548 / 725
セナカヲ
私たちはGW⑦
しおりを挟む
そして午後練がやってきた。午後練…いや、夜練は他校との合同練習。ラクタブのサブプールを長水路設定にしてもらってやる練習だ。
「せいごー!」
この中で一番実力のある南陽の掛け声に合わせて壁を蹴る。午前中とはうってかわって水が温かいので、午前中はあんなにへばっていた男子たちも元気を取り戻していた。
そして、いい感じに身体も疲れて練習が終わった。南陽の人たちは私たちが疲れてヘロヘロになっているのに、まだプールの中で騒ぎまくっている。
「奏、大丈夫?」
「あぁ、とりあえずこれでどうにかなってる。」
「あとで巻き直してあげるから、ちょっと待っててな。」
「てんきゅー。」
プールサイドに上がってきた加太先輩に声をかけている楓さん。見れば加太先輩の親指には、昼休憩のときにはなかった絆創膏が巻かれている。
「加太先輩、どうしたんやろ?」
「あぁ、あれはフィン履いて浮くヤツあったやん。そんときに白野先輩とペアやってんけど、押し方ミスって爪浮いてんて。」
「うわ痛っ!その状況で50mは泳いだってことよな。」
「そゆこと。本人もまさかそんなことになってるとは思わんかったみたいやけど。」
幸いにも怪我人はそれだけだ。他はみんな、疲れているけどピンピンしている。
「外集合なー!」
『えーい!』
龍神先輩からそんな先生からの連絡を受けて私たちはプールを後にした。
着替えてプールのエントランスの前で集合する。
「えーっと、明日の練習は何時からですか?」
「明日はoffがいいです。」
「…何時ですか?」
「offにしてください。」
「…何時?」
「offで。」
江住先生と由良先輩のそんなつまらないやり取りにも笑えるくらいには疲れているみたいだ。
「じゃあ明日8時半。今日の疲れもあるやろうけど、明日も頑張るで。じゃあさよなら。」
『お疲れ様っしたー。』
今日の練習が終わってとりあえず解散。夜の帳がもう完全に降りきったプール前を歩きながら、門真南の駅の方に歩いていく。
「ふわぁぁぁ」
隣の真奈は眠たそう欠伸をしながら、半分本能的に歩いている。ほかのみんなもそんな感じだ。
こんな感じに見えて、まだGW1日目。こんな練習があと2日続くのだ。
電車に乗った私は、シートにすぐに座って目を閉じる。真奈につられてか、私も少し眠くなってきた。真奈はシートに座るなり、すぐに寝息を立てていて、もう熟睡している。
私も次第に視界がぼやけてきて、すぐに眠りの海に飛び込んでいった。
「せいごー!」
この中で一番実力のある南陽の掛け声に合わせて壁を蹴る。午前中とはうってかわって水が温かいので、午前中はあんなにへばっていた男子たちも元気を取り戻していた。
そして、いい感じに身体も疲れて練習が終わった。南陽の人たちは私たちが疲れてヘロヘロになっているのに、まだプールの中で騒ぎまくっている。
「奏、大丈夫?」
「あぁ、とりあえずこれでどうにかなってる。」
「あとで巻き直してあげるから、ちょっと待っててな。」
「てんきゅー。」
プールサイドに上がってきた加太先輩に声をかけている楓さん。見れば加太先輩の親指には、昼休憩のときにはなかった絆創膏が巻かれている。
「加太先輩、どうしたんやろ?」
「あぁ、あれはフィン履いて浮くヤツあったやん。そんときに白野先輩とペアやってんけど、押し方ミスって爪浮いてんて。」
「うわ痛っ!その状況で50mは泳いだってことよな。」
「そゆこと。本人もまさかそんなことになってるとは思わんかったみたいやけど。」
幸いにも怪我人はそれだけだ。他はみんな、疲れているけどピンピンしている。
「外集合なー!」
『えーい!』
龍神先輩からそんな先生からの連絡を受けて私たちはプールを後にした。
着替えてプールのエントランスの前で集合する。
「えーっと、明日の練習は何時からですか?」
「明日はoffがいいです。」
「…何時ですか?」
「offにしてください。」
「…何時?」
「offで。」
江住先生と由良先輩のそんなつまらないやり取りにも笑えるくらいには疲れているみたいだ。
「じゃあ明日8時半。今日の疲れもあるやろうけど、明日も頑張るで。じゃあさよなら。」
『お疲れ様っしたー。』
今日の練習が終わってとりあえず解散。夜の帳がもう完全に降りきったプール前を歩きながら、門真南の駅の方に歩いていく。
「ふわぁぁぁ」
隣の真奈は眠たそう欠伸をしながら、半分本能的に歩いている。ほかのみんなもそんな感じだ。
こんな感じに見えて、まだGW1日目。こんな練習があと2日続くのだ。
電車に乗った私は、シートにすぐに座って目を閉じる。真奈につられてか、私も少し眠くなってきた。真奈はシートに座るなり、すぐに寝息を立てていて、もう熟睡している。
私も次第に視界がぼやけてきて、すぐに眠りの海に飛び込んでいった。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
ハーレムに憧れてたけど僕が欲しいのはヤンデレハーレムじゃない!
いーじーしっくす
青春
赤坂拓真は漫画やアニメのハーレムという不健全なことに憧れる健全な普通の男子高校生。
しかし、ある日突然目の前に現れたクラスメイトから相談を受けた瞬間から、拓真の学園生活は予想もできない騒動に巻き込まれることになる。
その相談の理由は、【彼氏を女帝にNTRされたからその復讐を手伝って欲しい】とのこと。断ろうとしても断りきれない拓真は渋々手伝うことになったが、実はその女帝〘渡瀬彩音〙は拓真の想い人であった。そして拓真は「そんな訳が無い!」と手伝うふりをしながら彩音の潔白を証明しようとするが……。
証明しようとすればするほど増えていくNTR被害者の女の子達。
そしてなぜかその子達に付きまとわれる拓真の学園生活。
深まる彼女達の共通の【彼氏】の謎。
拓真の想いは届くのか? それとも……。
「ねぇ、拓真。好きって言って?」
「嫌だよ」
「お墓っていくらかしら?」
「なんで!?」
純粋で不純なほっこりラブコメ! ここに開幕!
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
普通の男子高校生である俺の日常は、どうやら美少女が絶対につきものらしいです。~どうやら現実は思ったよりも俺に優しいようでした~
サチ
青春
普通の男子高校生だと自称する高校2年生の鏡坂刻。彼はある日ふとした出会いをきっかけにPhotoClubなる部活に入部することになる。そこには学校一の美女や幼馴染達がいて、それまでの学校生活とは一転した生活に変わっていく。
これは普通の高校生が送る、日常ラブコメディである。
怪我でサッカーを辞めた天才は、高校で熱狂的なファンから勧誘責めに遭う
もぐのすけ
青春
神童と言われた天才サッカー少年は中学時代、日本クラブユースサッカー選手権、高円宮杯においてクラブを二連覇させる大活躍を見せた。
将来はプロ確実と言われていた彼だったが中学3年のクラブユース選手権の予選において、選手生命が絶たれる程の大怪我を負ってしまう。
サッカーが出来なくなることで激しく落ち込む彼だったが、幼馴染の手助けを得て立ち上がり、高校生活という新しい未来に向かって歩き出す。
そんな中、高校で中学時代の高坂修斗を知る人達がここぞとばかりに部活や生徒会へ勧誘し始める。
サッカーを辞めても一部の人からは依然として評価の高い彼と、人気な彼の姿にヤキモキする幼馴染、それを取り巻く友人達との刺激的な高校生活が始まる。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
全体的にどうしようもない高校生日記
天平 楓
青春
ある年の春、高校生になった僕、金沢籘華(かなざわとうか)は念願の玉津高校に入学することができた。そこで出会ったのは中学時代からの友人北見奏輝と喜多方楓の二人。喜多方のどうしようもない性格に奔放されつつも、北見の秘められた性格、そして自身では気づくことのなかった能力に気づいていき…。
ブラックジョーク要素が含まれていますが、決して特定の民族並びに集団を侮蔑、攻撃、または礼賛する意図はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる