる。後遺症に悩まされている者は、さらに多かった。
健康体であっても可能性は低くないのだ。元々虚弱な体質であれば、危険はもっと高くなる。
オクタヴィアの死など、想像するだけでもゾッとした。
「それでは――今でもオクタヴィア様を愛しておられるのですね?」
期待が込められた言葉に、即座に答えることはできなかった。
愛して、いるのだろうか。
自分でも、わからない。そもそも、オクタヴィアに向けた想いが愛なのかも。
妹への愛情だけではない。もっと強い想いがあるのは事実だった。
性愛めいた感情も否定できない。けれど――
「――過去の話だ」
結局は考えることを放棄して、そう一言で突き放す。
確かに、過去のことなのだ。あれほどまでに愛しいと感じ、何にも増して守らなければと思っていた、あの感情さえもどこか置き忘れてきたのかもしれない。
心の片隅、精神の一番奥深い所へと。
「ただ、気になるのは相手の男だ。それによっては、私も出方を変えるかもしれない。――ガイウス、あなたに心当たりはないか」
様子を探りながら問いかけた瞬間、彼の表情が凍り付く。
素直なことだ。
やはりそうか、と思う傍ら、疑問にも襲われる。
ガイウスは何故、自分がその男だと名乗り出ないのか。彼の性格であれば、黙っているはずもないだろうに。
もし白状すれば、皇帝の怒りを免れることはできない。皇后にさえ非情な措置を行ったのに、間男への寛容な対応などあり得なかった。
そう考えるのならば、名乗り出るなど自殺行為である。
けれど、それでもなお告白するべきではないのか。それこそが、オクタヴィアへの愛の証。
なのにそうしないのは、オクタヴィアのために身の破滅を招きたくはないとの意思表示ではないのか。
だとすれば――オクタヴィアが可哀想だ。
ふっと、哀れになった。ガイウスのために身を持ち崩したオクタヴィア、なのに男は一人で逃げようとしている。
ガイウスが自らの罪を告白すれば、オクタヴィアを許そう。告発を取り下げ、裏で二人を引き合わせてもいい。
オクタヴィアは甘えてくれなかったけれど、ガイウスだけでも自分を信じてくれるのならば――また三人で、時間を共にできるかもしれない。
彼が、全てを語ってくれさえすれば。
「――いえ、存じておりません」
鋭くなったルキウスの視線をかわすように、ガイウスは目をそらした。
これで、オクタヴィアへの罰が決まる。
安堵したのだろうか、それとも残念だったのか。
自分の感情を理解するのが困難なほど、ルキウスの心は乱れていた。
姦通罪――その結果、不義の種を身に宿したとして。
あの日以来、ルキウスは私室には戻っていない。執務室に寝泊まりし、オクタヴィアと顔を合わせないようにした。
おそらく、それがいけなかったのだろう。オクタヴィアと会えば、それだけで愛しさが募っていたかもしれない。
怒りを打ち負かせるほどの愛情で、元の関係に戻ることができた可能性もある。
けれど毎日机と向き合い、吐き出すことのできない悲しみと憎しみが、ルキウスを残虐な行動へと駆り立てていた。
「皇帝、あなたはなんということを――!」
ガイウスが訪れ、ルキウスを非難したのは、告発を行ったその日のことだった。
情報が早すぎる。
よほどこの件に心を砕いていたか――それとも、処置を受けたオクタヴィアに直接訴えられたか。
おそらくは、後者。
ガイウスの、オクタヴィアに対する愛情を見せつけられているような気分だった。
酷い男だ。ルキウスは、眉根を寄せる。
彼は無自覚だったとはいえ、ルキウスの恋心を踏みにじった。その上、大切なオクタヴィアを汚し、二人の関係まで壊してしまった。
「――何の話だ」
最後の書類に署名をし、目を上げる。深く腰かけた椅子から、立ち上がることもしなかった。
なぜだろう。ガイウスを憎いと思うのに、気持ちは変わらない。彼を失いたいとは、思えなかった。
オクタヴィアを遠ざける処置は、怒りに突き動かされたままやってのけたのに。
「オクタヴィア様のことです」
言われるまでもない。
口にしかけて、黙る。ガイウスの目が、いつになく鋭くなっていたからだ。
当然だった。愛人が、姦通の罪で訴えられたのだ。
余波が自分にまで及ぶ事を、危惧しないはずがない。
耳元で囁く悪意が、ガイウスの人間性までを貶める。
「取り消して下さい」
「その必要はない」
「何故です? ご懐妊のことは聞きました。めでたい話ではありませんか。帝国に、世継ぎが生まれるのですから」
「私の子どもだったらな」
ふんと、鼻先で笑って見せる。キリキリと痛みを訴えかけてくるのが、胃なのか胸なのかも、わからなかった。
「何故そうではないと断言してしまわれるのです。そもそも、あのオクタヴィア様が姦通などと……」
「ありえない、か?」
「はい」
白々しい。頷くガイウスに、思わず失笑する。
その間男とはガイウス、お前ではないか。
喉元まで出そうになった言葉を、やっとの思いで飲み込んだ。
それを言ってしまえば、オクタヴィアだけではなくガイウスまでも失ってしまう。そのような事態は、避けなければならなかった。
同じ罪を犯した二人。
なのになぜ、罰をオクタヴィア一人に押しつけ、ガイウスを許そうとしているのだろう。
疑問への答えは、すでに見つけていた。
母殺しの罪を許し、心の重荷を削ってくれたのは、ガイウスだった。彼自身に自覚がないからこその、救いだった。
だから今度は、自分が彼を許してあげるのだと、思い込んでいた。
――ずっと以前、オクタヴィアに救われたことも、それからずっと傍らで見守ってくれていたことも全て忘れて。
恋は人を盲目にすると言う。ルキウスもまた、その一人だったのかもしれない。
「ありえないのは、彼女が私の子を宿すことの方だ」
唇に刻んだ冷笑は、誰に向けたものかはルキウス自身にもわからなかった。
「だから何故、そう断言してしまわれるのかと――」
「私は、彼女を抱いたことがない」
怪訝というよりは激昂しかけたガイウスを、静かに遮る。
愕然と瞠られた目を、真っ直ぐに見つめ返した。
「誓ってもいい。ただの一度もだ」
それで子どもなどできるはずがないだろう?
問いかけを、皮肉な笑みで飾る。
そんな、と一言呟いて、立ち尽くすガイウスの様子は意外だった。
オクタヴィアが身を任せるほどに気を許していたならば、洗いざらい話していると思っていた。
けれどあの驚きようは、演技には見えない。ルキウスを女だとは知らなかったとしか思えなかった。
一体何故、オクタヴィアは話さなかったのだろう。
彼女の、自分を想う心の証拠だと、思わないわけではない。だがそれよりも、皮肉が強く訴えかけてくる。
さすがに皇后の誇りが残っていたのか、偽りの結婚生活を恥じてでもいたのか。
それとも――ルキウスのことなど思い出さないほど、ガイウスに夢中だったのかと。
「あれほど、仲がよろしかったのに」
愕然と呟かれる声が、ガイウスの驚愕の強さを物語っているようだった。
「確かに、私は彼女が大好きだった。誰よりも愛していた。だが――言いたくもないが、私は男として機能しない」
事実だった。女であるルキウスが、夫としての役割を果たすことは到底不可能なのだから。
「そのことで彼女に不自由な思いをさせたのは事実だろう。だが私も辛かった。どれだけ愛しても、本当に彼女を自分のものにすることができないのだから」
これもまた、真情だった。
アグリッピナ殺害の直後、混乱の中でオクタヴィアを求めた。あの時は本気で、彼女を欲していた。
どれほど愛しく思っても、オクタヴィアと結ばれることは永遠に叶わない。
ぎり、と唇を噛みしめる。胸の奥がしめつけられるような痛みに襲われていた。
「――そのお話がもし、真実であるなら……」
言い辛そうに、それでもはっきりとした声でガイウスが続ける。
「オクタヴィア様の腹の子を処分し、その上でまたお傍に置けばいいではないですか。皇帝がそうされれば、あなたの慈悲はきっと、彼女にも伝わるはずです」
「処分? ――はっ、莫迦なことを」
提案を、鼻先で笑う。
「オクタヴィアの信仰を知らないのか? 堕胎など、するはずもない。――それに」
重苦しい胸を、少しでも軽くさせるためにため息を吐き出す。
「それに、彼女は体が弱い。そのような危険な真似はさせられない」
不確かな堕胎の結果、命を落とした娘は数多くいる。後遺症に悩まされている者は、さらに多かった。
健康体であっても可能性は低くないのだ。元々虚弱な体質であれば、危険はもっと高くなる。
オクタヴィアの死など、想像するだけでもゾッとした。
「それでは――今でもオクタヴィア様を愛しておられるのですね?」
期待が込められた言葉に、即座に答えることはできなかった。
愛して、いるのだろうか。
自分でも、わからない。そもそも、オクタヴィアに向けた想いが愛なのかも。
妹への愛情だけではない。もっと強い想いがあるのは事実だった。
性愛めいた感情も否定できない。けれど――
「――過去の話だ」
結局は考えることを放棄して、そう一言で突き放す。
確かに、過去のことなのだ。あれほどまでに愛しいと感じ、何にも増して守らなければと思っていた、あの感情さえもどこか置き忘れてきたのかもしれない。
心の片隅、精神の一番奥深い所へと。
「ただ、気になるのは相手の男だ。それによっては、私も出方を変えるかもしれない。――ガイウス、あなたに心当たりはないか」
様子を探りながら問いかけた瞬間、彼の表情が凍り付く。
素直なことだ。
やはりそうか、と思う傍ら、疑問にも襲われる。
ガイウスは何故、自分がその男だと名乗り出ないのか。彼の性格であれば、黙っているはずもないだろうに。
もし白状すれば、皇帝の怒りを免れることはできない。皇后にさえ非情な措置を行ったのに、間男への寛容な対応などあり得なかった。
そう考えるのならば、名乗り出るなど自殺行為である。
けれど、それでもなお告白するべきではないのか。それこそが、オクタヴィアへの愛の証。
なのにそうしないのは、オクタヴィアのために身の破滅を招きたくはないとの意思表示ではないのか。
だとすれば――オクタヴィアが可哀想だ。
ふっと、哀れになった。ガイウスのために身を持ち崩したオクタヴィア、なのに男は一人で逃げようとしている。
ガイウスが自らの罪を告白すれば、オクタヴィアを許そう。告発を取り下げ、裏で二人を引き合わせてもいい。
オクタヴィアは甘えてくれなかったけれど、ガイウスだけでも自分を信じてくれるのならば――また三人で、時間を共にできるかもしれない。
彼が、全てを語ってくれさえすれば。
「――いえ、存じておりません」
鋭くなったルキウスの視線をかわすように、ガイウスは目をそらした。
これで、オクタヴィアへの罰が決まる。
安堵したのだろうか、それとも残念だったのか。
自分の感情を理解するのが困難なほど、ルキウスの心は乱れていた。
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