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セナカヲ
私たちはGW②
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GW前最後の学校。クラスの中は重たい空気で満たされていた。
「課題やって。」
「そりゃあちょっと長い休みやねんしあるやろ。」
半分絶望気味にため息をつく私の横で憲士が笑う。どこからどう見ても余裕そうだ。
GWに出された課題。それは数学の問題集の15ページ分だ。問題数にしてだいたい80問くらい。でも基礎レベルからなので出来ないことはない。難しい問題も時間をかけたらできるものばかりだ。
「それでもなぁ。憲士、GWの予定見たやろ。」
「見たで。ニ部練ばっかやったな。」
「そーやろ!そんなんで出来るわけないやん!」
机をバンと叩き、憲士に訴える。ニ部練が終わってから家に帰るとして、家に着くのが5時半から6時。そこからお風呂入ったりご飯食べたりケアしたりしたらだいたい9時ぐらいになってしまっている。その時間から勉強…案外出来んこともないかも。
「2人ともどーしたん?」
私より少し遅く学校についた真奈がこっちに来ながらそう言う。
「杏のやつが課題がどーのこーのって言ってんねん。別に終わらん量でもないのに。」
「ニ部練の日の夜なんか起きてられるわけないやん。」
一旦できるできない問題は置いといて、クラブの話に持ち込もうとする。けど、そんな空気は憲士が壊してきた。
「課題は授業で習ったその日に進めていってるから、俺はほぼやるところないで。」
「へ?」
憲士はカバンの中から数学の問題集を取り出して、私に見せてくる。真っ白だったページは問題を解いた途中式で埋め尽くされていて、図も使っていてわかりやすい。
「問題集が分かりやすいってすごいな。私なんて自分さえ分かればいいって思ってんで。」
「中学の頃からこうやって渡すこと多かったから癖づいてんねんな。」
真奈が褒めるのを恥ずかしそうに聞く憲士。それでもどこか嬉しそうだ。
「ちょっと貸してもらっていい?授業で分からんとこあってんな。」
「別にええけど、クラブ終わってからやったらいくらでも教えるで。ここに書いてへんことも結構あるし、授業ノートあった方が杏も分かりやすいやろ。」
「やったー!ありがとう!」
クラブ後に勉強を教えてもらう約束をして、私は教材を出しにロッカーに行く。
「あの~、日高川くん、私もいいかな?」
「ん?木美野さんも?別にいいけど、木美野さんは問題ないんちゃうん?」
「えーっと、そのー、なんて言うか…」
「あ~、杏と一緒に帰りたいんか。いいよ。」
「そんなんちゃうから!普通に私も分からんとこあったからやから!」
背後でそんな会話をしているのを笑いながら聴きながら。
「課題やって。」
「そりゃあちょっと長い休みやねんしあるやろ。」
半分絶望気味にため息をつく私の横で憲士が笑う。どこからどう見ても余裕そうだ。
GWに出された課題。それは数学の問題集の15ページ分だ。問題数にしてだいたい80問くらい。でも基礎レベルからなので出来ないことはない。難しい問題も時間をかけたらできるものばかりだ。
「それでもなぁ。憲士、GWの予定見たやろ。」
「見たで。ニ部練ばっかやったな。」
「そーやろ!そんなんで出来るわけないやん!」
机をバンと叩き、憲士に訴える。ニ部練が終わってから家に帰るとして、家に着くのが5時半から6時。そこからお風呂入ったりご飯食べたりケアしたりしたらだいたい9時ぐらいになってしまっている。その時間から勉強…案外出来んこともないかも。
「2人ともどーしたん?」
私より少し遅く学校についた真奈がこっちに来ながらそう言う。
「杏のやつが課題がどーのこーのって言ってんねん。別に終わらん量でもないのに。」
「ニ部練の日の夜なんか起きてられるわけないやん。」
一旦できるできない問題は置いといて、クラブの話に持ち込もうとする。けど、そんな空気は憲士が壊してきた。
「課題は授業で習ったその日に進めていってるから、俺はほぼやるところないで。」
「へ?」
憲士はカバンの中から数学の問題集を取り出して、私に見せてくる。真っ白だったページは問題を解いた途中式で埋め尽くされていて、図も使っていてわかりやすい。
「問題集が分かりやすいってすごいな。私なんて自分さえ分かればいいって思ってんで。」
「中学の頃からこうやって渡すこと多かったから癖づいてんねんな。」
真奈が褒めるのを恥ずかしそうに聞く憲士。それでもどこか嬉しそうだ。
「ちょっと貸してもらっていい?授業で分からんとこあってんな。」
「別にええけど、クラブ終わってからやったらいくらでも教えるで。ここに書いてへんことも結構あるし、授業ノートあった方が杏も分かりやすいやろ。」
「やったー!ありがとう!」
クラブ後に勉強を教えてもらう約束をして、私は教材を出しにロッカーに行く。
「あの~、日高川くん、私もいいかな?」
「ん?木美野さんも?別にいいけど、木美野さんは問題ないんちゃうん?」
「えーっと、そのー、なんて言うか…」
「あ~、杏と一緒に帰りたいんか。いいよ。」
「そんなんちゃうから!普通に私も分からんとこあったからやから!」
背後でそんな会話をしているのを笑いながら聴きながら。
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