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セナカヲ

私たちは中間考査③

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「きゅーけい!きゅーけい!」

2時間ほどぶっ続けで勉強して、1度休憩をとる。今日はバカ兄も桜さんも香里園駅前のファミレスで勉強会をするようだ。なので、私は今1人家にいる。

 消していたスマホの電源を入れ、連絡が来ていないことを確認する。バカ兄たちが晩ご飯をどうするか聞いとかないといけないから、その連絡だけ入れる。

 時間は6時前。まだお腹は減ってこないので、糖分補給代わりのスナックパンを口の中に入れて、ブラックコーヒーで流し込む。

「疲れた。1回公共でもやるか。楓さんとかの情報によると、問題集まんまみたいやからやるしかないよね。」

今までやっていたのは数Ⅰ。恒等式とかだけど、実際係数比較だけだからなんとかなっている。それでも問題数が多いから死にそうだけど。

 カチッとスタンドライトをつけて、ペンを持つ。聞こえてくるのは走る車の音とバイクの音だけ。たまに聞こえてくるのが帰ってきた中学生の集団の声だ。この子たちは今から塾があるんだろう。私は行ってこなかった人だからその辛さは分からないけど、きっとキツいんだろうな。

 今回の公共は、どちらかというと倫理みたいな感じのところばっかりだ。思想がどうのこうのの範囲でほぼ全部覚えるだけだ。

「さーて。やりますかぁ。」

10分ほどの休憩を終えて、ぐぐっと伸びをしてから勉強を再開させる。スマホの電源を切って、時計を伏せる。こうしたら時間なんか関係なく、集中力が切れてくるまで勉強できる。多少無理矢理だけど、これが私には1番合ってるのだ。

 しばらく勉強してると、ガチャっとドアが開く音がした。誰かが帰ってきたのだろう。

「ただいま~。」
「ただいま~。」

声は2人。桜さんとバカ兄だ。

「おかえり~。まだご飯作ってないけどどうする?」
「あぁ。また電源切ってたんやな。俺たちがなんか作っとくからキリいいところまでやってこい。」
「ええん?」
「ええよ。桜もええよな。」
「もちろん。流石にあんなにやったら疲れたし。」

2人は荷物を置くなり、そのままキッチンに立って調理を始める。

「終わったら呼ぶからやってこい。」
「はーい。ありがと。」

バカ兄の不器用な優しさをありがたく受け取って、私は2階の自分の部屋に上がる。電気も何もかもそのままで、机の上には公共の問題集が広がっている。

「バカ兄たちが作り終わるまでに終わらそ。」

私は再び椅子に座って、勉強を再開した。
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