陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

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セナカヲ

私たちはGW①

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 突然ですがお願いです。私たちにGWをください。

「なんちゅうナレーション当ててんねん。」
「だって~」

GW中のoffは1回。しかも他の日はだいたいニ部練やし、数日間は学校にも行かないといけない。鬼だ。鬼。私たちに休みを提供してくれ学校側!

 そんなこんなでGW直前に突入した私たちはある現実に直面していた。

「なあなあ、なんか練習キツなっていってへん?」
「やっと気づいた。ちょっと前からたまに狂ってるメニュー入ってきてんで。」

練習前のプールサイド。もうシート上げをすることもなくなって、道具を用意してからビート板の上に座り、真奈と駄弁る。

「まぁ、うちの学年も水泳部多くなってきたからいいんやけど。」
「せやな。同じ苦しさを味わうのが増えたのはいいことや。」

真奈は笑いながらそんなことを言う。

 うちの学年の水泳部は私たちを含めて9人。私と真奈、専門が平泳ぎの小野海琴と古橋史帆。ここまでが女子で男子が自由形短距離専門の秋山冬吾、バタフライ専門の藤岡蒼介、平泳ぎ専門の矢巾瞬、背泳ぎ専門の大浜彪牙、そして長距離専門の…

「憲士!遅いやん。今日掃除当番やったっけ?」
「ちゃうちゃう。練習後食うもん買っとってん。」

日高川憲士。私の隣の席のやつだ。隣の席なのもあって、私たちはよく喋るようになり、1ヶ月も経たないうちに仲良くなった。練習でもお互いにDistanceで泳いでいるのもあってよく喋るのだ。

「またふたりやってる。」
「なんやミコ。普通に喋っとっただけやけどなんかあったか?」
「なんもないなんもない。なっ、しほ。」
「あんたは早めにその喋り方直しーさ。緊張感の欠片もない。」
「えーめんどくさいー。」

ミコと史帆は中学からの内部生で、楓さんとも仲良かったようだ。2人とも入って来てすぐに『ちゃん』付けで呼んでいた。

「それに比べて杏ってまだ緊張してるやろ?」
「ふぇっ?」
「やって中学ん時はそんな喋り方ちゃうかったもん。」
「そうやったっけな?全く覚えてへん。」

真奈は私の喋り方がまだ硬いと言う。私としてはそこそこ慣れてきたかなって感じやねんけど。

「でも、日高川くんと喋るときだけは戻ってるで。」
「うおぉぉぉ!」
「冷やかすなアホ!」

すっかり1年のいじられキャラになってしまった私。まぁ、受け入れてるところもあるけど。

「体操!」

気づけば時間は体操が始まる時間。私が入ってきた頃はマネージャーをしていた龍神夢先輩が体操の号令をかける。夢って名前だけど、ちゃんと男子だ。

 人数も増えてきて、本格的にリレーを組めるようになった水泳部。夏のシーズンもこんな感じの雰囲気のままやるんなら、本当に楽しめそうだ。
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