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ノンビリ
one flame⑪
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話は3日前に遡る。
今日は10月31日。ハロウィンだ。
「なんか隣のクラス凄いことなってるな。」
「それな。」
いつも通りI組で昼飯を食べている俺たちは、逃げてきた聡にそう言った。
今、J組ではハロウィンパーティーが開かれている。昼休みに。そう、まだ授業が残っているのにだ。ちなみに明後日は独自テストの2回目だったりする。蹴った俺には関係ないが。
「聡は向こう側やと思ってたわ。」
「そうか?俺って意外とこっち側やねんで。」
それに比べてI組はいつもの昼休みと変わらない光景。それぞれいくつかのグループに別れて食べる。そんな風景。違うところと言えば桜が今日は来てないってことだ。
桜たちはH組の女子数人が集まってパーティーみたいなことをしている。J組の奴らみたいに仮装してはいないが。
「そもそもさー!ハロウィンってたしか神聖なものやったよな!」
「そーなん?」
飲んだ水筒を机にガンと置いて言った聡の一言に戸津井さんが反応する。
「くるみ、あのな…」
そんな戸津井さんに説明を始めるのは船戸さん。そう、俺たちはいつもの4人だ。
「それをさ、日本人の陽キャはお祭りに変えてよ~!世界でこんなことしてんの他どこの国があんねんって話やで。日本人のハロウィンは暴動やん!」
「聡、酔ってるんか?」
「シラフや!学校で酒飲むほど終わってない。」
絶対にシラフじゃない聡は弁当をもう食べ終わっていて、食堂で買ったポテトを食べながらコーラを飲む。
「てかさ、御浜くんは陽キャ側やないん?」
船戸さんはそう言う。戸津井さんには説明が終わったようだ。当の本人はショートしそうになってるが。
「俺が?陽キャ?ないないないない。俺は陽キャの仮装をしてるだけの陰キャやで。」
「そーなんや。」
「てか、理系に来る奴に純正の陽キャなんておると思うか?」
「「「それはおらん。」」」
すると、先生がやってきた。
「大学の受験届1時までやけど、出したな?」
そういやそんなものがあった。てかそれはイッキ先が昨日確認して全員出したとか言ってたような。
「出したんやったらいいわ。んじゃ。」
そう言って先生は隣のJ組に向かおうとする。それを、誰も止めることはなかった。
『アーハハハハハハ!』
その代わりクラス全体から笑い声が上がった。そう、隣のクラスは今はパーティーの真っ最中なのだ。
「乙~!」
「聡耐えたな~!」
生き残っているのはここにいる聡だけ。そしてその聡は
「猿どもに祝福を!」
なんて言って笑っている。
結局、J組の奴らは黙認されたらしい。おもんな。
今日は10月31日。ハロウィンだ。
「なんか隣のクラス凄いことなってるな。」
「それな。」
いつも通りI組で昼飯を食べている俺たちは、逃げてきた聡にそう言った。
今、J組ではハロウィンパーティーが開かれている。昼休みに。そう、まだ授業が残っているのにだ。ちなみに明後日は独自テストの2回目だったりする。蹴った俺には関係ないが。
「聡は向こう側やと思ってたわ。」
「そうか?俺って意外とこっち側やねんで。」
それに比べてI組はいつもの昼休みと変わらない光景。それぞれいくつかのグループに別れて食べる。そんな風景。違うところと言えば桜が今日は来てないってことだ。
桜たちはH組の女子数人が集まってパーティーみたいなことをしている。J組の奴らみたいに仮装してはいないが。
「そもそもさー!ハロウィンってたしか神聖なものやったよな!」
「そーなん?」
飲んだ水筒を机にガンと置いて言った聡の一言に戸津井さんが反応する。
「くるみ、あのな…」
そんな戸津井さんに説明を始めるのは船戸さん。そう、俺たちはいつもの4人だ。
「それをさ、日本人の陽キャはお祭りに変えてよ~!世界でこんなことしてんの他どこの国があんねんって話やで。日本人のハロウィンは暴動やん!」
「聡、酔ってるんか?」
「シラフや!学校で酒飲むほど終わってない。」
絶対にシラフじゃない聡は弁当をもう食べ終わっていて、食堂で買ったポテトを食べながらコーラを飲む。
「てかさ、御浜くんは陽キャ側やないん?」
船戸さんはそう言う。戸津井さんには説明が終わったようだ。当の本人はショートしそうになってるが。
「俺が?陽キャ?ないないないない。俺は陽キャの仮装をしてるだけの陰キャやで。」
「そーなんや。」
「てか、理系に来る奴に純正の陽キャなんておると思うか?」
「「「それはおらん。」」」
すると、先生がやってきた。
「大学の受験届1時までやけど、出したな?」
そういやそんなものがあった。てかそれはイッキ先が昨日確認して全員出したとか言ってたような。
「出したんやったらいいわ。んじゃ。」
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『アーハハハハハハ!』
その代わりクラス全体から笑い声が上がった。そう、隣のクラスは今はパーティーの真っ最中なのだ。
「乙~!」
「聡耐えたな~!」
生き残っているのはここにいる聡だけ。そしてその聡は
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なんて言って笑っている。
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