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インタイ
いんたい⑰
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3日間の戦いが終わった。結果として俺たちは学校単位での表彰はなかったが、それでもいい結果になった。
「終わったな。」
「うん。終わった。」
家に帰ってきて、いつものように楓も一緒で、そして、ソファーにダイブする。クラブバッグから取り出したのはメッセージが書かれたセーム。全員から一言ずつって考えていたけど、思ったよりもみんな書いてくれている。
「なぁ、俺ってさ、この水泳部に何か残せたよな。」
「それって、記録?記憶?」
「もちろん記憶。」
「ん~、記憶ならいっぱい残ってるんちゃう?キャラ濃いし。誰よりも応援してたし。」
セームを握りしめながら、俺は仰向けになった。
「俺ってさ、水泳選手としてはめっちゃ弱くて、それでもこうやって3年間続けてきた。けど、いつまで経っても速くなんかならんくて、何度も折れそうになった。でも…」
みんなの一言一言、全く違うメッセージが心に刺さる。
「こうやって俺を励ましてくれるみんながいたから、やってこれた。その恩返しってできたんかな?」
引退して、水泳選手じゃなくなった俺だから思うこと。
そんな俺の上に、楓は座った。
「少なくともさ、私の記憶には残ってるよ。奏が頑張ってきた姿。最後こそベストは出なかったけど、ゴールデンウィークから7秒も伸ばしてんで。それは、奏の頑張りや。」
「うん。そうだな。」
俺はセームをローテーブルの上に置き、上半身を起こそうとする。そして楓と向かい合った。
「楓もお疲れ様。楓がずっと支えてくれたからここまでやってこれた。」
「うん。ありがと。」
楓は笑って、俺を包んでくれる。それに応えるように、俺も楓の背中に腕を回した。
しばらく時間が経って、俺たちは腕を解いた。
「晩ご飯作ろっか。」
「手伝うわ。」
「ありがと。何作る?」
「今まで制限してきたから食ってこんかったけど、揚げ物食いたいな。ある?」
「ん~、チキン南蛮やったら作れそうやな。」
「ほんならそうしよ。」
2人並んでキッチンに立つ。これからはきっとこんな日々が増えていくのだろう。楓と目を合わせて、笑い合う。
「晩飯食ったら勉強な。期末も近いし。」
「いきなり現実見せてくんな。今はとりあえずご飯や。」
「ニシシシシ。なぁ楓。」
「ん?」
「これからもよろしくな。」
「うん。これからもよろしくね、奏。」
「終わったな。」
「うん。終わった。」
家に帰ってきて、いつものように楓も一緒で、そして、ソファーにダイブする。クラブバッグから取り出したのはメッセージが書かれたセーム。全員から一言ずつって考えていたけど、思ったよりもみんな書いてくれている。
「なぁ、俺ってさ、この水泳部に何か残せたよな。」
「それって、記録?記憶?」
「もちろん記憶。」
「ん~、記憶ならいっぱい残ってるんちゃう?キャラ濃いし。誰よりも応援してたし。」
セームを握りしめながら、俺は仰向けになった。
「俺ってさ、水泳選手としてはめっちゃ弱くて、それでもこうやって3年間続けてきた。けど、いつまで経っても速くなんかならんくて、何度も折れそうになった。でも…」
みんなの一言一言、全く違うメッセージが心に刺さる。
「こうやって俺を励ましてくれるみんながいたから、やってこれた。その恩返しってできたんかな?」
引退して、水泳選手じゃなくなった俺だから思うこと。
そんな俺の上に、楓は座った。
「少なくともさ、私の記憶には残ってるよ。奏が頑張ってきた姿。最後こそベストは出なかったけど、ゴールデンウィークから7秒も伸ばしてんで。それは、奏の頑張りや。」
「うん。そうだな。」
俺はセームをローテーブルの上に置き、上半身を起こそうとする。そして楓と向かい合った。
「楓もお疲れ様。楓がずっと支えてくれたからここまでやってこれた。」
「うん。ありがと。」
楓は笑って、俺を包んでくれる。それに応えるように、俺も楓の背中に腕を回した。
しばらく時間が経って、俺たちは腕を解いた。
「晩ご飯作ろっか。」
「手伝うわ。」
「ありがと。何作る?」
「今まで制限してきたから食ってこんかったけど、揚げ物食いたいな。ある?」
「ん~、チキン南蛮やったら作れそうやな。」
「ほんならそうしよ。」
2人並んでキッチンに立つ。これからはきっとこんな日々が増えていくのだろう。楓と目を合わせて、笑い合う。
「晩飯食ったら勉強な。期末も近いし。」
「いきなり現実見せてくんな。今はとりあえずご飯や。」
「ニシシシシ。なぁ楓。」
「ん?」
「これからもよろしくな。」
「うん。これからもよろしくね、奏。」
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