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インタイ
いんたい⑬
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「りゅうじィィんゆゥゥめ!」
『お前がやらずに誰がやる!』
「エッサエッサァァ!」
『エッサエッサァァ!』
レースが始まって、1泳の夢が泳ぎ始める。得意のバサロで15mギリギリまで潜り、浮き上がってきた。その時点での順位は6番。その順位を保ったまま最初の50mを泳ぎ切る。
そして特に順位の変更もなく、夢は100mを泳ぎ切ろうとしていた。
『ウオォォォォエイ!』
「矢巾瞬!」
『お前がやらずに誰がやる!』
「エッサエッサァ!」
瞬は府中から近畿大会に進んだことがあるほどの実力者だ。この中でのランキングでも上位の方だ。
『もーっともっともっと!』
そんな瞬でもこの中では並レベルで、順位を1つ落としてターンした。瞬は後半が少し弱い。が、なかなか落ちてこない。だから、応援にも熱が入る。
『ウオォォォレイ!』
そのまま7番で次の蒼介に引き継いだ。
「藤岡蒼介ェ!」
『お前がやらずに誰がやる!』
応援のテンポも1泳の夢のときとは違う。速い。速くなっている。けど、誰も気づかない。滴り落ちる汗と、枯れていく喉はその昂りを止めることはない。
その期待に応えてくれたのか、蒼介は1人を抜いた。
『うおぉぉぉぉぉ!』
スタンドの俺たちはより一層の盛り上がりに包まれる。1人抜いたのはデカい。この後の光輝が絶対に抜かれることは無い。安心して見ていられる。
蒼介はさらにリードを広げ、最終泳者の光輝に繋げる。
「宮林ィ光輝ィ!」
『お前がやらずに誰がやる!』
近畿大会に出れるラインからは残り2秒くらい。そのリードは絶対に侵されることはない。それが宮林光輝という奴の力だ。
光輝はそのリードを保ったままターンする。蒼介が作ったリードはそのまま、残り25mを超える。
俺は大崎と目を合わせた。どっちがラストを言うかだ。大崎はクイっと顎を上げて、「お前が言え」と合図を送ってくる。俺は頷いて、大きく息を吸った。
「あぁぁぁそぉぉぉぉぉぉぉぉれソレソレラストォォォ!」
『ラストォォォ!』
「ラストォォォ!」
『ラストォォォ!』
1秒でも、0.1秒でも速くなるように、俺たちはエールを送る。そして、ゴールタッチした。
その瞬間、俺たちは電光掲示板を見る。俺たちの学校名の横には『6』の文字が光っていた。
『うおぉぉぉぉぉ!』
メガホンをバンバン叩き、大歓声が上がる。
「ナイスゥ!」
「お疲れェ!」
みんな口々に戦った4人を労う。そして、全員の視線が俺に向いた。
「お疲れ様でしたッ!」
『フゥフゥフゥフゥゥー!』
『お前がやらずに誰がやる!』
「エッサエッサァァ!」
『エッサエッサァァ!』
レースが始まって、1泳の夢が泳ぎ始める。得意のバサロで15mギリギリまで潜り、浮き上がってきた。その時点での順位は6番。その順位を保ったまま最初の50mを泳ぎ切る。
そして特に順位の変更もなく、夢は100mを泳ぎ切ろうとしていた。
『ウオォォォォエイ!』
「矢巾瞬!」
『お前がやらずに誰がやる!』
「エッサエッサァ!」
瞬は府中から近畿大会に進んだことがあるほどの実力者だ。この中でのランキングでも上位の方だ。
『もーっともっともっと!』
そんな瞬でもこの中では並レベルで、順位を1つ落としてターンした。瞬は後半が少し弱い。が、なかなか落ちてこない。だから、応援にも熱が入る。
『ウオォォォレイ!』
そのまま7番で次の蒼介に引き継いだ。
「藤岡蒼介ェ!」
『お前がやらずに誰がやる!』
応援のテンポも1泳の夢のときとは違う。速い。速くなっている。けど、誰も気づかない。滴り落ちる汗と、枯れていく喉はその昂りを止めることはない。
その期待に応えてくれたのか、蒼介は1人を抜いた。
『うおぉぉぉぉぉ!』
スタンドの俺たちはより一層の盛り上がりに包まれる。1人抜いたのはデカい。この後の光輝が絶対に抜かれることは無い。安心して見ていられる。
蒼介はさらにリードを広げ、最終泳者の光輝に繋げる。
「宮林ィ光輝ィ!」
『お前がやらずに誰がやる!』
近畿大会に出れるラインからは残り2秒くらい。そのリードは絶対に侵されることはない。それが宮林光輝という奴の力だ。
光輝はそのリードを保ったままターンする。蒼介が作ったリードはそのまま、残り25mを超える。
俺は大崎と目を合わせた。どっちがラストを言うかだ。大崎はクイっと顎を上げて、「お前が言え」と合図を送ってくる。俺は頷いて、大きく息を吸った。
「あぁぁぁそぉぉぉぉぉぉぉぉれソレソレラストォォォ!」
『ラストォォォ!』
「ラストォォォ!」
『ラストォォォ!』
1秒でも、0.1秒でも速くなるように、俺たちはエールを送る。そして、ゴールタッチした。
その瞬間、俺たちは電光掲示板を見る。俺たちの学校名の横には『6』の文字が光っていた。
『うおぉぉぉぉぉ!』
メガホンをバンバン叩き、大歓声が上がる。
「ナイスゥ!」
「お疲れェ!」
みんな口々に戦った4人を労う。そして、全員の視線が俺に向いた。
「お疲れ様でしたッ!」
『フゥフゥフゥフゥゥー!』
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