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ノンビリ

one flame②

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「そーう!まだー?」
「待て待て。今作ってるから。」

今日も朝は奏の家。昨日は久しぶりに泊まって、朝からこっちだ。

「あのさあ、いつまで彼シャツしてる気なん?」

キッチンで朝ごはんを作っている奏にそう言われる。そう。私の今の服は今日着る予定だった奏のカッターシャツ。シワにはならないように着ているが。

「どーせあと2枚ぐらいあるんやろ?そっち着たらええやん。」
「『ぐらい』って含みもさせんでもええから。しかも、その2枚とも洗濯してるって分かってるやろ?」
「せやなあ。」

奏の今の服装は下は制服のスラックスを履いているが、上はインナー1枚。冬服に変えた制服は私に取られている。そんな状況だ。

 それにしても、奏の制服ってちょっと大きいなって思う。袖はだいぶ余ってるし、下もパンツが隠れて…あっ、何も履いてなかった。まあいいや。奏やし。

「ほれ、できたぞー。」
「わーい!」

朝ごはんができて食卓に座る。今日の朝はご飯と味噌汁、卵焼き、ちくわを焼いたヤツ、トマト、そしてバナナだ。

「今日ってなんもテストなかったよな?」
「ないない。あるのはよっぽど変わってる先生だけやから。」
「やんな。そう言えば中間どーやったん?」
「聞くな。」
「はいよー。」

テスト?そんなのいつも通りに決まっている。3年生になってから、さすがに赤点は取れないからって勉強をちゃんとするようになった。やからまだマシな点数だが、奏にはさすがに勝てない。

 喋りながら食べていると、時間が刻一刻と近づいてくる。弁当は先に私が用意してるから気にしなくていい。それよりも今は。

「とりあえず脱げ。」
「その一言だけやと奏普通に変態やで。」

胸と股間を隠して身をねじる。するとチョップされた。

「それがないと俺が着るもんないねん。はよ脱げ。」
「わかったわかった。」

着ていたカッターシャツを脱いで、キャミ1枚になる。あーあ。楽しかったのに。

 仕方なく脱いだあとはちゃんと自分のブラウスを着る。私ももう冬服だ。

「めちゃくちゃ楓の匂いするんだが?」
「そりゃあ、起きてからずっと私が着とったからな。嫌?」
「別に。」

奏は少し恥ずかしそうな表情を見せる。

「恥ずかしいん?恥ずかしいんや。へぇ~、恥ずかしいか。それならもっと匂いつけたげようか?ねぇ、その方が奏も嬉しいやろ?」

責め立てるように奏の耳元でそう囁く。

「うるせぇ。つけれるもんならつけてみな。」

奏はそう言って洗面所に消えていった。

「可愛い」
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