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マナツノ

おせっかい④

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「はぁ?」

俺は杏からのRINEを見て、そう叫ぶ。

「どうしたの?」
「いや、なんか杏のやつ真奈ちゃん家泊まってくるんだと。」
「ふぅーん。」
「とりあえず、真奈ちゃんの親に連絡して…ってなんで嬉しそうな顔してるんだ?」
「別に。それよりご飯ちょっと早めに食べちゃお。」

桜はそう言ってキッチンに行く。

 俺は真奈ちゃんの親に「お願いします」の旨のRINEを送る。そして気づいた。

(今日2人きりってことか!?)

 今までにも2人きりになることは何回かあった。が、それも夜には杏が帰ってきていたし、付き合う前のことだ。付き合ってからは2人きりで一晩過ごすなんて1度もない。

「とりあえず風呂洗ってくるわ。」
「よ、よろしく!」

俺は逃げるように風呂場に向かった。

〇〇〇〇〇

 え!?2人きり!?

 いやいや、こんな日が来ることは分かっていたけど、準備もしてきたけど、それでもいきなりすぎる。杏ちゃんいきなりすぎて…いきなり?いや、違う。真奈ちゃんを遊びに誘ったのも全てこのためだったりして。

 そういえば今日の朝、杏ちゃんニヤニヤ笑ってた気がする。まさか、もうそのときには考えていた?

 うわぁ~まんまとやられた~…

 こんなの杏ちゃんの思うつぼやん。

 でも、このチャンス、思う存分使わせていただきます。

〇〇〇〇〇

 今日の晩は生姜焼きだった。元から話していたメニューで、昼間から漬け込んでいた。

「そういえば杏ちゃんから何か返ってきてる?」
「あぁ、『いきなりでごめん!』だと。ほんといきなりすぎる。」

ついでに『せっかくの可愛い妹の粋な計らいを無下にはしないこと。』と送られてきていた。そのことは絶対に言えないが。

 準備はしてある。0.01のやつも買ってあるし、それに、まぁいつもただが、部屋も片付いている。なんら問題はない。

 いつもより若干言葉数は少なく、お互い食べ終わった。

「そんじゃ、俺皿洗ってるから先入ってきたら?」
「うん。そうする。」

桜はぶっきらぼうにそう言って、一度2階に上がった。そしてまた降りてきた。何を取ってきたかは俺は知らない。

 皿を洗い終わって、俺は自分の部屋に入る。引き出しの中にそれがあるのを確認して、俺はスウェットを持ってリビングに降りた。

 そこには先に風呂に入った桜がいた。

「先、ありがと。」
「ん。」

そうとだけ言葉を交わして、俺は風呂場に向かう。桜の今日のパジャマは薄いピンクのパイル地の薄いパジャマだった。胸のところが少し緩かった。
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