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セナカヲ
私の得意なこと②
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その日の練習も特に何事もなく終わり(死ぬほどキツかったけど)、帰り道。水泳部に入ってからは真奈と楓さん、そして加太さんと帰っている。今日もいつものメンバーだ。加太さんを除くだが。
「楓さん、杏って本当に凄いですよね?」
「やめてや真奈。聞いてるこっちが恥ずいって!」
「ん?どうした?破棒に。」
たった1駅だけだが、この香里園で特急の通過待ちをするのはよくあることなので、電車に乗ってからは時間が結構ある。
「今日の休み時間にそんな話になったんですよ。どれ泳いでもレベル高いし、この前なんてイソジンの課題の曲、ちゃんと作ってきたんですよ!みんな諦めてるのに。」
訴えかけるように真奈は楓さんに話しかける。でも、そのどれもバカ兄は当たり前にやっていることで、私としてはまだ足りないところだ。
「そんで可愛くて、料理できて、勉強もできるって本当にスペックの塊ですよ。ね?」
「まぁ確かに。上から見ててもそんな感じはするわ。なんでも出来るって。」
楓さんは頷いて同意する。プールサイドから全体を見ているマネージャーの立場として、元選手の立場としてのその言葉は素直に嬉しい。
「でも、私なんてまだまだですよ。やっていたそろばんは性にあわなくてすぐに辞めたし、でもバカ兄は段まで続けたし。私が気づいた問題もバカ兄がいつの間にか解決してるし。」
口を開けばそんな言葉が零れてくる。私はそんな私が嫌だ。
楓さんは何かに気がついたように私の方を見た。
「そういえば、杏ちゃんが水泳始めた理由って?」
「あっ、それ私も知りたかった。なんで?」
「真奈には言ってなかったっけ?バカ兄と泳ぎたいから。私が泳ぐ理由は今も昔もずっとこれ。今はもう叶わんけどね。」
私は出来る限り笑ってそう言う。いつの間にか出発していた電車は減速して光善寺に入線し始めていた。
2人は納得したような顔をして、下ろしていたリュックを持ち上げた。私もリュックを持ち上げて背負う。電車は光善寺に到着し、ドアが開いた。
「じゃあ杏ちゃんの得意なことってQの得意なことやな。」
「確かに、由良先輩の得意なことですね。」
私の意見なんか知らんとばかりに勝手に結論を出す2人。
「結局どーゆう事?」
その2人の背中を追って私は電車を降りた。
「楓さん、杏って本当に凄いですよね?」
「やめてや真奈。聞いてるこっちが恥ずいって!」
「ん?どうした?破棒に。」
たった1駅だけだが、この香里園で特急の通過待ちをするのはよくあることなので、電車に乗ってからは時間が結構ある。
「今日の休み時間にそんな話になったんですよ。どれ泳いでもレベル高いし、この前なんてイソジンの課題の曲、ちゃんと作ってきたんですよ!みんな諦めてるのに。」
訴えかけるように真奈は楓さんに話しかける。でも、そのどれもバカ兄は当たり前にやっていることで、私としてはまだ足りないところだ。
「そんで可愛くて、料理できて、勉強もできるって本当にスペックの塊ですよ。ね?」
「まぁ確かに。上から見ててもそんな感じはするわ。なんでも出来るって。」
楓さんは頷いて同意する。プールサイドから全体を見ているマネージャーの立場として、元選手の立場としてのその言葉は素直に嬉しい。
「でも、私なんてまだまだですよ。やっていたそろばんは性にあわなくてすぐに辞めたし、でもバカ兄は段まで続けたし。私が気づいた問題もバカ兄がいつの間にか解決してるし。」
口を開けばそんな言葉が零れてくる。私はそんな私が嫌だ。
楓さんは何かに気がついたように私の方を見た。
「そういえば、杏ちゃんが水泳始めた理由って?」
「あっ、それ私も知りたかった。なんで?」
「真奈には言ってなかったっけ?バカ兄と泳ぎたいから。私が泳ぐ理由は今も昔もずっとこれ。今はもう叶わんけどね。」
私は出来る限り笑ってそう言う。いつの間にか出発していた電車は減速して光善寺に入線し始めていた。
2人は納得したような顔をして、下ろしていたリュックを持ち上げた。私もリュックを持ち上げて背負う。電車は光善寺に到着し、ドアが開いた。
「じゃあ杏ちゃんの得意なことってQの得意なことやな。」
「確かに、由良先輩の得意なことですね。」
私の意見なんか知らんとばかりに勝手に結論を出す2人。
「結局どーゆう事?」
その2人の背中を追って私は電車を降りた。
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