17 / 82
第17話:ネクロノミカン
しおりを挟む
さぼったり、昼寝ばっかりしていたら、もう秋だ。
巡回中、こじんまりとしたパン屋『ブルット』の前を通る。
腹が減った。
ここで買い食いでもしよっと。
このパン屋さんの真向かいに、大邸宅がある。
あれ、その大邸宅の壁が、半分くらい真っ黒に塗られていることに気がついた。
今もペンキ屋が、二人で壁を黒く塗っている。
パン屋のバイトのお姉さんに聞く。
「このお屋敷の壁、こんなに真っ黒だったっけ」
「最近、住んでいる人が代わったみたい。そしたら、急に壁を真っ黒に塗り始めたのよ」
ふーん、いわゆるゴス趣味ってやつかな。
まあ、別に法律違反じゃないから、どうでもいいけど。
フィッシュバーガーを食べながら、黒い家を眺めていると玄関前に馬車が停車して、何やらデカい箱を家の中に入れている。
引っ越し業者かな?
小太りのおっさんがいろいろと指示しているけど、この人が家の主かね。
まあ、どうでもいいや。
パンを食い終わったので、また散歩、じゃなくて巡回を再開。
巡回から戻ってきたら、珍しく、市民から直接盗難届があった。
普通は自警団から報告が来ることが多いんよ。
自警団は大昔からあるから、よく現場を知っている。
事後報告も多いし、自警団の中でうまく解決しちゃう場合もあるらしいんよ。
住んでる場所はあたしらの分隊区域なんで、あたしが対応する。
小太りのおっさんが窓口に立っていた。
「どうされましたか」
「本を盗まれました。本の題名はネクロノミカンです」
「え? 何ですって?」
「ネクロノミカンです」
本の題名は『根暗な蜜柑』か。
変わった題名ね、純文学かな。
「本の体裁はどのような状態ですか」
「大きい本で重いです、大人が抱えるぐらいの。全体的に黒いですが、表紙に金色で五芒星が大きく描かれています。一見すると箱みたいにも見えます」
五芒星って、星の形をしたデザインだっけ。
「画集みたいなものですか」
「内容はちょっと……」
「はあ」
何か怪しいぞ、このおっさん。
「あなたのお名前は」
「オガスト・ダレスと言います」
あれ、このおっさん、さっきの黒い家の前で業者に指示していた人じゃないかな。
親の形見で貴重な本なので取り返したいとのこと。
額に汗かいて、何だか焦っているぞ。
デルフィーノさんに相談する。
「何だか、でっかい本を盗まれたようなんですけど」
「じゃあ、プルムさん、現場に行ってみよう。アギーレ君とバルド君も一緒に同行してくれないか」
「はい、分隊長殿」
リーダーとバルドが立ち上がる。
やったあ、両手に花、じゃなくて、両手にイケメン! プラス、フツメン。
ふざけんな! 仕事しろって? すんまへん。
オガストさんの自宅へ行く。
例の壁を真っ黒に塗っている大邸宅だ。
ペンキ業者が、まだ残りの部分の壁を真っ黒に塗っている。
家の中に入ると、怪しげな本がどっさりあるぞ。
オカルト趣味か。
「古代の神の研究家なんです」
オガストさんが自分の研究を説明する。
古代にこの世界を支配していた神々を研究しているらしい。
つまんなそうな研究ね。
部屋の中は本だらけだなあと思ったら、でっかい水槽があって、クラゲが何匹か泳いでいる。クラゲを飼うのが趣味なのか、オガストさん。研究の合間に見て、疲れを癒しているのかな。
おっと、隣の水槽には蛸がいる。
蛸みて癒されるんかいな。
あ、電話機があるぞ。
さすが金持ち。
「今日の午前中に絵画を三点、二階に搬入したんです。その間に、一階に置いてあった本が盗まれました」
オガストさんが証言する。
みんなで、一応、二階にも上がると絵がいっぱい飾ってある。
どれも、みなグロテスクな絵。
何だか蛸みたいな、変な気持ち悪い生き物の絵ばっかり。
蛸飼っているから、蛸好きなのか。
まあ、別に法律違反じゃないけど、オガストさん趣味悪いなあとあたしは思った。
リーダーがオガストさんに聞いた。
「絵を搬入する代わりに、本を盗んだんじゃないですか」
「いや、信用できる業者なんで、それはないかと思います」
そう答えるオガストさん。
その部屋は特に異常はないので、一階に戻り、本棚を見る。
本棚の目の前に行くと、デルフィーノさんが床を指す。
「何か黒いペンキのような小さい汚れがあるぞ」
まさか、ペンキ屋が犯人?
外に出て、ペンキ業者に声をかける。
「何の用だ」
いかにも悪役って顔してるおっさんだ。
そのおっさんに、リーダーが質問する。
「住人のオガストさんが本を失くしたんですが、知りませんか」
リーダー、そんな風に聞いても正直に答えるわけないぞ。
「お前が盗んだんだろ!」
リーダーの背中に隠れて、大声でテキトーに言ってみるいい加減なあたし。
「死ね!」
いきなり、男が襲いかかってきた。
気の早い犯人やね。
手にはちっこい果物ナイフ。
もう一人が後ろから出てきて、でかい剣を持って、あたしに襲いかかってくる。
すると、デルフィーノさんがさっと、あたしの前に出て、サーベルを矢継ぎ早に繰り出し、あっさりとサーベルで男の剣を叩き落とし、首筋にサーベルを突きつけた。
「死にたくなければ降伏しろ」
デルフィーノさんがかっこよく泥棒をつかまえる。
デルフィーノ様、素敵! と叫びたくなった。
おっと、安物果物ナイフを持った悪漢に対して、リーダー苦戦中。
プルム、助太刀に参ります。
さっと泥棒の背後に回り、股間を蹴り上げる。
泥棒が股間を押さえて転げまわっているところを、手錠を掛けて逮捕。
一丁、上がり。
バルドはボーッとしてただけ。
「ちょっと、バルド、なにボーッとしてんの!」
さぼり魔のくせに、あたしは偉そうに文句を言う。
「ああ、ごめん。急にはじまったんで、正常化バイアスになった」
「なにその正常化なんたらって」
「正常化バイアスとは、予期しない事が起きた時、『ありえない』という先入観が働き、物事を正常だと認識しちゃうんだ」
へー、さすが大卒のインテリ。
けど、何か言い訳にしか聞こえないような。
よく冒険者をやってたなあ、バルドは。
家の周りを捜索すると、裏口の扉がちょっと分厚い。
本が扉にくっ付けてあるのを発見した。
壁と同じように黒いペンキが塗られている。
はがしてみると、この本、随分と重い。
おまけに、本のカバーに鍵が付いてて開けないようになっている。
中を見れないじゃん。
他にも変な細工があって、本の表紙に円形状に複数のくぼみがある。
これはダイヤル式のような特殊な鍵かな。
ずいぶん厳重ね。
背表紙の題名も外国の文字のような字で書いてあって読めない。
何だか、怪しげな本ね。
まあ、あたしのシーフ技を使えば簡単に開けられる。
けど、やめておこうっと。
シーフの勘よ。
中身は十八禁のエロ本だと思う。
どうりで焦ってるわけだ、オガスト・ダレスさん。
泥棒二人組には手錠をかけて腰縄つけて、バルドが連れて行った。
この本、重くて、あたし一人では持てない。
リーダーが手伝ってくれる。
優しいなあ。
ああけど、まだ重い。
ほとんど歩けん。
すると、デルフィーノさんがあたしに声をかけてくる。
「プルムさん、重そうだな。代わるよ」
「あ、けど分隊長殿に手間をかけさせるのは」
あたしが遠慮気味に言うがデルフィーノさんは代わってくれた。
「いや、いいよ。代ろう」
紳士だなあ、デルフィーノさん。ますます好感度アップかける二乗。
オガストさん宅の玄関へ持って行く。
「まさか、家の壁に置いてあるとは。ありがとうございました」
オガストさん、一人で本を持ち上げ、よろよろと歩きながら本を持って行く。
力持ちだな。
ボディリフティングでもやってるのか。
警備隊庁舎に戻って、ペンキ屋兼泥棒二人組に尋問したところ、一階に盗みに入ったところ本に鍵が掛かっているので、貴重品だと思って盗んだらしい。
あんまり重いので、とりあえず扉に立てかけて、ペンキを塗って隠したそうだ。
大した事件じゃないな。
泥棒は地下にある留置所に放り込む。
後日、裁判所に護送して終わり。
あたしが報告書を書くんだけど、あれ、本の題名何だっけ。
正確な名前忘れた。
うーん、うーん。
そうそう、『根暗な蜜柑』だ。
変な題名ね。
あれ、違ったっけ。
いいや、どうせ、中身はエロ本だし。
報告書を書いていると、デルフィーノさんに注意される。
「プルムさん。さっきの事件だけど、いきなり犯人扱いはやめたほうがいいよ」
「はい、申し訳ありません。今度からは気をつけます」
けど、注意されても、嬉しいな! 嬉しいな!
お前はアホだって? アホです。
巡回中、こじんまりとしたパン屋『ブルット』の前を通る。
腹が減った。
ここで買い食いでもしよっと。
このパン屋さんの真向かいに、大邸宅がある。
あれ、その大邸宅の壁が、半分くらい真っ黒に塗られていることに気がついた。
今もペンキ屋が、二人で壁を黒く塗っている。
パン屋のバイトのお姉さんに聞く。
「このお屋敷の壁、こんなに真っ黒だったっけ」
「最近、住んでいる人が代わったみたい。そしたら、急に壁を真っ黒に塗り始めたのよ」
ふーん、いわゆるゴス趣味ってやつかな。
まあ、別に法律違反じゃないから、どうでもいいけど。
フィッシュバーガーを食べながら、黒い家を眺めていると玄関前に馬車が停車して、何やらデカい箱を家の中に入れている。
引っ越し業者かな?
小太りのおっさんがいろいろと指示しているけど、この人が家の主かね。
まあ、どうでもいいや。
パンを食い終わったので、また散歩、じゃなくて巡回を再開。
巡回から戻ってきたら、珍しく、市民から直接盗難届があった。
普通は自警団から報告が来ることが多いんよ。
自警団は大昔からあるから、よく現場を知っている。
事後報告も多いし、自警団の中でうまく解決しちゃう場合もあるらしいんよ。
住んでる場所はあたしらの分隊区域なんで、あたしが対応する。
小太りのおっさんが窓口に立っていた。
「どうされましたか」
「本を盗まれました。本の題名はネクロノミカンです」
「え? 何ですって?」
「ネクロノミカンです」
本の題名は『根暗な蜜柑』か。
変わった題名ね、純文学かな。
「本の体裁はどのような状態ですか」
「大きい本で重いです、大人が抱えるぐらいの。全体的に黒いですが、表紙に金色で五芒星が大きく描かれています。一見すると箱みたいにも見えます」
五芒星って、星の形をしたデザインだっけ。
「画集みたいなものですか」
「内容はちょっと……」
「はあ」
何か怪しいぞ、このおっさん。
「あなたのお名前は」
「オガスト・ダレスと言います」
あれ、このおっさん、さっきの黒い家の前で業者に指示していた人じゃないかな。
親の形見で貴重な本なので取り返したいとのこと。
額に汗かいて、何だか焦っているぞ。
デルフィーノさんに相談する。
「何だか、でっかい本を盗まれたようなんですけど」
「じゃあ、プルムさん、現場に行ってみよう。アギーレ君とバルド君も一緒に同行してくれないか」
「はい、分隊長殿」
リーダーとバルドが立ち上がる。
やったあ、両手に花、じゃなくて、両手にイケメン! プラス、フツメン。
ふざけんな! 仕事しろって? すんまへん。
オガストさんの自宅へ行く。
例の壁を真っ黒に塗っている大邸宅だ。
ペンキ業者が、まだ残りの部分の壁を真っ黒に塗っている。
家の中に入ると、怪しげな本がどっさりあるぞ。
オカルト趣味か。
「古代の神の研究家なんです」
オガストさんが自分の研究を説明する。
古代にこの世界を支配していた神々を研究しているらしい。
つまんなそうな研究ね。
部屋の中は本だらけだなあと思ったら、でっかい水槽があって、クラゲが何匹か泳いでいる。クラゲを飼うのが趣味なのか、オガストさん。研究の合間に見て、疲れを癒しているのかな。
おっと、隣の水槽には蛸がいる。
蛸みて癒されるんかいな。
あ、電話機があるぞ。
さすが金持ち。
「今日の午前中に絵画を三点、二階に搬入したんです。その間に、一階に置いてあった本が盗まれました」
オガストさんが証言する。
みんなで、一応、二階にも上がると絵がいっぱい飾ってある。
どれも、みなグロテスクな絵。
何だか蛸みたいな、変な気持ち悪い生き物の絵ばっかり。
蛸飼っているから、蛸好きなのか。
まあ、別に法律違反じゃないけど、オガストさん趣味悪いなあとあたしは思った。
リーダーがオガストさんに聞いた。
「絵を搬入する代わりに、本を盗んだんじゃないですか」
「いや、信用できる業者なんで、それはないかと思います」
そう答えるオガストさん。
その部屋は特に異常はないので、一階に戻り、本棚を見る。
本棚の目の前に行くと、デルフィーノさんが床を指す。
「何か黒いペンキのような小さい汚れがあるぞ」
まさか、ペンキ屋が犯人?
外に出て、ペンキ業者に声をかける。
「何の用だ」
いかにも悪役って顔してるおっさんだ。
そのおっさんに、リーダーが質問する。
「住人のオガストさんが本を失くしたんですが、知りませんか」
リーダー、そんな風に聞いても正直に答えるわけないぞ。
「お前が盗んだんだろ!」
リーダーの背中に隠れて、大声でテキトーに言ってみるいい加減なあたし。
「死ね!」
いきなり、男が襲いかかってきた。
気の早い犯人やね。
手にはちっこい果物ナイフ。
もう一人が後ろから出てきて、でかい剣を持って、あたしに襲いかかってくる。
すると、デルフィーノさんがさっと、あたしの前に出て、サーベルを矢継ぎ早に繰り出し、あっさりとサーベルで男の剣を叩き落とし、首筋にサーベルを突きつけた。
「死にたくなければ降伏しろ」
デルフィーノさんがかっこよく泥棒をつかまえる。
デルフィーノ様、素敵! と叫びたくなった。
おっと、安物果物ナイフを持った悪漢に対して、リーダー苦戦中。
プルム、助太刀に参ります。
さっと泥棒の背後に回り、股間を蹴り上げる。
泥棒が股間を押さえて転げまわっているところを、手錠を掛けて逮捕。
一丁、上がり。
バルドはボーッとしてただけ。
「ちょっと、バルド、なにボーッとしてんの!」
さぼり魔のくせに、あたしは偉そうに文句を言う。
「ああ、ごめん。急にはじまったんで、正常化バイアスになった」
「なにその正常化なんたらって」
「正常化バイアスとは、予期しない事が起きた時、『ありえない』という先入観が働き、物事を正常だと認識しちゃうんだ」
へー、さすが大卒のインテリ。
けど、何か言い訳にしか聞こえないような。
よく冒険者をやってたなあ、バルドは。
家の周りを捜索すると、裏口の扉がちょっと分厚い。
本が扉にくっ付けてあるのを発見した。
壁と同じように黒いペンキが塗られている。
はがしてみると、この本、随分と重い。
おまけに、本のカバーに鍵が付いてて開けないようになっている。
中を見れないじゃん。
他にも変な細工があって、本の表紙に円形状に複数のくぼみがある。
これはダイヤル式のような特殊な鍵かな。
ずいぶん厳重ね。
背表紙の題名も外国の文字のような字で書いてあって読めない。
何だか、怪しげな本ね。
まあ、あたしのシーフ技を使えば簡単に開けられる。
けど、やめておこうっと。
シーフの勘よ。
中身は十八禁のエロ本だと思う。
どうりで焦ってるわけだ、オガスト・ダレスさん。
泥棒二人組には手錠をかけて腰縄つけて、バルドが連れて行った。
この本、重くて、あたし一人では持てない。
リーダーが手伝ってくれる。
優しいなあ。
ああけど、まだ重い。
ほとんど歩けん。
すると、デルフィーノさんがあたしに声をかけてくる。
「プルムさん、重そうだな。代わるよ」
「あ、けど分隊長殿に手間をかけさせるのは」
あたしが遠慮気味に言うがデルフィーノさんは代わってくれた。
「いや、いいよ。代ろう」
紳士だなあ、デルフィーノさん。ますます好感度アップかける二乗。
オガストさん宅の玄関へ持って行く。
「まさか、家の壁に置いてあるとは。ありがとうございました」
オガストさん、一人で本を持ち上げ、よろよろと歩きながら本を持って行く。
力持ちだな。
ボディリフティングでもやってるのか。
警備隊庁舎に戻って、ペンキ屋兼泥棒二人組に尋問したところ、一階に盗みに入ったところ本に鍵が掛かっているので、貴重品だと思って盗んだらしい。
あんまり重いので、とりあえず扉に立てかけて、ペンキを塗って隠したそうだ。
大した事件じゃないな。
泥棒は地下にある留置所に放り込む。
後日、裁判所に護送して終わり。
あたしが報告書を書くんだけど、あれ、本の題名何だっけ。
正確な名前忘れた。
うーん、うーん。
そうそう、『根暗な蜜柑』だ。
変な題名ね。
あれ、違ったっけ。
いいや、どうせ、中身はエロ本だし。
報告書を書いていると、デルフィーノさんに注意される。
「プルムさん。さっきの事件だけど、いきなり犯人扱いはやめたほうがいいよ」
「はい、申し訳ありません。今度からは気をつけます」
けど、注意されても、嬉しいな! 嬉しいな!
お前はアホだって? アホです。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる