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インタイ
しんゆう
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練習後、ダウンを泳いでからプールサイドに上がる。
「おい、お前。なんで先上がってんねん。」
「そりゃあ上がるやろ。こちとら現役ちゃうねんぞ。」
「それでもトライアスロンやるんちゃうかったん?」
ピー也は大学に入って、トライアスロンサークルに入ったみたいだ。だから、スイムは1500mは泳がないといけない。って考えたら、うちのdistanceの練習は泳げとかないといけないのだ。
middleとsprintの練習が終わって、そのメンバーがプールサイドに上がってきた。「づがれだぁ」って声があちこちから上がる。こんな声を上げれるくらいの体力が残っているだけまだマシだろう。本当に疲れたときは何も喋れないんやから。
「そういえば、お前大学上手いことやっていけてるんか?」
「は?俺を誰やと思ってんねん。」
「生粋の変人。」
「分かっとるやんけ。もちろん課題に追われるだけのクソ生活。とりあえず喋れるやつはおるけど、それだけって感じや。」
自慢気に言うが、何の自慢にもなっていない。むしろ、悪あがきって言葉が似合う。
先生の話を聞いて、ミーティングが終わる。
「既視感の塊。」
ピー也はすぐにシャワーを浴びに行って、そこに座り込んだ。
「恒例行事やもん。ってか、絵空待たせてるからはよ行かなあかんねん。」
「何時待ち合わせなん?」
「45分ぐらいに行くって言うてる。」
今は35分過ぎ。結構急がないと間に合わない。
「まぁ、ちょっとぐらい遅れても多分大丈夫。終わるん遅かったって言うたらいける。」
「彼女待たせるとか彼氏失格やで。」
「今まで何回待たせた思うてんねん。」
「ばぁか」って付け足すピー也。なんでこんな奴に彼女が出来てしまったんだろう。絵空さんってなんでこんな奴のことを好きになったんやろう。
「めっちゃ失礼なこと考えてるやろ。」
「お前に対して失礼って感情はない。ほら、待たせてるんやったらさっさと行きな。」
「分かった分かった」と立ち上がり、体を拭いて更衣室に消えていく。その後ろ姿を眺めていたら、楓が近づいてきた。
「楓やろ。ピー也のこと呼んだん。」
「せやで。どうやった?嬉しかった?」
「そこまでせんでも調子ぐらい自分で上げるって。」
「でも、今日タイム良かったやろ。」
楓はいつも通りdistanceのタイムをとってくれていた。だから、もちろん俺のタイムが良かったことも知っているだけで。
「本当に田辺さんがいるだけで1秒も2秒も変わってくるんやから。このまま中央大会まで行ってや。」
「もちろん。やっぱ、あいつに勝ちたいから。」
「おい、お前。なんで先上がってんねん。」
「そりゃあ上がるやろ。こちとら現役ちゃうねんぞ。」
「それでもトライアスロンやるんちゃうかったん?」
ピー也は大学に入って、トライアスロンサークルに入ったみたいだ。だから、スイムは1500mは泳がないといけない。って考えたら、うちのdistanceの練習は泳げとかないといけないのだ。
middleとsprintの練習が終わって、そのメンバーがプールサイドに上がってきた。「づがれだぁ」って声があちこちから上がる。こんな声を上げれるくらいの体力が残っているだけまだマシだろう。本当に疲れたときは何も喋れないんやから。
「そういえば、お前大学上手いことやっていけてるんか?」
「は?俺を誰やと思ってんねん。」
「生粋の変人。」
「分かっとるやんけ。もちろん課題に追われるだけのクソ生活。とりあえず喋れるやつはおるけど、それだけって感じや。」
自慢気に言うが、何の自慢にもなっていない。むしろ、悪あがきって言葉が似合う。
先生の話を聞いて、ミーティングが終わる。
「既視感の塊。」
ピー也はすぐにシャワーを浴びに行って、そこに座り込んだ。
「恒例行事やもん。ってか、絵空待たせてるからはよ行かなあかんねん。」
「何時待ち合わせなん?」
「45分ぐらいに行くって言うてる。」
今は35分過ぎ。結構急がないと間に合わない。
「まぁ、ちょっとぐらい遅れても多分大丈夫。終わるん遅かったって言うたらいける。」
「彼女待たせるとか彼氏失格やで。」
「今まで何回待たせた思うてんねん。」
「ばぁか」って付け足すピー也。なんでこんな奴に彼女が出来てしまったんだろう。絵空さんってなんでこんな奴のことを好きになったんやろう。
「めっちゃ失礼なこと考えてるやろ。」
「お前に対して失礼って感情はない。ほら、待たせてるんやったらさっさと行きな。」
「分かった分かった」と立ち上がり、体を拭いて更衣室に消えていく。その後ろ姿を眺めていたら、楓が近づいてきた。
「楓やろ。ピー也のこと呼んだん。」
「せやで。どうやった?嬉しかった?」
「そこまでせんでも調子ぐらい自分で上げるって。」
「でも、今日タイム良かったやろ。」
楓はいつも通りdistanceのタイムをとってくれていた。だから、もちろん俺のタイムが良かったことも知っているだけで。
「本当に田辺さんがいるだけで1秒も2秒も変わってくるんやから。このまま中央大会まで行ってや。」
「もちろん。やっぱ、あいつに勝ちたいから。」
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