陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

136君

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ノンビリ

one flame④

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「早く早く!電車間に合わんて。」
「そんな急かされても無理やって。限界!」

いつものように駅までの大通りを走る。パンを加えながらとか、そんなアニメ的展開ではないが、私たちは走る。人と人の間を縫うように。

「今日はカレンが悪いからな。寝坊してくんのが悪い。」
「それはごめん。普通に昨日は夜更かししてた。」

サラリーマンの人には申し訳ないが、電車が来るまではあと1分半なんだ。本気ダッシュで向かわないと間に合わない。

 いつものようにロータリーをまっすぐ突っ切って、改札までの1つ目の階段を登る。定期券をピッとしてホームまでの階段を上がり始めた。

「さすがに間に合ったやろ。まだ音聞こえてへんし。」
「ホンマに毎日毎日危ないねんから。」

肩で息をしながらホームに上がると、ちょうど電車が入選してきた。萱島までの各停だ。

 電車に乗りこんで、お互い腕まくりしてつり革を持つ。

「で、何しとったん?」
「ソシャゲの周回。」
「ほんなら自業自得や。私が起こしに行かんかったら遅刻やで。」
「それはマジで感謝してる。でも、起こし方もうちょっと考えて欲しいかな~」
「あ?」
「滅相もございません。」

カレンの言う起こし方ってのは、掛け布団を剥がして、枕で顔をしばきまくるって起こし方だ。傍から見たら暴行。でも、その他の起こし方よりも、これが1番早く起こせたのだ。だからしょうがない。

「グッドモーニングマイブラザーってして欲しいんか?」
「それも勘弁してくれ。」

 萱島に着いたので乗り換える。京阪電車の各駅停車って、淀屋橋側から来るのは萱島行きがほとんどだから、こうやって乗り換えないといけない。

「じゃあどうやって起こして欲しいん?」
「ん~、普通に身体揺すって起こすとか?」
「それで起きんかったんだーれだ?」
「はーい!」
「ほな無理や。」

ちょっと待つと準急がやってきた。それに乗り、香里園まで。それが私たちのいつもの朝だ。

「今日、桜に聞いてみよっかな?」
「何を?」
「効果的な起こし方。」

私がそう言うと、カレンは止めてくる。

「それって俺の不名誉がばら撒かれるってことやんな?」
「せやな。」
「やめてと言ったら?」
「絶対やめん。」

私は多分悪い笑みを浮かべているのだろう。カレンの顔は引き攣っていた。
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