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ノンビリ

one flame㊲

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 最後の英語のテストもあと少し。1個だけ分かっていない日本語訳のところを考えている。

「(これ確かめちゃくちゃめんどくさかったよな。)」

一度やったことがある文だから、何となくどうやったらいいかは分かる。普通にやったら順番がごっちゃになるやつだ。

「(時間ほぼないな。予想で書くか。)」

なんかこんな感じやった気がするみたいな感じで解答用紙に答えを書く。信頼度はそうだな…60%くらいか。

 そしてチャイムが鳴った。ガチャガチャガチャとペンを置く音とカサカサと問題の冊子を閉じる音が響き、音がなくなってからイッキ先が口を開いた。

「んじゃ、選択教科別に出席番号順に集めてきて。」

俺は立ち上がり、選択英語の仲間である2人の解答用紙を持ってイッキ先のところに行った。

「お疲れ。」

そのあともイッキ先は回収をしてくれた生徒に労いの言葉を述べていく。

 全員分回収したあと、枚数を確認してそして封筒の中に入れた。

「また戻ってくるから帰る用意だけして待っといてな。はいじゃあ休憩!」

その封筒を持ってイッキ先は教室を出ていっ…

『終わった~!!!』

教室中に歓喜の声が響き渡る。

 そう今日はテスト最終日。3年間通ってきたこの学校での最後のテストだった。つまり、このキツイ日々からの解放とも言える。

「お疲れ。」
「お疲れ様。そっちどうやった?」
「まあまあやな。いつも通りの難しさ。地理は?」
「普通。共テレベルっちゃ共テレベルやし、学校レベルっちゃ学校レベル。」
「あーね。」

ロッカーの中にはものはほぼない。けど、中に入れていたスマホとiPadを取り出すとき、船戸さんと言葉を交わした。

「終わったね。」
「終わったな。疲れた。今日はよく寝れそう。」
「でも確かいつものメンバーでどっか行くんちゃうかったっけ?」
「そそ。てかなんでそのこと知ってんの?」
「桜から聞いた。」

船戸さんは少し寂しそうにそう言う。

「来るか?」
「んーん。いいよ。私が入るような場所じゃないし。」
「そうは思わんけどな。」

2人揃ってロッカーの扉をバタッと閉める。教室からは歓喜に包まれた集団がぞろぞろと出てきて、それと入れ替わるようにして俺たちは教室の中に入った。

「私はそれくらいがいいのよ。」
「何が?」
「ん~、距離?」
「なんやそれ。」
「分からんくっていいよ。」

船戸さんは笑う。

「お疲れ様。」

そして何故か2回目を言った。
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