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第二章
母
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ローマの新しき神、アポロンなるネロ――市民たちがそう称えていることは知っている。また、彼らが自分に向けてくれる好意もまた、事実ではあろう。
だがそれは、果たしてルキウスの采配に対してであろうか。
貧困層に目を向けたのは、ルキウス自身の考えだ。けれど好意を寄せてくれる市民たちですら、おそらくそう考えてはいない。
傅育官、セネカ。
幼い頃、母アグリッピナがルキウスにつけた男で、今では摂政の地位にある。
彼の知識や弁論術は、万人が認める通りだ。今のルキウスがあるのは、セネカの教育があることは否定できない。
けれど、ルキウス自身は彼に対してどうしても好意的になれなかった。
ストア派の学者で、寛大や謙遜など、口にする言葉は立派だ。だが生活ぶりは、決して自らの思想とは一致していない。
謙遜どころか、自らの手柄は誇大してひけらかし、あまつさえ他人の業績をも自分のものとする。
そう、セネカはルキウスの政策を、自分が皇帝に懇願したのだと言って憚らなかった。
思想や弁論術において、すでに名声を勝ち得ていたセネカと、若輩者の皇帝。
市民のためになる政策を打ち出すのは前者だと、信じる者は多いだろう。
これを、アグリッピナは望んでいたのだろう。
アグリッピナは、セネカの名声を利用しようとしていた。
セネカは、政治に関与するだけの権力を欲していた。
利害は一致していた。だからこそ、幼いルキウスの家庭教師役を買って出たのだ。
誤算はおそらく、ルキウスが二人に政治を任せなかったことだ。
二人の、特にアグリッピナの前で、ルキウスは従順な子供だった。即位すればきっと、二人のいいなりになると思っていたのだろう。
だが口出しは許さなかった。セネカにしてみれば、せめて業績を横取りするくらいしかできなかったはずだ。
アグリッピナは、どちらもよかったのだろう。セネカでもルキウスでも、善政を敷きさえすれば、アグリッピナの先見の明を褒め称える声が出る。
もっとも、不満はあるようだった。やれ処置が甘過ぎる、市民のために金を使い過ぎる、など、耳が痛くなるほどに苦情は言われた。
そもそも、アグリッピナは政治に関与したいのだ。ひとまずは名声を得るだけで満足したものの、すぐに物足りなくなる。
そうなればまた、不平をぶつけてくるのだ。
――このように。
「ご用でしたら、私の方から伺ったのに」
わざわざお越し頂き、申し訳ない。
言ったのは、遠慮ばかりではなく、本音であった。
ルキウスには秘密があるから、私室には一人も使用人を置いていない。
だがアグリッピナのところには、かなりの人数がいた。身内だけになることは、避けられる。
それに、と背後に控えているオクタヴィアに視線を向けた。
ルキウスとアグリッピナの不仲は、もはや決定的なものだった。その険悪な様に、優しいオクタヴィアは胸を痛めている。
会見の場に彼女を立ち会わせることは、無用な気を遣わせる以外のなにものでもなかった。
「用があったわけではないの。ただ、会いたくなって。――それとも、用がなければ子供の元を訪れることすらできないのかしら?」
ほらな。
皮肉に、思わず苦笑が洩れる。
今までもこうやって、嫌味や僻みに満ちた説教を受けた。その度に人を呼んだり、公務があるのでと言い訳しては逃げてきた。
だからこそ、アグリッピナは訪ねてきたのだ。オクタヴィアの前で、ルキウスが自分を無下に扱うことをできないと知って。
「いえ。本当は私がお伺いしたいのですが、なかなか時間が取れず。来てくださって、嬉しい限りです」
「まぁ、そんなに忙しいの?」
表面を取り繕って言ったルキウスに、アグリッピナは大袈裟なまでに目を丸くした。
「それはいけないわ。体を壊しては元も子もないもの。少し、仕事を配下に任せてもいいのでは? セネカなど、適任だと思うのだけど」
おそらく、ルキウスの返しを予測してのだろう。その上で、自分の欲求を通すための台詞を用意していたということか。
もっとも、先を読んでいたのはアグリッピナだけではない。
「――母上」
いかにも傷ついた、と言わんばかりの表情を作って見せた。浮かべていた微笑みを消し、悲しげに眉根を寄せる。
「母上は、私を傀儡にでもしたいのですか? 自らの仕事を放棄し、部下に任せてしまう情けない皇帝になれと」
アグリッピナが実際にそれを望んでいるのは、紛れもない事実だった。
だが、さすがに認めることはできないはずだ。反抗もやむなし、とのきっかけをルキウスに与えることになる。
かといって、否定もできないだろう。付け入る隙を、自ら潰すことになる。
だからこそ、追い打ちをかけた。
「母上は、市民が私のことをどう言っているのかご存知ですか? あのアグリッピナの子は、セネカの政策をそのまま実行しているに過ぎない、と。私が自ら指揮を取っていてさえ、こうなのです。もし実際にセネカに任せることになれば、私の名は地に落ちるでしょう」
一旦言葉を区切り、いいえ、とさらに続けた。
「私の名だけならばまだしも、一緒に母上の名も貶めてしまう。私を育ててくださったのは、母上だ。非難はおそらく、私だけではなく母上の上にも降りかかる」
自分のためではない、あなたのためなのだとは、白々しい。
アグリッピナが、額面通りに受け取ってくれるなどとは期待していなかった。ただ、少なくとも敬意を表してくる子供の手を、振り払うことはできまい。
もし振り払われたならば、こちらも出方を変えることができる。
沈黙は、きっと長くはない。
それでも長く感じるのは、睨み据えてくるアグリッピナの瞳に、恐怖を覚えているからに他ならなかった。
結局、耐えられなくなって口を開いたのは、ルキウスだった。
「それでも傀儡になれと仰るのでしたら、私は皇帝を辞めます」
「――っ!?」
息を飲んだのは、アグリッピナではなく、オクタヴィアだった。
今までも不安げにこちらを見ていた彼女に、そっと目配せを送る。
「母上の名を汚さぬうちに、そう――」
半歩ほど後ろに控えていたオクタヴィアと並び、その肩を抱き寄せた。
「彼女と共に、私を愛してくれている幸福の島、ロードスへと行き、自由を楽しませていただくことにします」
あとは、あなたが選んでください。
選択肢などないのに、言い放つのは人が悪かった。
アグリッピナが、ルキウスを皇帝にするためにしてきた努力の数々は知っている。
それが無に帰すことを、選べるはずがない。
政治に関与はできないけれど、母后としての地位を守るか、それさえ失うか、どちらかなのだから。
ギリ、と唇を噛みしめるアグリッピナに、一抹の虚しさを禁じ得なかった。
血を分けた、たった一人の母と何故、このような会話しかできないのだろう。肉親にはもっと、相応しい話題もあるだろうに。
睨み合いの視線を先に逸らしたのは、アグリッピナだった。
「――まぁいいわ。精々、皇帝のお仕事、がんばってちょうだいね。私の名誉のためにも」
ふいっと顔を逸らすと、出口へと向かう。
勝った、と思った。
母はいつも、ルキウスにとって畏怖の対象だった。口答えなどできる相手ではなかった。
その母に、言い勝ったのだ。ホッと胸を撫で下ろす。
だが、それも長くは続かなかった。
見送るためについて行くと、部屋を出たところでアグリッピナはぴたりと足を止める。
「そう、長くはないかもしれないけれど」
顔だけで振り返ったアグリッピナの唇が、ニッと吊り上がる。
背骨に、冷たいものが駆け下りた。
絶句するルキウスをもう振り返りもせずに、アグリッピナは悠々と出て行く。そのゆったりとした様がまた、恐怖を駆り立てた。
「ルキウス、今のお義母様の言葉――」
立ち尽くすルキウスの腕にそっと触れたオクタヴィアが、不安そうに呟く。
ブリタニクスが死んだあの夜から、「ルキウス」と呼ぶようになっていた。
ティベリウス・クラウディウス・ネロ・ドルスス・ゲルマニクス。
アグリッピナとクラウディウスが結婚し、養子となって改名したルキウスの、現在の正式名である。
今では母親でさえ、ネロと呼んだ。
けれど、生まれた時よりずっと慣れ親しんできた「ルキウス」の方が、本当の名のように感じられていた。
他の誰にネロと呼ばれても構わない。だがオクタヴィアには、「本当の名前」で呼んでほしいと思ったのだ。
そう、大切な彼女にこれ以上心配をかけたくはない。
「心配いらない。いつもの脅し――きっと、負け惜しみだよ」
「でも――あなたにこのようなことを言うのはいけないけれど、私、お義母様が怖いの。ご自分の望みのためなら、何でもしそうな気がして」
杞憂ではない。それはきっと、真実だった。
ルキウス自身、先ほどの言葉を聞いて真っ先に「暗殺」の文字を脳裏に浮かべたものだ。
けれどそう言えば、オクタヴィアをさらに不安にさせてしまう。無理にも笑みを刻んで見せた。
「思い過ごしだ。いくら母上でも、私を――我が子を、失脚させようなどとはなさらないだろう」
きっと、大丈夫。言い聞かせるのはオクタヴィアに対してだけではなく、自分の心に向けたものでもあった。
だがそれは、果たしてルキウスの采配に対してであろうか。
貧困層に目を向けたのは、ルキウス自身の考えだ。けれど好意を寄せてくれる市民たちですら、おそらくそう考えてはいない。
傅育官、セネカ。
幼い頃、母アグリッピナがルキウスにつけた男で、今では摂政の地位にある。
彼の知識や弁論術は、万人が認める通りだ。今のルキウスがあるのは、セネカの教育があることは否定できない。
けれど、ルキウス自身は彼に対してどうしても好意的になれなかった。
ストア派の学者で、寛大や謙遜など、口にする言葉は立派だ。だが生活ぶりは、決して自らの思想とは一致していない。
謙遜どころか、自らの手柄は誇大してひけらかし、あまつさえ他人の業績をも自分のものとする。
そう、セネカはルキウスの政策を、自分が皇帝に懇願したのだと言って憚らなかった。
思想や弁論術において、すでに名声を勝ち得ていたセネカと、若輩者の皇帝。
市民のためになる政策を打ち出すのは前者だと、信じる者は多いだろう。
これを、アグリッピナは望んでいたのだろう。
アグリッピナは、セネカの名声を利用しようとしていた。
セネカは、政治に関与するだけの権力を欲していた。
利害は一致していた。だからこそ、幼いルキウスの家庭教師役を買って出たのだ。
誤算はおそらく、ルキウスが二人に政治を任せなかったことだ。
二人の、特にアグリッピナの前で、ルキウスは従順な子供だった。即位すればきっと、二人のいいなりになると思っていたのだろう。
だが口出しは許さなかった。セネカにしてみれば、せめて業績を横取りするくらいしかできなかったはずだ。
アグリッピナは、どちらもよかったのだろう。セネカでもルキウスでも、善政を敷きさえすれば、アグリッピナの先見の明を褒め称える声が出る。
もっとも、不満はあるようだった。やれ処置が甘過ぎる、市民のために金を使い過ぎる、など、耳が痛くなるほどに苦情は言われた。
そもそも、アグリッピナは政治に関与したいのだ。ひとまずは名声を得るだけで満足したものの、すぐに物足りなくなる。
そうなればまた、不平をぶつけてくるのだ。
――このように。
「ご用でしたら、私の方から伺ったのに」
わざわざお越し頂き、申し訳ない。
言ったのは、遠慮ばかりではなく、本音であった。
ルキウスには秘密があるから、私室には一人も使用人を置いていない。
だがアグリッピナのところには、かなりの人数がいた。身内だけになることは、避けられる。
それに、と背後に控えているオクタヴィアに視線を向けた。
ルキウスとアグリッピナの不仲は、もはや決定的なものだった。その険悪な様に、優しいオクタヴィアは胸を痛めている。
会見の場に彼女を立ち会わせることは、無用な気を遣わせる以外のなにものでもなかった。
「用があったわけではないの。ただ、会いたくなって。――それとも、用がなければ子供の元を訪れることすらできないのかしら?」
ほらな。
皮肉に、思わず苦笑が洩れる。
今までもこうやって、嫌味や僻みに満ちた説教を受けた。その度に人を呼んだり、公務があるのでと言い訳しては逃げてきた。
だからこそ、アグリッピナは訪ねてきたのだ。オクタヴィアの前で、ルキウスが自分を無下に扱うことをできないと知って。
「いえ。本当は私がお伺いしたいのですが、なかなか時間が取れず。来てくださって、嬉しい限りです」
「まぁ、そんなに忙しいの?」
表面を取り繕って言ったルキウスに、アグリッピナは大袈裟なまでに目を丸くした。
「それはいけないわ。体を壊しては元も子もないもの。少し、仕事を配下に任せてもいいのでは? セネカなど、適任だと思うのだけど」
おそらく、ルキウスの返しを予測してのだろう。その上で、自分の欲求を通すための台詞を用意していたということか。
もっとも、先を読んでいたのはアグリッピナだけではない。
「――母上」
いかにも傷ついた、と言わんばかりの表情を作って見せた。浮かべていた微笑みを消し、悲しげに眉根を寄せる。
「母上は、私を傀儡にでもしたいのですか? 自らの仕事を放棄し、部下に任せてしまう情けない皇帝になれと」
アグリッピナが実際にそれを望んでいるのは、紛れもない事実だった。
だが、さすがに認めることはできないはずだ。反抗もやむなし、とのきっかけをルキウスに与えることになる。
かといって、否定もできないだろう。付け入る隙を、自ら潰すことになる。
だからこそ、追い打ちをかけた。
「母上は、市民が私のことをどう言っているのかご存知ですか? あのアグリッピナの子は、セネカの政策をそのまま実行しているに過ぎない、と。私が自ら指揮を取っていてさえ、こうなのです。もし実際にセネカに任せることになれば、私の名は地に落ちるでしょう」
一旦言葉を区切り、いいえ、とさらに続けた。
「私の名だけならばまだしも、一緒に母上の名も貶めてしまう。私を育ててくださったのは、母上だ。非難はおそらく、私だけではなく母上の上にも降りかかる」
自分のためではない、あなたのためなのだとは、白々しい。
アグリッピナが、額面通りに受け取ってくれるなどとは期待していなかった。ただ、少なくとも敬意を表してくる子供の手を、振り払うことはできまい。
もし振り払われたならば、こちらも出方を変えることができる。
沈黙は、きっと長くはない。
それでも長く感じるのは、睨み据えてくるアグリッピナの瞳に、恐怖を覚えているからに他ならなかった。
結局、耐えられなくなって口を開いたのは、ルキウスだった。
「それでも傀儡になれと仰るのでしたら、私は皇帝を辞めます」
「――っ!?」
息を飲んだのは、アグリッピナではなく、オクタヴィアだった。
今までも不安げにこちらを見ていた彼女に、そっと目配せを送る。
「母上の名を汚さぬうちに、そう――」
半歩ほど後ろに控えていたオクタヴィアと並び、その肩を抱き寄せた。
「彼女と共に、私を愛してくれている幸福の島、ロードスへと行き、自由を楽しませていただくことにします」
あとは、あなたが選んでください。
選択肢などないのに、言い放つのは人が悪かった。
アグリッピナが、ルキウスを皇帝にするためにしてきた努力の数々は知っている。
それが無に帰すことを、選べるはずがない。
政治に関与はできないけれど、母后としての地位を守るか、それさえ失うか、どちらかなのだから。
ギリ、と唇を噛みしめるアグリッピナに、一抹の虚しさを禁じ得なかった。
血を分けた、たった一人の母と何故、このような会話しかできないのだろう。肉親にはもっと、相応しい話題もあるだろうに。
睨み合いの視線を先に逸らしたのは、アグリッピナだった。
「――まぁいいわ。精々、皇帝のお仕事、がんばってちょうだいね。私の名誉のためにも」
ふいっと顔を逸らすと、出口へと向かう。
勝った、と思った。
母はいつも、ルキウスにとって畏怖の対象だった。口答えなどできる相手ではなかった。
その母に、言い勝ったのだ。ホッと胸を撫で下ろす。
だが、それも長くは続かなかった。
見送るためについて行くと、部屋を出たところでアグリッピナはぴたりと足を止める。
「そう、長くはないかもしれないけれど」
顔だけで振り返ったアグリッピナの唇が、ニッと吊り上がる。
背骨に、冷たいものが駆け下りた。
絶句するルキウスをもう振り返りもせずに、アグリッピナは悠々と出て行く。そのゆったりとした様がまた、恐怖を駆り立てた。
「ルキウス、今のお義母様の言葉――」
立ち尽くすルキウスの腕にそっと触れたオクタヴィアが、不安そうに呟く。
ブリタニクスが死んだあの夜から、「ルキウス」と呼ぶようになっていた。
ティベリウス・クラウディウス・ネロ・ドルスス・ゲルマニクス。
アグリッピナとクラウディウスが結婚し、養子となって改名したルキウスの、現在の正式名である。
今では母親でさえ、ネロと呼んだ。
けれど、生まれた時よりずっと慣れ親しんできた「ルキウス」の方が、本当の名のように感じられていた。
他の誰にネロと呼ばれても構わない。だがオクタヴィアには、「本当の名前」で呼んでほしいと思ったのだ。
そう、大切な彼女にこれ以上心配をかけたくはない。
「心配いらない。いつもの脅し――きっと、負け惜しみだよ」
「でも――あなたにこのようなことを言うのはいけないけれど、私、お義母様が怖いの。ご自分の望みのためなら、何でもしそうな気がして」
杞憂ではない。それはきっと、真実だった。
ルキウス自身、先ほどの言葉を聞いて真っ先に「暗殺」の文字を脳裏に浮かべたものだ。
けれどそう言えば、オクタヴィアをさらに不安にさせてしまう。無理にも笑みを刻んで見せた。
「思い過ごしだ。いくら母上でも、私を――我が子を、失脚させようなどとはなさらないだろう」
きっと、大丈夫。言い聞かせるのはオクタヴィアに対してだけではなく、自分の心に向けたものでもあった。
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