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セナカヲ
私たちは球技大会⑧
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閑散とした駅までの道を歩きながら、今日のことを思い出す。
「やっぱ加太先輩たち強かったな。」
「そうやね。なんかいつの間にか当たってて、いつの間にか負けてた。」
エキシビションとして行われた1-Cと3-Gとの勝負。コートは倍の広さになって、男子女子合同ですることになったのだが、一瞬で負けた。
「でも、今日もクラブあるとかないわ~。」
「それな。私たちのせいで打ち上げの日程遅らせなあかんかったし。」
夕焼けが綺麗に輝く空。5月末になってくると日が落ちるのも遅くなってきて、こうやって夕焼けを見ながら歩ける。
2人でのんびりと歩いていると、後ろから誰かが駆けてくる音。
「2人とも早すぎやって。」
「ん?憲士やん。どないしたん?」
「いつもの男子たちは?」
息を切らしながらやってきた憲士に合わせて立ち止まる。
「あいつら今から梅田に打ち上げ行くってよ。クラスの打ち上げに途中参加するんやってさ。やから俺は1人ってわけ。」
「ふーん。それで私たちを追ってきたと。」
「なんか悪いか?」
「なーんにも。」
駅はもう少し。憲士は同じ京都方面だから、1駅やけど同じだ。
「あっ、せや。今日うち晩御飯ないんやった。」
突然、真奈がそんなことを言い出した。
「なんで?」
「今日明日ってお母さん出張でお父さんはどうせ会社の人たちと飲んで帰ってくるから。」
「へぇー。」
状況が何となく分かり、私たちはとりあえず駅に向かって歩く。もちろん、その途中にもいくつかお店がある訳で。
「なぁ、お前ら何円持ってる?」
「奇遇やな憲士。私も今それ言おうとしとってん。」
「2人ともええん?」
何を言いたいのか分かった真奈は、心配になってそう言ってくる。
「まぁ、私は桜さんに連絡したらええから。」
「俺も親連絡したらええだけやし。」
私たちはスマホを取り出して、それぞれ連絡する。桜さんからは快く「OK」って言われて、憲士も同じような感じだったようだ。
「んじゃ、行くか。何食べたい?」
「そこそこキツかったから揚げもんは無理。」
「早よ食べなあかんのは嫌。喋りたいし。」
駅構内を抜けて、学校とは逆側、川側のロータリーの方に下りる。
そして商店街を目指して歩いていく。結局決まったのはバカ兄たちもよく行く、あの安いファミレスだ。
「そういや、こうやって飯食いに行くん、高校入って初めてかも。」
「確かに、ミコとか史帆とは行かんもんな。」
「女子たちってそうなんや。」
「男子は?」
「この前の試合の後行ったで。」
「へぇー。男子たちの方がそういうの行かんって思うとった。」
店内に入って、店員さんに案内された席。その隣の席は…
「杏やん。」
「バカ兄、それに皆さんまで。」
いつものメンバーだった。
「やっぱ加太先輩たち強かったな。」
「そうやね。なんかいつの間にか当たってて、いつの間にか負けてた。」
エキシビションとして行われた1-Cと3-Gとの勝負。コートは倍の広さになって、男子女子合同ですることになったのだが、一瞬で負けた。
「でも、今日もクラブあるとかないわ~。」
「それな。私たちのせいで打ち上げの日程遅らせなあかんかったし。」
夕焼けが綺麗に輝く空。5月末になってくると日が落ちるのも遅くなってきて、こうやって夕焼けを見ながら歩ける。
2人でのんびりと歩いていると、後ろから誰かが駆けてくる音。
「2人とも早すぎやって。」
「ん?憲士やん。どないしたん?」
「いつもの男子たちは?」
息を切らしながらやってきた憲士に合わせて立ち止まる。
「あいつら今から梅田に打ち上げ行くってよ。クラスの打ち上げに途中参加するんやってさ。やから俺は1人ってわけ。」
「ふーん。それで私たちを追ってきたと。」
「なんか悪いか?」
「なーんにも。」
駅はもう少し。憲士は同じ京都方面だから、1駅やけど同じだ。
「あっ、せや。今日うち晩御飯ないんやった。」
突然、真奈がそんなことを言い出した。
「なんで?」
「今日明日ってお母さん出張でお父さんはどうせ会社の人たちと飲んで帰ってくるから。」
「へぇー。」
状況が何となく分かり、私たちはとりあえず駅に向かって歩く。もちろん、その途中にもいくつかお店がある訳で。
「なぁ、お前ら何円持ってる?」
「奇遇やな憲士。私も今それ言おうとしとってん。」
「2人ともええん?」
何を言いたいのか分かった真奈は、心配になってそう言ってくる。
「まぁ、私は桜さんに連絡したらええから。」
「俺も親連絡したらええだけやし。」
私たちはスマホを取り出して、それぞれ連絡する。桜さんからは快く「OK」って言われて、憲士も同じような感じだったようだ。
「んじゃ、行くか。何食べたい?」
「そこそこキツかったから揚げもんは無理。」
「早よ食べなあかんのは嫌。喋りたいし。」
駅構内を抜けて、学校とは逆側、川側のロータリーの方に下りる。
そして商店街を目指して歩いていく。結局決まったのはバカ兄たちもよく行く、あの安いファミレスだ。
「そういや、こうやって飯食いに行くん、高校入って初めてかも。」
「確かに、ミコとか史帆とは行かんもんな。」
「女子たちってそうなんや。」
「男子は?」
「この前の試合の後行ったで。」
「へぇー。男子たちの方がそういうの行かんって思うとった。」
店内に入って、店員さんに案内された席。その隣の席は…
「杏やん。」
「バカ兄、それに皆さんまで。」
いつものメンバーだった。
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