隣のマンションの白い壁

守 秀斗

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第6話:廃工場や高速道路の近くで自撮りする

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 夜中。

 今、私は廃工場にいる。私の愛車の軽自動車で来た。不法侵入ね。でも、自撮りするだけだから許してよ。そこで、車の中で着替える。着ている水着は、当然、ハイレグ競泳水着。

 この前、ホテルのプールで自撮りしてみたら、なかなかきれいに撮れてるんで、ネットで投稿。顔はいつものようにソフトで変更したけど。そして、調子に乗って近くの河港で撮影してたら通報されて、警察に怒られちゃった。

 その後、海水浴場で自撮りした。きれいだけど、まあ、普通ね。自宅でも毎日、撮影。ナルシストかしらね。いいじゃない、きれいなんだから。

 私はきれいで若いのよー!

 でも、自宅ばっかりじゃあ、つまらない。そう言えば、近くに廃業した工場があったことを思い出した。そこで撮影したら面白いんじゃないかしら。

 そんなわけでやって来た、廃工場の跡地。誰もいないわね。そこで、いろんなポーズを撮影。スマホを三脚台に載せて、リモコン操作で撮影する。やっぱりフラッシュが焚かれる度に興奮しちゃうのよねえ。

 この変態女って?
 いや、性の探究者よ。
 って、変態でもいいわよ、もう。
 とにかく、気持ちいいの。

 一兆回言うけど、女って見られたいのよ。
 みんなそうよ。

 と自分を納得させる。

 調子に乗って、いろんな水着に着替える。そして、今回は色っぽいドレスも着てみる。いやらしい夜の営み用ね。すっかりいい気分になる私。

 すると、突然、懐中電灯で照らされた。やばい、ここの持ち主さんかしら。勝手に入ったって、怒られちゃう。しかし、その二人組の男性は悲鳴をあげて逃げて行った。何なのかしら。

 もしかして、学生さんとかが肝試しに来たのかしら。失礼ね。こんな美人をお化け扱いなんて。でも、廃工場に入ったら、妙なドレスを着た女がいたらびっくりするかな。何だかしらけて、自宅マンションに帰る私。家に帰って、写真を見てみる。きれいに撮れてるじゃない。幽霊じゃないわよ。そして、家の中で、また裸になって自撮りする私。でも、もっと、過激なことがしたくなっちゃった。

……………………………………………………
 
 そして、今日の目的の場所は高速道路の近く。森が続いている。一般道路で近づき、自動車から降りると少し歩く。そこで、コートを脱いで、すでに車の中で着替えていた水着姿になる。やはりきれいな体だと自分でも思うの。

 もう、どうでもいいから、早く高速道路に飛び込んで死ねって? 
 ひどいこと言うなあ。
 きれいで若い私を撮影して何が悪いの。

 でも、撮影だけじゃあ、飽きてきたわ。なんか違うことをしたくなってきた。そんなわけでやってきたの。高速道路の近くの森。自動車が物凄い速度で走ってるわ。あんまり近づけないけど。そして、そこでスマホを三脚台に載せて、とりあえずリモコン操作で撮影。やっぱり、フラッシュが焚かれる度に興奮する私。そして、もっと過激な衣装になる。

 ものすごいスピードで自動車が走ってるけど、ああ、見られてるわ、多分。ドライブレコーダーで記録されてるかも。いいわ、見てほしいの。女って見られたいのよ。何度言ったのかしら。覚えてないわ。一京回かしら。

 お前だけだよって?
 そんなことないでしょう。

 違うのかしら。

 調子に乗って、いろんな水着に着替える。もっと過激な衣装でも撮影。そして、もっと過激な事をしたくなった。ああ、どうしよう。ネットで晒されたら。やばいわ、でも、してみたい。

 うーん、我慢できない。

 ついに、裸になっちゃった。
 ハイヒールだけを履いた全裸。

 おまけに股も大きく開く。
 そして、恥ずかしいところを大勢の人に見られる。

 ああ、見られてるわ!
 見て、私の大事なところを見て!
 ああん、濡れてるところを見てえ!
 気持ちいいの!
 じっくりと見てえ!

 自動車は高速で走ってるからじっくりとは見ることは出来ないでしょうけど。
 すごく興奮したけど、さすがにまずいかとすぐに服を着た。

 さて、帰ろうかと自分の愛車の軽自動車が置いてある場所まで戻る途中に、古い木製のベンチが置いてあるのに気づいた。なんでこんな場所にあるのかしら。公園でもあったのかしらね。ちょっと疲れたので座ってみる。

 そして、昔の彼、佐島君としたことを思い出す。お互い十八歳。佐島君は免許取り立て。レンタカーでどこかの山に行く。どこに行くのかしらと思っていたら、かなりの山奥の森に連れ込まれた。

 そして、ベンチが置いてあったの。あらかじめ調べておいたみたいね。森林公園かしらね。場所は忘れちゃった。周りには何もないし、誰もいなかったけど。それで、ベンチの上でしちゃった。佐島君がしたいって言うから。野外で一度してみたかったみたいね。ちょっとびっくりしちゃったけど、もう、私は彼の言いなり。と言うか、積極的にしたかったのよ。

 私って、どこかマゾッ気があるのよねえ。男の人に支配されたいの、征服されたいって気分になる時があるの。あの時は佐島君に支配されたかったのよ。彼の奴隷になる妄想してたから、ご主人様の言うことは何でも聞くって気分になってた。

 そして、私は自ら全裸になった。佐島君は驚いていたわね。佐島君はお互い服を着てするつもりだったみたいね、肝心な部分だけ出してね。さすがに全裸はまずいだろって。そんな命令してないぞって感じで驚いてたなあ。でも、私の頭の中ではご主人様が命令したの。

(裸になって、自分でしろ。ちゃんと演技じゃなくて、最後までいくんだ、この淫乱奴隷女)

 佐島君はそんなことは当然言わずにうろたえているだけだったなあ。でも、私は大興奮して、自分でしちゃったわ。もう、濡れまくりよ。

 ご主人様の奴隷になったのよ。ご主人様の命令で裸になって、おまけに秘かに持っていた首輪を付けたの。全裸で首輪だけになった奴隷の私。いやらしい姿の私。陶酔した気分になる私。そして、二人でする前に私は自分でしちゃったのよ、立ったまま、全裸でそれを見せつけたの。頭の中ではご主人様に無理矢理命令されてしたって妄想をしながらね。すっかり頭がボーっとして、変なことを言い出す始末。

「ご主人様、ご命令に従います。淫乱奴隷の私がいくとこを最後までご覧くださいませ……」

 そう言って、しちゃった。ああ、人に見られながら自分でするってすごく気持ちいいの。恥ずかしいけど、気持ちいいの。恥ずかしいのが気持ちいいのよ。じっくりと見られて辱めを受けてるのよ、でも、気持ちがいいの。まあ、佐島君はじっくりとじゃなくて、周りをキョロキョロせわしなく見てたけど。もう、ちゃんと見てよ、私の恥ずかしい行為を。

「ああ、見て、私が恥ずかしいことしてるの見てえ!」

 思わず、大声で叫んじゃった。誰か、全くの他人がどこからか見てるかもってスリル満点。ものすごく興奮した。

 でも、佐島君はすっかり引いていたなあ。彼は私にそこまでさせる気はなかったみたいね。けど、佐島君も私のいやらしい行為を見て興奮して、ズボンのジッパーを下げたわ。服は脱がなかったけどね。そこまではやらなかったところを見ると、変態度は私の方が、いつの間にか、スケベな佐島君のはるか上を行ってたみたい。それとも、もともと私の方が変態だったのかしら。

 そして、ベンチの上で全裸のまま、佐島君の上に大股を広げて乗っかったの。体に付けてたのは首輪とハイヒールを履いてただけの全裸。かえって、いやらしい格好ね。もう、激しく抱き合ったわ。いいじゃないの、愛し合ってたんだから。好きな人同士が抱き合うのって普通のことじゃないの。

 野外でするのは普通じゃない、変態だって?
 そうね、でも、これは愛の行為よ。

 とにかく、私は大興奮しちゃって、全身汗まみれで、あそこからもうたくさん出ちゃって、佐島君のジーンズがびしょ濡れ。けど、私はそんなことはどうでもよくなって、ただ快感を感じたくて腰を振っていたなあ。

「ああん、いい、いいの、気持ちいいの、ああ、もっと突いて、私を気持ち良くさせてえ!」

 思わず、大声出して喘いで悶えまくってた私。でも、その時、背後に気配を感じたの。後ろを向いたらかなりのお年らしい杖をついたお爺さんがポカーンとした顔で私たちを見てる。

「やばい! 離れろ!」

 佐島君は私の体を押しのけて、焦って抜いたわ。私も一瞬、焦ったけど、もう興奮状態はおさまらなかったの。私は体を反転させて、背中を佐島君に押しつける。逃げようとする佐島君にお尻を押しつけたの。そして、再び挿入したの。そして、大股開きになって、腰を上下させた。佐島君はびっくりしてたなあ、目の前に見知らぬ人がいるのに全裸のまま、股を開いて、肝心なところを見せつけるようにして、びしょ濡れでやってる変態女が自分の彼女なんだもん。

「ちょ、ちょっと。おい、まずいだろ、千里! 離れろよ」
「いいじゃないの、私たちは愛し合ってるのよ。自然なことよ、ああ、気持ちいいの、見られるの、気持ちいいの!」

 ああ、見られてる、愛し合ってるのを見られてるの。愛してる人とつながってるのを見られてるの。ものすごく興奮してしまい、お爺さんに見せつけたの。ああ、見られることで、もう私は最高に気持ち良くて。

「ああ、見て、あそこが濡れてるのを見て、私が愛する人に貫かれてるのを見てえ! 絶頂へいくのを見てえ!」

 お爺さんはポカーンとしたまま。あんまり気持ちがいいので、全裸のまま、つながった状態で顔を上に向けて体を振るわせて絶頂へいっちゃったわ。目を瞑ってたけど、快感がおさまるにつれて、目を開けた時に見えた青い空をよく覚えている。ああ、青春だったなあ。

 でも、そしたら、お爺さんはさっさとその場から走って逃げてった。お年寄りにしては走るのが早かったなあ。オリンピックの陸上競技選手並みだったわね。そして、その時の佐島君はちょっと疲れてしまったみたい。

「……お前、すごく興奮していたな。他人に見られて興奮する変態だな、いいのかよ」
「いいじゃないの、何が悪いのよ。あなたも気持ち良かったでしょ」
「でも、あの爺さん、心臓麻痺で死んでたかもしれないぞ」

 佐島君にそう言われちゃった。でも、その時、すごく興奮したのは間違いなかった。私はやっぱり見られたいのよ。

 そう、恥ずかしいところを。
 そして、見られて、辱めを受けたいの、私は。

 そんなことを思い出したら、また興奮しちゃった。このままじゃあ、まともに運転できないわね。我慢できなくなって、また服を脱いで、その場でしちゃったわ。ハイヒールを履いただけの全裸になって。お尻を突き出したり、大股開きになったり、いろんなポーズで。ついでに自撮りもしちゃった。最後までいっちゃった。ベンチがずいぶん濡れちゃったわね。ふう、疲れた。誰も見てないわよね、ああ、でも見られてたらそれはそれで気持ちがいいわね。

 私、おかしいかしら。

……………………………………………………

 後日パソコンで検索する私。変態的なことをしたけど、実は気の弱い私。後になって後悔。ドライブレコーダーとかで録画されてネットにアップされてないかしら。動画サイトをいろいろとまわって見るけど自分が映っている動画はなかった。

 うーん、ほっとしたのと同時に、やっぱり誰かが映してアップしてもらいたかったなあと思ったり。変態ね。私、すっかり変態になっちゃたわね、もう。
 でも、気持ち良かったわ。

 そして、もう少しネットサーフィンをしていると、自分の全裸動画がアップされていた。
 一瞬、ビビる私。

 しかし、エロサイトじゃない。心霊サイト。幽霊扱いされていた。『白い女の幽霊』って題名。ぼんやりとした私が小さく映っている。確かに幽霊みたい。ああ、やっぱり撮影されてたんだ。けど、幽霊扱いとは。

 廃工場でも幽霊扱い。失礼しちゃうわ。でも、大勢の人がハイヒールを履いただけの私の裸を見たんだ。私の大事なとこを見たんだ。

 ああ、見られたの、気持ちいいの!

 私はまた興奮してしまう。
 そして、自宅でまたしちゃったわ。
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