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ノンビリ

one flame⑧

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 最近、バカ兄たちの雰囲気がちょっと変わった気がする。

「それで、何があったん。」
「真奈。多分な、国学社蹴ったからやねん。」
「あーそゆこと。ってことは他大学?」
「そーやな。」

練習後、駅からの道を歩きながら真奈と喋る。手には駅前のコンビニで買ったチキンを持ってだ。

「それは、嫌な変化なん?」
「いや、いい感じの変化。のほほーんってしとったのが締まったって感じ。やから嫌な変化ではないかな。」
「じゃあ何が心配なん?」

心配か…心配してるのかなぁ。

 私としてくれたら2人がやりたいことをやれるんならそれでいい。変に無理してやりたくないことなんかやらなくていいと思うし、そんな話はちゃんとした。だから、蹴ったんだと思う。

 それでも心配なことといえば、

「疲れないかなって。」
「そゆことね。その感覚は分かるかも。」

実際私たちが受験勉強をしているときって2人だからって気軽な気持ちでできていた。しかも、高校受験って母数が違うし。でも、大学受験ってもっと枠がどーんって広くなって、争うのは全国の猛者たちだ。そんな人達に勝とうとしたらもっとちゃんと勉強しないといけないと思う。だから、疲れるのだ。

「ん~、そんじゃあたまに息抜き連れて行ってあげたら?由良先輩の性格的に杏からのお願いは断れへんやろうし。有田先輩もそうやな。たぶん。」
「そんなことしていいんかな?2人とも頑張るんやったら単純に応援してあげたいねんけど。」
「大丈夫。2人のためになるんやったらいいと思うで。」

真奈はそう言って笑う。

「今度のOFFちょっと誘ってみよっかな。ちょうど欲しいもんあるし。」
「うん。それがいいと思う。」

いつも別れるところのコンビニに着く。

 ゴミ箱にチキンのゴミを捨てて、そして手を振った。

「じゃあまた明日。」
「朝練やぞ。寝坊すんなよ。」
「真奈こそ。」

 家に向かって歩き出す。閑散とした住宅街をのんびりと歩く。街灯は私の影をいくつも照らし、傾いていく。

「さーてと、どーやった誘おっかな?」

私は頬を叩いた。
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