冥合奇譚

月島 成生

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第六章

4.和解

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「――胡桃ちゃん、聞こえる? 聞こえたら、なんでもいい。返事ができるだろうか」

 どれくらいの時間が経っているのか、まったくわからなかった。聞こえた声に、胡桃はぼんやりと反応する。
 深い眠りの最中に揺り起こされたときのように、声をかけられたのはわかるけれど、内容までははっきりと入ってこない。

(――悠哉さんの、声……?)

 ふっと、意識が浮上するのを感じた。
 まるで深いプールの底から引き上げられるような感覚だった。
 ただし、完全に浮かび上がる寸前に、やんわりと押さえられた。
 パチリと目が開く。閉ざされていた視界に、光が広がる。

「お嬢さんのお目覚めだ」

 おどけた声だった。
 誰の声だろう。考えたのは一瞬で、さっき頭の中で聞こえた声だと思い出す。

 ――否、空気を震わせたのが胡桃の、胡桃の意識の中に直接流れこんできたのが、例の男の声だった。

 悠哉が別人格に、「出ておいで」と声をかけたあと、意識が暗転した。目覚めた今、先ほどと同じ笑みをたたえた、悠哉の顔が目前にある。

 実感としては、まばたきをした、それくらいの感覚しかない。
 けれど空白の時間があったのは明らかで、なにより、自分の意思で身体を動かすことができなかった。

 まるであの、明晰夢の中にいるときみたいに。

「おぉ、混乱してる混乱してる」
「こら、烈牙。面白がるんじゃない」

 烈牙と呼ばれて、それが別人格の名だと思い出す。
 そうか、これが――考える胡桃に、烈牙がふっと口元を緩めた。

「案外察しがいいな。てっきり、もっと鈍いかと思ってたのに」
「なにか言ってるのか?」
「ああ。これが別人格が表に出てる状況かってな」

 胡桃の思考を伝える烈牙に、悠哉もああ、と頷いた。

「意識もあって周りも見える、なのに自分の意思で体が動かない、どころか、他人に勝手に動かされる。正直、気持ちのいいものじゃないだろうけど――戸惑うのは当然だけど、これはもう慣れてもらうしかないな」

 気の毒そうにも見える一方で、笑いをかみ殺しているようにも見える。
 面白がる烈牙をたしなめた悠哉だったけれど、彼も多少ながら面白がっているように思えるのは、気のせいだろうか。


「やい、悠哉!」

 だん! と突然、烈牙が床を踏み鳴らす。
 片膝に肘をついて、身を乗り出した。

「お前こそ面白がってんじゃねぇか! さっきの言葉、そっくりそのまま返してやるぜ! ……と、うちのお嬢さんが言ってる」

 最後には悠々と、深く腰かけ直す。
 確かに、似たことは考えた。
 だがあまりにも飛躍しすぎた烈牙の態度に、カッと赤面する。

(ひっどーい! あたし、そんな風に言ってないもんっ。通訳するなら、ちゃんとして!)
「へいへい、わかったよ」
「どうした?」
「ん? 『ひっどーい! あたし、そんな風に言ってないもんっ。通訳するならちゃんとして!』だってさ」

 一言一句同じ、声や調子も真似て言う。しかも、両手の握り拳を口元に当てて見せるなど、けっこう芸が細かい。
 だが見た目は胡桃でも、烈牙が男なのは悠哉や克海も知っている。
 だから気味の悪い物を見る目を向けているし、胡桃に至っては「烈牙本人」の声も聞こえているのだ。
 不気味さは二人の比ではない。

(ごめん。あたしが悪かった)

 素直な謝罪に気をよくしたのか、烈牙が胸を張る。その態度で胡桃の反応がわかったのだろう、悠哉がくすくすと笑いを洩らしていた。

「今ので胡桃ちゃんもわかったと思う。たまにいたずらが過ぎるし、多少乱暴者だけど悪いヤツじゃない。意外と頼れる男だから」

 安心して、と言う割には、手放しで烈牙を褒めたわけではないところがおかしかった。
 そこに悠哉と彼の――否、「草薙」と「烈牙」の関係を見た気分で、ほっこりする。

「さて、ここからが本題なんだけど」

 ちょっぴり和んだ胡桃とは対照的に、悠哉は神妙な面持ちになる。

「胡桃ちゃんは最近、おかしな事象に悩まされてたわけだけど――胡桃ちゃんが言ってた通り、あれは心霊現象だった」

 きっぱりと言われて、きょとんとする。
 一昨日、言葉は濁していたけれど、心霊などのオカルトに関して悠哉は懐疑的だった。
 なのにそれを認めるのは、彼が思い出したという前世の記憶が、影響しているのだろうか。

「そして、君には友好的ではないのだろう。首の傷はきっと、そいつらがつけたものだ」

 言われると、思い出してしまう。
 あの、血で濡れた手を――真っ赤に染まった、自分の喉元を。

「そのために、おれがいるんだろ」

 烈牙が口にしたの言葉は、悠哉に対してか、それとも恐怖を覚えた胡桃に向けられたものか。
 悠哉が、目線で頷く。

「たぶん今までも、胡桃ちゃんに自覚があったかはわからないけれど、霊たちに危害を加えられていた、もしくは加えられようとしていたのだと思う。そこで無意識のうちに、自分の中で眠る『烈牙』という味方を呼び覚まし、そいつらに対処しようとした。――おそらく、それが現状だ」

 説明に、あっ、と内心で声が上がる。
 もしかしたらあれは、ただの夢ではなかったのかもしれない。思い当たる節は、あった。

 月龍の、夢だ。

 殴られたときには、痛かった。首を絞められれば、苦しかった。
 あれらは明晰夢のせいだと思っていたが、違ったのではないか。
 霊たちが胡桃に危害を加えた。身体的な痛みが、「前世の記憶」を思い出させ、それを夢の形で見ていたのかもしれない。

 その方が、納得できる。起きたあとにも痛みが残っていたり、喉元の違和感が消えていなかったり――明晰夢では説明できなかった事象の、理由になった。

 ――ならば。

(それじゃあ烈牙さんはずっと、あたしのこと守ってくれてたの……?)
(よせよ)

 香織を助けてくれたのと、同じように。
 続けようとした心の声は、不機嫌そうな烈牙に遮られる。

(感謝なんかいらねぇよ。お前はおれなんだ。自分の身を守るのは当然だろ。それに――)

 つっけんどんな言い方をした烈牙の、けほん、との咳払いは表にも出る。

(他人行儀じゃねぇか。烈って呼べよ)

 不愛想な口調は、照れ隠しなのかもしれない。思えば、微笑ましくてつい、笑ってしまう。

(うん、わかった。ありがと、烈くん)
「そうだ! 悠哉、その術書のことなんだけどよ」

 烈牙が、胡桃との会話をわざとらしく終わらせる。耳の裏が熱いからきっと、赤くなっているのではないか。
 口に出さなくても会話ができるか試してみただけが、妙な話になってしまったと、内心で反省する「声」も筒抜けだった。

「胡桃のヤツ、その術書がっていうか、その字が読めないみたいなんだよな」
「当然だ。書体が現代とは違うからな。古書の専門家や物好きでもない限り、普通は読めない」
「物好きがそこにもいるけどな」

 ちらりと視線が動いて、克海を映す。同じく克海を見て、悠哉が苦笑した。

「だが、克海に訳させるわけにはいかないだろう」
「なんで?」

 頷いたのは烈牙で、首を傾げたのが克海だった。
 胡桃もまた、疑問に思う。克海が書き起こすのがなぜいけないのかだけではなく、そもそもなぜ胡桃が術書を理解しなくてはいけないのかがわからない。

「お前にも『力』があるからだ」

 ああそれは、と説明しようとしてくれた烈牙を、意図せず遮る形になった悠哉が続ける。

「とはいっても、胡桃ちゃんと違って、破邪の力じゃない。吸引とは違うが……体質的にどうも、寄せつけやすいみたいだな」
「え?」
「お前、胡桃ちゃんといて、ぞわっとしたりすることなかったか?」

 質問に、克海がうっとつまる。思い当たる節があるのだろう。

「それも、おそらく胡桃ちゃんのときではなく、烈のときだ。違うか?」
「――たぶん、そうだと思う」
「だろうな。胡桃ちゃんもまた、寄せやすい体質なんだけど、まだ開花されていない。だが烈は、感覚が鋭い。それに引き寄せられて……言うのもなんだが、今もけっこういる」

 だよな、と同意を求める悠哉に、烈牙はさも当然の風で、いるな、と応じた。

(いるって……なにが?)
(聞きたいか?)
(――ごめん、大丈夫)

 何気ない疑問に、烈牙が面白がるように問うてくる。
 聞くまでもない。たぶん――おばけの類だ。

「そういったモノたちから身を守るために、胡桃ちゃん自身が術を覚えておいた方がいいと思う。だから術書が必要で……でも読めないからといって、克海や、ましておれが文字として書き起こすのもまた、危険だ」
「術が発動しちまうからな」

 悠哉を捕捉する烈牙に、克海がそういえば、と左斜め上を見る。

「なにかの本で読んだ気がする。半端な力と知識ほど怖いものはない、古今東西、種類は違えど『術』で失敗して痛い目に合った人間の、ほとんどが未熟者だったって」
「そういうこった。意味もわからず口にして半端に発動させるお前、理解しているが、修練を積んだ草薙ほどの力がない悠哉は術の暴走、どちらにせよ悲惨だ」

 軽い口調で言ってのけ、両手を広げる。
 まるでお手上げ、とでも言いたげな、それでも幾分、おどけた色合いだった。

「どうやってこいつに覚えさせる?」
「――そうだな」

 考えるための沈黙は、ごく短いものだった。悠哉は小さく肩を竦める。

「烈が表に出た状態、ちょうど今みたいな感じだな。その状態で、烈が術書を読む。烈の目を通せばきっと、胡桃ちゃんにも理解できるはずだ。何度も読んで、暗記する以外はない」
「ま、それしかねぇな」

 めんどくせぇな、と烈牙は呟くが、胡桃にとってはそれどころではすまされない。学校のテスト勉強でも、暗記物は苦手なのだ。
 なのに音読も書き取りもせず、意味不明の文字列を覚えるなど、できる気が欠片もない。

「ンなこと言っても、しょうがねぇだろ」

 胡桃の不安に対し、烈牙は口に出して言う。

「今、お前が住んでるとこってのは、霊道の真上だ。しかもちょうど、お前の部屋が辻の中心になってる。お前みたいに力のあるヤツがそこに在るだけで、どうしたっていろんなモノが寄ってくるさ。対処できねぇと、自分の身も守れんぞ」
(や、そこは烈くんが)
「そうだな。烈に頼ってばかりもいられないし、やっぱり胡桃ちゃんが覚えるしかないな」

 反論が聞こえたわけでもないのに、悠哉はピシャリと言い放つ。

(えー、でもあたし、怖いですー)
「お嬢さんがな、任せて! あたし、悠哉さんのためにがんばるわ! ってさ」
(そんなこと言ってないもん)

 でたらめな通訳に文句をつけてみるが、悠哉や克海には聞こえない。烈牙が涼しい顔で口笛など吹いている以上、むくれる以外に術はなかった。




 まるでお供のように、二、三歩遅れてついてくる克海を、ちらりと目だけで振り返って嘆息する。
 かなり不服だった。帰り道の安全のためにと、悠哉が克海をつけたのだ。
 確かに学校が終わってから行ったので、周辺は薄暗くなってはきている。家に着く頃には、夜と言っていい時刻、暗さになっているだろう。

 見た目はたとえ胡桃であっても、おれなんだから大丈夫。なにかあっても撃退できると主張したのだが、そもそもの予防のためだと説かれてしまった。
 その説得力もさることながら、元々参謀役だった草薙からの指令との印象が拭えず、こうやって帰る羽目になったのだけれど。

 悠哉もいるときはまだ、耐えられた。けれど二人きりになると、どうしてもイラ立ちと警戒が浮かんでくる。

「――あ。なぁ、烈牙」
「気安く呼ぶな。呼ぶんならちゃんと、烈牙さまって呼びやがれ」

 イラ立ちに任せて、言い放つ。
 「いや、それもどうかと思うけど」と胡桃は胸中でツッコミを入れてくるが、根が真面目なのか、克海はいたって真顔で口を開いた。

「じゃあ烈牙さま。あのさ――」
「お前はバカか!」

 素直に呼び方を変えられて、カッと赤面する。

「なんでも真に受けりゃいいってもんじゃねぇ! 行きのときにも言っただろ。バカだな、ホントに。烈でいい」
(照れるくらいなら、最初から言わなきゃいいのに)

 あまりにも適切な言葉だった。
 うるせぇな黙ってろ、と乱暴に言ってはみても、照れの裏返しだと知れる。
 小さく笑う胡桃の声が、胸の中から聞こえた。

「で? なにか用か」
「いや――やっぱり駅までじゃなくて、家まで送った方がいい、よな?」

 克海としても、悠哉には逆らえないのだろう。送って行けと言われた一瞬だけは驚きを見せたが、すぐに従う素振りを見せた。
 最後までぐずぐず言っていたのは、烈牙の方だ。じゃあせめて駅までは、と悠哉に言われ、渋々と折れたのである。
 だが、暗くなるのはむしろ、駅から家に向かうときだ。「胡桃」の身を心配するのなら、提案は当然のものだった。

 ――やっぱり、悪いヤツじゃねぇんだよな。

 思うほどに、ため息が洩れる。近づきたくない、近づかせたくないと思っているのに、すでに半ば気を許していることを自覚していた。

「どっちでもいい。お前が送るってんなら、おれは引っこむぜ」
「――そんなにおれのことイヤか? そりゃあ最初態度悪かったし、それについては謝るけど……」
「違ぇよ、バカ」

 反射的に答えたあとで、しまったと思う。
 寄せつけないつもりなら、そうだお前なんか大嫌いだと言い捨てて、一昨日のように一方的に帰ればよかったのだ。

「悠哉も言ってたろ。おれは胡桃よりも感覚が鋭い。寄ってくる連中だっている。そこにお前みたいな、好かれやすい体質のヤツがいたら、お前だって憑かれる可能性がある。だから二人でいるなら、おれより胡桃との方がマシってこった」

 胡桃を表に出しても、烈牙がいなくなるわけではない。万が一何者かに襲われたとして、克海が対処できなければ、烈牙が出ればいいだけだ。
 問題は、二者択一になるだろうこの状況をなぜ、わざわざ悠哉が作ったのかということだけれど――

「――おれのこと、心配してくれてるのか?」

 呆然とした克海の台詞に、カッとなる。

「あーもう! うるせぇな。で、どうすんだよ」
(大丈夫だよ。烈くん、お願い)
「このまま帰るよ、おれ」

 胸の内で胡桃が遠慮するのと、克海の返事と、ほぼ同時だった。

「おれより烈の方が強いのは事実だしさ。お互いの不利益になるなら、任せた方がいいだろ。――広瀬にとって『有益』なお前に、さ」

 ちらりと笑った顔に、いたずらな色が浮かんでいた。
 数時間前、烈牙が言った言葉だ。それになぞらえたのは揶揄のためではなく、認めたという意思表示で――

「わかった。じゃあな」

 嬉しいなどと、思っていない。思っては、いけない。
 それでも赤くなってしまった顔を見せたくなくて、克海から背ける。手を伸ばして彼の肩をぽんと叩くと、返事を待たず、足早に駅へと向かった。
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