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コタエハ
俺たちは最後の祭り⑤
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次に待っているのはカレンが出るパン食い競走だ。この競技には船戸さんも出場する。
「喉詰まらせないようにな。」
「そんな子供ちゃうから。」
船戸さんを見送って、俺は桜の方に移動した。
「よっ!」
「来た来た。」
桜は柚さんの隣でうちわをパタパタしながらグラウンドのほうを見ていた。その横にスペースがあったので、そこに座る。
「桜はリレーやんな。」
「まあ、人数的に出なあかんようなってな。」
「あーね、ファイト!」
「頑張るからちゃんと見といてよ。」
「それきいにも言われたわ。俺どんなけ体育祭に興味ないと思ってんねん。」
「興味ないやろ?」
「否めないのが恐ろしい。」
スポドリを飲みながらパンを取ろうとジャンプしている選手たちを見る。なんか分からないが面白い。
なんて見ていると船戸さんが走り始めていた。
「うわっ、めっちゃ器用。」
揺れて取りにくいはずの1番低いところのパンを一発で取ると、走りながら袋を開け、口の中に放り込む。そして線の上に立ってすぐに飲み込んだ。
「めっちゃ早いな。」
「流石花胡やわ。」
「まあ、何でもそつなくこなしそうやもんな。」
そのまんまぶっちぎり1位でゴールテープを切り、水を飲んだあと1位の列に並んだ。
次に走るのはカレンだ。
「カレンもどっちか言うとそっち側やもんな。」
「そうそう。器用な感じが滲み出てる。」
「カレンはそんな器用ちゃうで。」
前にいた音羽が振り向いてそう言う。
「カレンって私が生活見るようになるまではなんも出来んかったんやからな。」
「普通に生活見る言うてんのすごいな。」
「音羽姉さんや。」
スタートの合図とともにカレンが走り出す。パンの所までは順調だったが、問題はそこからだった。
「ハハハハハ!あいつ!あいつ!全然取れてねえ!」
「不器用極まれりやん!カレンってそうやったんや!」
「ほらな。言うたやろ。」
パンを取ろうと口を開けてぴょんぴょん跳ねているが、かすりすらしていない。周りは全員取り終わって走り出しているのに、もうこれ以上揺れないはずなのに苦戦している。
「マジで取れへんやん。」
「あっ、声かけられてる。手で取った。」
「情けかけられたな。後で慰めてあげよ。」
カレンは最下位でゴールして尚、パンを食べ続けている。なんでこの競技でたんだ。
これでパン食い競走も残すところ数組になった。
『借人競走に出る人は召集所まで集まってください。』
放送部がそんなアナウンスをして、ぞろぞろと人が動き始める。
「んじゃ、行ってくるわ。」
「借りに来てね。絶対。」
「分かってるって。」
俺は荷物はそのまま、同じく借人競走に出る柚さんと歩き始めた。
「喉詰まらせないようにな。」
「そんな子供ちゃうから。」
船戸さんを見送って、俺は桜の方に移動した。
「よっ!」
「来た来た。」
桜は柚さんの隣でうちわをパタパタしながらグラウンドのほうを見ていた。その横にスペースがあったので、そこに座る。
「桜はリレーやんな。」
「まあ、人数的に出なあかんようなってな。」
「あーね、ファイト!」
「頑張るからちゃんと見といてよ。」
「それきいにも言われたわ。俺どんなけ体育祭に興味ないと思ってんねん。」
「興味ないやろ?」
「否めないのが恐ろしい。」
スポドリを飲みながらパンを取ろうとジャンプしている選手たちを見る。なんか分からないが面白い。
なんて見ていると船戸さんが走り始めていた。
「うわっ、めっちゃ器用。」
揺れて取りにくいはずの1番低いところのパンを一発で取ると、走りながら袋を開け、口の中に放り込む。そして線の上に立ってすぐに飲み込んだ。
「めっちゃ早いな。」
「流石花胡やわ。」
「まあ、何でもそつなくこなしそうやもんな。」
そのまんまぶっちぎり1位でゴールテープを切り、水を飲んだあと1位の列に並んだ。
次に走るのはカレンだ。
「カレンもどっちか言うとそっち側やもんな。」
「そうそう。器用な感じが滲み出てる。」
「カレンはそんな器用ちゃうで。」
前にいた音羽が振り向いてそう言う。
「カレンって私が生活見るようになるまではなんも出来んかったんやからな。」
「普通に生活見る言うてんのすごいな。」
「音羽姉さんや。」
スタートの合図とともにカレンが走り出す。パンの所までは順調だったが、問題はそこからだった。
「ハハハハハ!あいつ!あいつ!全然取れてねえ!」
「不器用極まれりやん!カレンってそうやったんや!」
「ほらな。言うたやろ。」
パンを取ろうと口を開けてぴょんぴょん跳ねているが、かすりすらしていない。周りは全員取り終わって走り出しているのに、もうこれ以上揺れないはずなのに苦戦している。
「マジで取れへんやん。」
「あっ、声かけられてる。手で取った。」
「情けかけられたな。後で慰めてあげよ。」
カレンは最下位でゴールして尚、パンを食べ続けている。なんでこの競技でたんだ。
これでパン食い競走も残すところ数組になった。
『借人競走に出る人は召集所まで集まってください。』
放送部がそんなアナウンスをして、ぞろぞろと人が動き始める。
「んじゃ、行ってくるわ。」
「借りに来てね。絶対。」
「分かってるって。」
俺は荷物はそのまま、同じく借人競走に出る柚さんと歩き始めた。
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