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マナツノ
夏祭り④
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1時間をこの炎天下の中で過ごす。それは何よりも苦行だ。
「じゃあどーするよ?」
楓は疑問をそのままぶつける。たしかに、今ここで1時間を無駄にするのは勿体ない。
「歩く?」
私は少し疑問気味にそう言ってみた。すると、みんなは私の方を向いた。「えっ?何?何?」と戸惑う私。そんな私を見て、笑顔でこう言うのだった。
『それだ!』
そして結局私たちは歩き始めた。
「この先、見晴らしの丘ってやつがあるんやって。」
「それってこの上?」
「そそ。」
今日泊まる旅館までのガイドをするのは音羽。満場一致での決定だった。
音羽は通り道にあるものを一つ一つ言いながら歩く。見晴らしの丘は少し坂を上ったところにあるようで、私たちは折角近くにあるのならと行ってみることにした。
コンクリートで舗装された山道を登っていくと、小さな丘のようなところが見えてきた。
「これ?」
楓がその中に入っていく。
「地図上はそれになってる。」
木だけで作られた階段。いくつかの段は朽ち果てて無くなっていたり、崩れそうになっていたり。そんな階段を上ると絶景が拡がっていた。
さっきまでいた港。小豆島の山。そしてどこまでも続く海。誰も彼も思わず写真を撮っていた。
「すげぇ。」
「ほんとすごい。」
口々に出てくる感嘆の声は、この景色を形容しているようだ。しばらく写真を撮り続け、そして全員がスマホをポケットにしまったのを見て、音羽が階段を降り始める。
「まだまだこれからやで。」
そう。この小豆島の旅はまだ始まったばかりなのだ。
その後も歩き続ける。醤油の蔵があったり、佃煮の工場があったり。そして海の近くに出たと思えば、また山の中に入っていったり。そして、泊まる旅館に近づいてきた。
「とりあえず、先買い出ししとくか。」
いかにも地元のスーパーみたいなところで買い出しをする。
今晩の宴に使うものの買い出しを済ませて、私たちは再度歩き始めた。
「あと10分ちょいで着くで。」
ここからは山側に向かって歩く。それも10分くらいのようだ。周りの風景は住宅から田んぼに変わり、カエルの鳴き声が聞こえるようになってきた。緑も増えてきて、電柱についている街灯の数も減ってきている。
そして、少し大きめの建物が見えてきた。
「今日泊まるとこはここやな。」
昭和にタイムスリップしたかのような外観。今日泊まる旅館についに到着した。
「じゃあどーするよ?」
楓は疑問をそのままぶつける。たしかに、今ここで1時間を無駄にするのは勿体ない。
「歩く?」
私は少し疑問気味にそう言ってみた。すると、みんなは私の方を向いた。「えっ?何?何?」と戸惑う私。そんな私を見て、笑顔でこう言うのだった。
『それだ!』
そして結局私たちは歩き始めた。
「この先、見晴らしの丘ってやつがあるんやって。」
「それってこの上?」
「そそ。」
今日泊まる旅館までのガイドをするのは音羽。満場一致での決定だった。
音羽は通り道にあるものを一つ一つ言いながら歩く。見晴らしの丘は少し坂を上ったところにあるようで、私たちは折角近くにあるのならと行ってみることにした。
コンクリートで舗装された山道を登っていくと、小さな丘のようなところが見えてきた。
「これ?」
楓がその中に入っていく。
「地図上はそれになってる。」
木だけで作られた階段。いくつかの段は朽ち果てて無くなっていたり、崩れそうになっていたり。そんな階段を上ると絶景が拡がっていた。
さっきまでいた港。小豆島の山。そしてどこまでも続く海。誰も彼も思わず写真を撮っていた。
「すげぇ。」
「ほんとすごい。」
口々に出てくる感嘆の声は、この景色を形容しているようだ。しばらく写真を撮り続け、そして全員がスマホをポケットにしまったのを見て、音羽が階段を降り始める。
「まだまだこれからやで。」
そう。この小豆島の旅はまだ始まったばかりなのだ。
その後も歩き続ける。醤油の蔵があったり、佃煮の工場があったり。そして海の近くに出たと思えば、また山の中に入っていったり。そして、泊まる旅館に近づいてきた。
「とりあえず、先買い出ししとくか。」
いかにも地元のスーパーみたいなところで買い出しをする。
今晩の宴に使うものの買い出しを済ませて、私たちは再度歩き始めた。
「あと10分ちょいで着くで。」
ここからは山側に向かって歩く。それも10分くらいのようだ。周りの風景は住宅から田んぼに変わり、カエルの鳴き声が聞こえるようになってきた。緑も増えてきて、電柱についている街灯の数も減ってきている。
そして、少し大きめの建物が見えてきた。
「今日泊まるとこはここやな。」
昭和にタイムスリップしたかのような外観。今日泊まる旅館についに到着した。
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