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マナツノ
雨の降る街①
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「うわ。雨降ってる。」
学校から出ると外は雨で、隣にいる桜がそう言った。その手には傘はもちろんなくて、いつも入れていた折りたたみ傘も今日は忘れたようだ。
「だから傘持ってけって言ったやろ。」
「降水確率40%は持って行かんやろ。」
もちろん俺の手元には傘があって、俺は外に出てバサッと傘を開く。
「ほら、入って。どうせ帰る場所一緒やねんからええやろ。」
「それもそうだ。んじゃお邪魔しまーす。」
俺の隣のスペースに桜は入ってきて、俺は傘をそっちに少し傾ける。肩と肩がぶつかりそうな距離にいる桜はどこか嬉しそうだ。
「どうした?」
「ん?ちょっと昔のこと思い出しててん。ほら、音羽と3人で帰ったときのこと。」
「あー。そんなこともあったな。」
2人並んで歩いて、校門を抜ける。そして俺たちの足は勝手に駅とは逆方向に進んでいた。
「同じこと考えてるな。」
「せやな。」
俺たちが向かっているのは、学校からほど近いところにあるコンビニ。あの日は音羽とこのコンビニに来て、アイスを食べた。
そんなコンビニに入って、俺たちはそれぞれアイスを買う。俺は爽やかなカップアイスを、桜はクレープを買った。
「あの日は私と音羽が交換してたっけ。」
「やな。」
クレープを桜が俺に差し出してきて、俺はそれにかぶりつく。
「今ではこんなことする仲になったなぁ。」
「せやな。」
俺はアイスを1口掬うと、桜の口の中に運ぶ。基本的な人がいるところでイチャつかないようにしている俺たちだが、人がいないところでは別だ。杏曰く、家ではずっとだからそんなことないって言われるけど。
結局お互いに1個では足りなくて、飲み物だけ買う。最近はこういうコンビニでスムージーが売っていたりするから、それを試してみることにした。
「そっちどんなん?」
「ん?」
チューっと差し出したスムージーを桜が吸う。長く一緒に生活しているから、間接キスとか何も気にしなくなった。慣れって恐ろしい。
食べ終わってみても、雨足は弱くなっていなくて、俺が傘を差すとそこに桜が入ってきた。
「コンビニで買えばよかったやんって思ったやろ?」
「まぁ、ほんのちょっとだけ。」
「そんなの楽しくないもん。」
桜は俺にぶつかってきて、俺の体を押してくる。車道に投げ出されそうになるが、どうにか歩道の中で留まる。
「危ないって。」
「ごめんごめん。」
笑いながら謝る桜に傘を傾けながら、俺たちは駅までの道を歩いた。
学校から出ると外は雨で、隣にいる桜がそう言った。その手には傘はもちろんなくて、いつも入れていた折りたたみ傘も今日は忘れたようだ。
「だから傘持ってけって言ったやろ。」
「降水確率40%は持って行かんやろ。」
もちろん俺の手元には傘があって、俺は外に出てバサッと傘を開く。
「ほら、入って。どうせ帰る場所一緒やねんからええやろ。」
「それもそうだ。んじゃお邪魔しまーす。」
俺の隣のスペースに桜は入ってきて、俺は傘をそっちに少し傾ける。肩と肩がぶつかりそうな距離にいる桜はどこか嬉しそうだ。
「どうした?」
「ん?ちょっと昔のこと思い出しててん。ほら、音羽と3人で帰ったときのこと。」
「あー。そんなこともあったな。」
2人並んで歩いて、校門を抜ける。そして俺たちの足は勝手に駅とは逆方向に進んでいた。
「同じこと考えてるな。」
「せやな。」
俺たちが向かっているのは、学校からほど近いところにあるコンビニ。あの日は音羽とこのコンビニに来て、アイスを食べた。
そんなコンビニに入って、俺たちはそれぞれアイスを買う。俺は爽やかなカップアイスを、桜はクレープを買った。
「あの日は私と音羽が交換してたっけ。」
「やな。」
クレープを桜が俺に差し出してきて、俺はそれにかぶりつく。
「今ではこんなことする仲になったなぁ。」
「せやな。」
俺はアイスを1口掬うと、桜の口の中に運ぶ。基本的な人がいるところでイチャつかないようにしている俺たちだが、人がいないところでは別だ。杏曰く、家ではずっとだからそんなことないって言われるけど。
結局お互いに1個では足りなくて、飲み物だけ買う。最近はこういうコンビニでスムージーが売っていたりするから、それを試してみることにした。
「そっちどんなん?」
「ん?」
チューっと差し出したスムージーを桜が吸う。長く一緒に生活しているから、間接キスとか何も気にしなくなった。慣れって恐ろしい。
食べ終わってみても、雨足は弱くなっていなくて、俺が傘を差すとそこに桜が入ってきた。
「コンビニで買えばよかったやんって思ったやろ?」
「まぁ、ほんのちょっとだけ。」
「そんなの楽しくないもん。」
桜は俺にぶつかってきて、俺の体を押してくる。車道に投げ出されそうになるが、どうにか歩道の中で留まる。
「危ないって。」
「ごめんごめん。」
笑いながら謝る桜に傘を傾けながら、俺たちは駅までの道を歩いた。
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