11 / 82
第11話:レッドドラゴンの出現
しおりを挟む
三匹のドラゴンとの戦闘の最中に、兵士たちが空を指さして騒ぎ始めた。
湖の上に巨大な銀色の円状の線が現れる。
その中に光輝く星の形をした線が出現。
超巨大な魔法陣だ。
ちょうど湖と同じくらいの大きさ。
五芒星の線が七色に光って凄くきれい。
巨大な五芒星の魔法陣がゆっくりと回り始める。
山の中腹にいるドラゴン秘儀団の魔法使いらしき人物がいろいろと操っている。
「ああ、もう、だめだわ……」
クラウディアさんがヘナヘナと腰が抜けたようにペタンと女の子座りして、顔を覆ってる。
シクシクと泣き出す。
もっと怖い人かと思ってたけど、もしかして乙女?
とにかく危ないから情報省員の人たちと一緒に大岩のところへ連れて行った。
「何か、飛び出してきたぞ!」
兵士の一人が叫んだ。
巨大魔法陣の中央から、何だかバカでかい赤黒い物体がゆっくりと姿を見せる。
まるで、大きい山が浮いてきたみたい。
赤黒いのは鱗、でっかい翼、四本ある太い足にはバカでかい爪。ずんぐりとした胴体。巨大な顔。鋭い大きな牙。
普通のドラゴンの何百倍はあるドラゴンが出現してきた。
超デカい! 湖全体を覆ってしまうぐらいの巨大ドラゴンだ。
翼が羽ばたくと、もの凄い強風が舞う。
何かに捕まっていないと、飛ばされそう。
顔は平面的であんまりかっこよくないな。
目も垂れている。
ありゃ、赤ひげ隊長、部下を見捨ててまっ先に逃げ出した。
セルジオ副隊長とブルーノ副隊長も追いかけて逃げてる。
まあ、相手が超巨大ドラゴンじゃあ、仕方がないか。
兵士たちや冒険者隊の中にも逃げ出す人たちがいる。
あたしも何も知らなきゃ逃げてるな。
……………………………………………………
昨夜、クラウディアさんに会った時、美味しいお茶を飲みつつ、こんな会話をした。
「だけど、こんな安っぽい土産物屋で売ってるようなペンダントを、殺そうとしてまで取り返しに来るなんて、ちょっとおかしいと思うんですが」
あたしはクラウディアさんに疑問を投げかけた。
「そうですね、確かに見た目は安物ですね」
へ? 安物なの?
「ドラゴン秘儀団のメンバーには安物を配ってるようなんですが、幹部は見た目は同じでも違うペンダントを持っているんです」
「何が違うんですか」
「幹部が持っているペンダントでドラゴンを操れるんです」
ひえ、そんな恐ろしいものをあたしはポケットに入れたり、宿屋のソファに寝転んで、天井へ向けて投げて遊んだり、鎖を持ってクルクル回したりしていたのか。
「このドラゴンを操れるペンダントって何個ぐらいあるんでしょうか」
「いま調査中です。但し、相当魔法に精通している人じゃないとドラゴンは操れません」
クラウディアさんがドラゴンペンダントを、綺麗な指で何やら操作する。
表面がピカピカと光りはじめた。
「これで、ドラゴンが操作出来るようになります。この状態だと、ペンダント自体から魔力が出ています。だから、この前集会場で治療していた時、あなたが持っていたのに気づいたんです。ドラゴン秘儀団の幹部は普段は消しているようですけど」
縁日とかによくある安っぽいオモチャじゃなかったんだ。
あと、透視していたわけじゃないのね。
良かった。
透視術なんてあったら、裸見られ放題じゃない。
そんな術、男の魔法使いが使ったら、たまったもんじゃない。
お前の裸なんて見てもしょうがないって? 失礼ね!
「けど、精鋭部隊が到着すればドラゴンを倒すことが出来るんですよね」
「それが……」
何やら深刻そうなクラウディアさん。
深刻な顔でも美人です。
「このペンダントで巨大な五芒星の魔法陣を作って、別世界にいるレッドドラゴンを召喚出来るようなんです」
ほへ~、こんな見た目は土産物屋で原価十倍のボッタクリ価格で売ってそうなペンダントが、別世界からドラゴンを召喚出来るとは、凄いもんですねえ。
「そのレッドドラゴンとやらも精鋭部隊で倒せないんですか」
「難しいです。普通のドラゴンの千倍の破壊力を持っていると思われます」
ひえ! 恐ろしい事を聞いてしまった。普通のドラゴンの千倍。レッドドラゴン、半端ないっす!
「だた、問題はそれだけではないんです」
「と言いますと」
「このペンダントでは不完全な魔法陣しか出来ないようなんです。そこから呼び寄せたレッドドラゴンを操ることなんて不可能です。暴れだしたら手をつけられなくなります。そして、放っておくとその魔法陣から膨大な数のレッドドラゴンが出現してきます」
「えーと、そうなると、どうなるんですか」
「……世界がレッドドラゴンによって滅ぼされます」
ひえー! またまた恐ろしい事を聞いてしまった。
聞かなきゃ良かった。失禁しそう。
「けど、ドラゴン秘儀団は世界を支配するつもりなんですよね。操れないレッドドラゴンなんて召喚しないんでは」
「それが、どうもドラゴン秘儀団はこのペンダントでは不完全な魔法陣しか出来ないということを知らないようなんです」
アホだ。
バカ集団と呼んでたけど、ほんとにバカ。大バカ集団ね。
「そのため、情報省としては、下手に軍隊を動かして、ドラゴン秘儀団を追いつめるのはまずいのではと考えています。ただ、アレサンドロ将軍にも、このことについては教えていないんです」
「何で知らせないんですか」
「上からの命令ですから」
上の指示には従わなきゃいけない政府のお役人は大変ね。
「ただ、もしアレサンドロ将軍が軍を動かしたら、事情を話して止めるつもりです」
「出現したレッドドラゴンを元の世界に戻すことは出来ないんですか」
「魔法陣を壊せば、元の世界に戻っていくと思います」
クラウディアさんはドラゴンペンダントをまた操作して、表面のピカピカを消した。
「魔法陣ってどうやって設置するんですか。それを壊す方法はあるんですか」
「この魔法陣は、同じ高さで頑丈な場所に、五芒星の形でペンダントを設置しないとできません。壊すのは設置したペンダントを外せばいいんですが」
疲れているのか、無意識に片手を顔に当てるクラウディアさん。
眉毛が消えますよと言いたかったが、思いとどまった。
「五芒星だから五か所に設置してあるペンダントを全て外すんですか」
「いいえ、ひとつでも外せば、魔法陣は崩壊すると思います」
何だ、ペンダントを一個外して、ポイッと捨てればいいだけじゃん。
「そうすると、かりにレッドドラゴンが出てきても、操ることが出来ないことがわかれば、ドラゴン秘儀団もさすがに魔法陣をすぐに壊すんじゃないですか」
「ドラゴン秘儀団がそうしてくれればいいんですが……今、もう少し情報を集めてる最中ですが、正直、不安で最近よく眠れないくらいです……」
かわいい犬柄のパジャマ姿で不安な顔をするクラウディアさん。情報省の人が一般人に眠れないとか喋っていいんかい。レッドドラゴンの事とか教えていいのか。フランクな人なのかな、クラウディアさんは。それとも、それに気づかないほど心労がたまっているのかな。一人で抱えきれなくなってるのかね。まあ、世界が滅びるかもしれないのに、ぐっすり眠れるほうがおかしいか。
偉い役職の人はつらいですね。
それにしても、クラウディアさん、不安な顔もうっとりするぐらい、すっごく綺麗。どこから見ても綺麗だけど、やや左斜め上から見る角度が一番綺麗かな。ずっと眺めていたい。
え? 綺麗、綺麗、すっごく綺麗ってお前は同性愛者かって? 違うわい! けど美しいものは美しいのよ。美しいものを美しいって言って何が悪いの。そうなのよ! 男も女も美しいは正義なの! 綺麗もかわいいもイケメンも正義なんよ! そう、イケメンは正義!
え? お前の顔はどうなんだって? ノーコメント!
「そういうわけで、今回の件はとりあえず内密にしていただきたいのですが」
クラウディアさんから頼まれた。
「わかりました。仲間にも言いません」
だけど心配して損したなとあたしは思った。
大バカ集団でも死にたくはないから、レッドドラゴンを操れないと分かったドラゴン秘儀団は魔法陣を壊して、レッドドラゴンは元の世界にさようなら。
普通のドラゴンは精鋭部隊がやっつけて、終わり。
ドラゴン秘儀団の連中はクラウディアさん率いる情報省が逮捕。
その間、あたしはベッドで昼寝でもしてればよいと。
一件落着。
心配無い、無い。
心配したら負け!
湖の上に巨大な銀色の円状の線が現れる。
その中に光輝く星の形をした線が出現。
超巨大な魔法陣だ。
ちょうど湖と同じくらいの大きさ。
五芒星の線が七色に光って凄くきれい。
巨大な五芒星の魔法陣がゆっくりと回り始める。
山の中腹にいるドラゴン秘儀団の魔法使いらしき人物がいろいろと操っている。
「ああ、もう、だめだわ……」
クラウディアさんがヘナヘナと腰が抜けたようにペタンと女の子座りして、顔を覆ってる。
シクシクと泣き出す。
もっと怖い人かと思ってたけど、もしかして乙女?
とにかく危ないから情報省員の人たちと一緒に大岩のところへ連れて行った。
「何か、飛び出してきたぞ!」
兵士の一人が叫んだ。
巨大魔法陣の中央から、何だかバカでかい赤黒い物体がゆっくりと姿を見せる。
まるで、大きい山が浮いてきたみたい。
赤黒いのは鱗、でっかい翼、四本ある太い足にはバカでかい爪。ずんぐりとした胴体。巨大な顔。鋭い大きな牙。
普通のドラゴンの何百倍はあるドラゴンが出現してきた。
超デカい! 湖全体を覆ってしまうぐらいの巨大ドラゴンだ。
翼が羽ばたくと、もの凄い強風が舞う。
何かに捕まっていないと、飛ばされそう。
顔は平面的であんまりかっこよくないな。
目も垂れている。
ありゃ、赤ひげ隊長、部下を見捨ててまっ先に逃げ出した。
セルジオ副隊長とブルーノ副隊長も追いかけて逃げてる。
まあ、相手が超巨大ドラゴンじゃあ、仕方がないか。
兵士たちや冒険者隊の中にも逃げ出す人たちがいる。
あたしも何も知らなきゃ逃げてるな。
……………………………………………………
昨夜、クラウディアさんに会った時、美味しいお茶を飲みつつ、こんな会話をした。
「だけど、こんな安っぽい土産物屋で売ってるようなペンダントを、殺そうとしてまで取り返しに来るなんて、ちょっとおかしいと思うんですが」
あたしはクラウディアさんに疑問を投げかけた。
「そうですね、確かに見た目は安物ですね」
へ? 安物なの?
「ドラゴン秘儀団のメンバーには安物を配ってるようなんですが、幹部は見た目は同じでも違うペンダントを持っているんです」
「何が違うんですか」
「幹部が持っているペンダントでドラゴンを操れるんです」
ひえ、そんな恐ろしいものをあたしはポケットに入れたり、宿屋のソファに寝転んで、天井へ向けて投げて遊んだり、鎖を持ってクルクル回したりしていたのか。
「このドラゴンを操れるペンダントって何個ぐらいあるんでしょうか」
「いま調査中です。但し、相当魔法に精通している人じゃないとドラゴンは操れません」
クラウディアさんがドラゴンペンダントを、綺麗な指で何やら操作する。
表面がピカピカと光りはじめた。
「これで、ドラゴンが操作出来るようになります。この状態だと、ペンダント自体から魔力が出ています。だから、この前集会場で治療していた時、あなたが持っていたのに気づいたんです。ドラゴン秘儀団の幹部は普段は消しているようですけど」
縁日とかによくある安っぽいオモチャじゃなかったんだ。
あと、透視していたわけじゃないのね。
良かった。
透視術なんてあったら、裸見られ放題じゃない。
そんな術、男の魔法使いが使ったら、たまったもんじゃない。
お前の裸なんて見てもしょうがないって? 失礼ね!
「けど、精鋭部隊が到着すればドラゴンを倒すことが出来るんですよね」
「それが……」
何やら深刻そうなクラウディアさん。
深刻な顔でも美人です。
「このペンダントで巨大な五芒星の魔法陣を作って、別世界にいるレッドドラゴンを召喚出来るようなんです」
ほへ~、こんな見た目は土産物屋で原価十倍のボッタクリ価格で売ってそうなペンダントが、別世界からドラゴンを召喚出来るとは、凄いもんですねえ。
「そのレッドドラゴンとやらも精鋭部隊で倒せないんですか」
「難しいです。普通のドラゴンの千倍の破壊力を持っていると思われます」
ひえ! 恐ろしい事を聞いてしまった。普通のドラゴンの千倍。レッドドラゴン、半端ないっす!
「だた、問題はそれだけではないんです」
「と言いますと」
「このペンダントでは不完全な魔法陣しか出来ないようなんです。そこから呼び寄せたレッドドラゴンを操ることなんて不可能です。暴れだしたら手をつけられなくなります。そして、放っておくとその魔法陣から膨大な数のレッドドラゴンが出現してきます」
「えーと、そうなると、どうなるんですか」
「……世界がレッドドラゴンによって滅ぼされます」
ひえー! またまた恐ろしい事を聞いてしまった。
聞かなきゃ良かった。失禁しそう。
「けど、ドラゴン秘儀団は世界を支配するつもりなんですよね。操れないレッドドラゴンなんて召喚しないんでは」
「それが、どうもドラゴン秘儀団はこのペンダントでは不完全な魔法陣しか出来ないということを知らないようなんです」
アホだ。
バカ集団と呼んでたけど、ほんとにバカ。大バカ集団ね。
「そのため、情報省としては、下手に軍隊を動かして、ドラゴン秘儀団を追いつめるのはまずいのではと考えています。ただ、アレサンドロ将軍にも、このことについては教えていないんです」
「何で知らせないんですか」
「上からの命令ですから」
上の指示には従わなきゃいけない政府のお役人は大変ね。
「ただ、もしアレサンドロ将軍が軍を動かしたら、事情を話して止めるつもりです」
「出現したレッドドラゴンを元の世界に戻すことは出来ないんですか」
「魔法陣を壊せば、元の世界に戻っていくと思います」
クラウディアさんはドラゴンペンダントをまた操作して、表面のピカピカを消した。
「魔法陣ってどうやって設置するんですか。それを壊す方法はあるんですか」
「この魔法陣は、同じ高さで頑丈な場所に、五芒星の形でペンダントを設置しないとできません。壊すのは設置したペンダントを外せばいいんですが」
疲れているのか、無意識に片手を顔に当てるクラウディアさん。
眉毛が消えますよと言いたかったが、思いとどまった。
「五芒星だから五か所に設置してあるペンダントを全て外すんですか」
「いいえ、ひとつでも外せば、魔法陣は崩壊すると思います」
何だ、ペンダントを一個外して、ポイッと捨てればいいだけじゃん。
「そうすると、かりにレッドドラゴンが出てきても、操ることが出来ないことがわかれば、ドラゴン秘儀団もさすがに魔法陣をすぐに壊すんじゃないですか」
「ドラゴン秘儀団がそうしてくれればいいんですが……今、もう少し情報を集めてる最中ですが、正直、不安で最近よく眠れないくらいです……」
かわいい犬柄のパジャマ姿で不安な顔をするクラウディアさん。情報省の人が一般人に眠れないとか喋っていいんかい。レッドドラゴンの事とか教えていいのか。フランクな人なのかな、クラウディアさんは。それとも、それに気づかないほど心労がたまっているのかな。一人で抱えきれなくなってるのかね。まあ、世界が滅びるかもしれないのに、ぐっすり眠れるほうがおかしいか。
偉い役職の人はつらいですね。
それにしても、クラウディアさん、不安な顔もうっとりするぐらい、すっごく綺麗。どこから見ても綺麗だけど、やや左斜め上から見る角度が一番綺麗かな。ずっと眺めていたい。
え? 綺麗、綺麗、すっごく綺麗ってお前は同性愛者かって? 違うわい! けど美しいものは美しいのよ。美しいものを美しいって言って何が悪いの。そうなのよ! 男も女も美しいは正義なの! 綺麗もかわいいもイケメンも正義なんよ! そう、イケメンは正義!
え? お前の顔はどうなんだって? ノーコメント!
「そういうわけで、今回の件はとりあえず内密にしていただきたいのですが」
クラウディアさんから頼まれた。
「わかりました。仲間にも言いません」
だけど心配して損したなとあたしは思った。
大バカ集団でも死にたくはないから、レッドドラゴンを操れないと分かったドラゴン秘儀団は魔法陣を壊して、レッドドラゴンは元の世界にさようなら。
普通のドラゴンは精鋭部隊がやっつけて、終わり。
ドラゴン秘儀団の連中はクラウディアさん率いる情報省が逮捕。
その間、あたしはベッドで昼寝でもしてればよいと。
一件落着。
心配無い、無い。
心配したら負け!
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【改訂版】ピンク頭の彼女の言う事には、この世は乙女ゲームの中らしい。
歌川ピロシキ
ファンタジー
エステルは可愛い。
ストロベリーブロンドのふわふわした髪に零れ落ちそうに大きなハニーブラウンの瞳。
どこか舌足らずの口調も幼子のように天真爛漫な行動も、すべてが愛らしくてどんなことをしてでも守ってあげたいと思っていた。
……彼女のあの言葉を聞くまでは。
あれ?僕はなんで彼女のことをあんなに可愛いって思ってたんだろう?
--------------
イラストは四宮迅様(https://twitter.com/4nomiyajin)
めちゃくちゃ可愛いヴォーレを描いて下さってありがとうございます<(_ _)>
実は四月にコニーも描いていただける予定((ヾ(≧∇≦)〃))
--------------
※こちらは以前こちらで公開していた同名の作品の改稿版です。
改稿版と言いつつ、全く違う展開にしたのでほとんど別作品になってしまいました(;´д`)
有能なくせにどこか天然で残念なヴィゴーレ君の活躍をお楽しみいただけると幸いです<(_ _)>
魔族に育てられた聖女と呪われし召喚勇者【完結】
一色孝太郎
ファンタジー
魔族の薬師グランに育てられた聖女の力を持つ人族の少女ホリーは育ての祖父の遺志を継ぎ、苦しむ人々を救う薬師として生きていくことを決意する。懸命に生きる彼女の周囲には、彼女を慕う人が次々と集まってくる。兄のような幼馴染、イケメンな魔族の王子様、さらには異世界から召喚された勇者まで。やがて世界の運命をも左右する陰謀に巻き込まれた彼女は彼らと力を合わせ、世界を守るべく立ち向かうこととなる。果たして彼女の運命やいかに! そして彼女の周囲で繰り広げられる恋の大騒動の行方は……?
※本作は全 181 話、【完結保証】となります
※カバー画像の著作権は DESIGNALIKIE 様にあります
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる