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マナツノ
夏休み勉強会3-3
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「ひい君!」
「なんや、きい。ついてきたんや。」
「だってひい君が意地悪なこと言うもん。」
本音では勉強休みたかったとかそんなところだろうが、別にいいだろう。
「そんなことしなくたって買ってくるって。」
「え~!ひい君意外と意地悪なところあるからなぁ。」
近くのコンビニまでは駐車場を通り抜けるだけですぐつく。
「それなら2人でなんか食ってくか?」
「おっ、いいねぇ。何食べる?」
「暑いしなぁ、アイスとか。」
「じゃあ私アイスボックスのレモン!」
2人でこうやって買い物に行くのは久しぶりな気がする。昔はよく2人でお菓子を買いに行ってたが、最近はそんなこともなく、家にあるもので何とかしていたからだ。
「こうやってコンビニ行くの、なんか懐かしいな。」
「たしかにな。覚えてるか?冬寒いからってお菓子買ったついでに豚まん買ってさ…」
「あーもう!忘れた忘れた!」
「きいが落として大泣きしたの。」
「あーもう!せっかく記憶の奥底にしまっておいたのに!」
普通なら2分ほどで歩ける道を5分以上かけながら歩く。久しぶりに幼馴染できているきいは、いつもよりも楽しそうだ。
信号を渡ればコンビニ。俺たちはマンションの影で信号待ちをして、そして青になったら歩き出す。
「子供の頃さ、白線の上しか歩いたらあかんってルールあったよね。」
「それな。子供の頃って意味わからんルール作るよな。」
「懐かしいね。」
「そうだな。」
もう1個の信号待ちは日向。けど、残念ながらちょっとだけ短い。
コンビニに入って、涼みながら全員分のジュースを買う。
「おい、何入れてんねん。」
「懐かしいなぁって。」
カゴの中には当時の俺たちがよく食べていたチョコレートが入っていた。普通のミルクチョコの間にいちごチョコが挟まっている、1口サイズのやつだ。
「きい、金は?」
「持ってきてないよー。」
「しゃーねーなー。」
アイス売り場からアイスボックスを1つカゴの中に入れ、もう1つはコンビニオリジナルのソフトクリームにした。
「ひい君、昔からそれやんな?」
「変わらねぇなこれは。ほら、溶ける前にさっさと並んで食おうぜ。」
レジに並んで会計をして、店から出てすぐのスペースでアイスを取り出す。
「2人だけの内緒な。」
「分かってるって~!やっぱ夏はこれやんな~!」
きいは蓋を開け、氷を口の中に放り込んでいく。俺も特徴的なあの形の蓋を開け、クリームにかぶりつく。
そんな俺をきいが物欲しそうに見ていたので、俺はアイスを差し出した。すると、きいはクリームを舐めた。その代わりに俺の口に氷を1つ入れた。
俺たちはずっと変わることのない、幼馴染だ。
「なんや、きい。ついてきたんや。」
「だってひい君が意地悪なこと言うもん。」
本音では勉強休みたかったとかそんなところだろうが、別にいいだろう。
「そんなことしなくたって買ってくるって。」
「え~!ひい君意外と意地悪なところあるからなぁ。」
近くのコンビニまでは駐車場を通り抜けるだけですぐつく。
「それなら2人でなんか食ってくか?」
「おっ、いいねぇ。何食べる?」
「暑いしなぁ、アイスとか。」
「じゃあ私アイスボックスのレモン!」
2人でこうやって買い物に行くのは久しぶりな気がする。昔はよく2人でお菓子を買いに行ってたが、最近はそんなこともなく、家にあるもので何とかしていたからだ。
「こうやってコンビニ行くの、なんか懐かしいな。」
「たしかにな。覚えてるか?冬寒いからってお菓子買ったついでに豚まん買ってさ…」
「あーもう!忘れた忘れた!」
「きいが落として大泣きしたの。」
「あーもう!せっかく記憶の奥底にしまっておいたのに!」
普通なら2分ほどで歩ける道を5分以上かけながら歩く。久しぶりに幼馴染できているきいは、いつもよりも楽しそうだ。
信号を渡ればコンビニ。俺たちはマンションの影で信号待ちをして、そして青になったら歩き出す。
「子供の頃さ、白線の上しか歩いたらあかんってルールあったよね。」
「それな。子供の頃って意味わからんルール作るよな。」
「懐かしいね。」
「そうだな。」
もう1個の信号待ちは日向。けど、残念ながらちょっとだけ短い。
コンビニに入って、涼みながら全員分のジュースを買う。
「おい、何入れてんねん。」
「懐かしいなぁって。」
カゴの中には当時の俺たちがよく食べていたチョコレートが入っていた。普通のミルクチョコの間にいちごチョコが挟まっている、1口サイズのやつだ。
「きい、金は?」
「持ってきてないよー。」
「しゃーねーなー。」
アイス売り場からアイスボックスを1つカゴの中に入れ、もう1つはコンビニオリジナルのソフトクリームにした。
「ひい君、昔からそれやんな?」
「変わらねぇなこれは。ほら、溶ける前にさっさと並んで食おうぜ。」
レジに並んで会計をして、店から出てすぐのスペースでアイスを取り出す。
「2人だけの内緒な。」
「分かってるって~!やっぱ夏はこれやんな~!」
きいは蓋を開け、氷を口の中に放り込んでいく。俺も特徴的なあの形の蓋を開け、クリームにかぶりつく。
そんな俺をきいが物欲しそうに見ていたので、俺はアイスを差し出した。すると、きいはクリームを舐めた。その代わりに俺の口に氷を1つ入れた。
俺たちはずっと変わることのない、幼馴染だ。
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