529 / 756
セナカヲ
私はバカ兄の部屋②
しおりを挟む
「やっぱり。」
「杏ちゃんもそうなんやな。」
紙に書かれたいくつものワード。それを見て2人は笑った。はっきり言うと、青春の暗いところを書き出す方が簡単だったのだ。
「でも、先生が望んでんのはこんな歌や…」
「いや、イソジンはそんなこと言わへんで。」
「そそ。あの人、人の音楽性に対しては何も言わんから。」
私のことを勇気づけるようにそんなことを言う2人。そんな2人の言葉に、少しずつ自分の書いた言葉に自信が出てきた。
「さ、あとはそれを歌にするだけだ。作曲は誰かに頼んでるんか?」
「それはクラスにやったことある女の子がいたから。」
頼んだのは三玖ちゃん。音楽一家らしくて、幼い頃から音楽に触れてきたらしい。
「んじゃ書き出すだけやな。メロとかもこっちで作っていいんやろうか?」
「それは知らん。書きやすいのは?」
「「作る。」」
2人の圧がすごい。何曲も作ってきたからだろうけど、それにしても音楽に対する熱がすごいんだ。
「じゃ、書いてみるね。」
私はペンを手に取った。頭の中で刻むビートと流れてくるメロディーに身を任せて、思いのままにペンを進める。
しばらく時間が経って、やっと書き終えた。
「こんな感じかな?」
「ん?どんな感じ?」
「見せてみそ。」
『怖いんだよ 怖いんだよ
僕のことを 忘れられてしまうのが
最終下校のチャイムは1人悲しく鳴り響いて
バックステップ踏んでばっかの僕らの背中を押す
笑いあえていた嬉しさはきっと儚く脆すぎるから
大切なアルバムの1ページにもきちんとしまっておこう
もう分かってんだよ こんなの必要ない
こんな証明ばっかじゃきっと楽しくなんかないから
僕だけの 僕であるために
回り道を探してんだ
敷かれたレールの上を走ったって
きっとそこに僕はいなくて
逢いたいと叫んだ君の虚像が立っている
本当の僕の瞳に映るものは
きっと善でもない悪でもない
ただそこにある虚しさ
1から100まで全部を一人一人に伝え続けて
進んで戻って繰り返してたのまるで時計みたいだ
悲しみなんて全部を掻い摘んで吐き出したら
キリがないことお腹が減って仕方なくなる
もう知ってんだよ こんなのどうしようもない
こんなにリピートしてたらきっと楽しくなんかないから
僕にはもう 何にもないから
茨の道 走ってんだ
言葉だけじゃ足りないから
きちんと全部態度に変えて
夢に見ていた青い春を
隙間もないほど真っ青に染める
敷かれた
敷かれたレールの上を走ったって
きっとそこに僕はいなくて
逢いたいと叫んだ僕の空想がそこにある
ホンモノと呼べるものを見つけるため
狂いそうなほど足掻いている
信じた道を走ったら
きっとそこに僕が立ってて
逢いたいと叫んだ君の実像が立っている
青い春のその先に見えるものは
きっと善でもない悪でもない
ただそこにある煌めき』
「杏ちゃんもそうなんやな。」
紙に書かれたいくつものワード。それを見て2人は笑った。はっきり言うと、青春の暗いところを書き出す方が簡単だったのだ。
「でも、先生が望んでんのはこんな歌や…」
「いや、イソジンはそんなこと言わへんで。」
「そそ。あの人、人の音楽性に対しては何も言わんから。」
私のことを勇気づけるようにそんなことを言う2人。そんな2人の言葉に、少しずつ自分の書いた言葉に自信が出てきた。
「さ、あとはそれを歌にするだけだ。作曲は誰かに頼んでるんか?」
「それはクラスにやったことある女の子がいたから。」
頼んだのは三玖ちゃん。音楽一家らしくて、幼い頃から音楽に触れてきたらしい。
「んじゃ書き出すだけやな。メロとかもこっちで作っていいんやろうか?」
「それは知らん。書きやすいのは?」
「「作る。」」
2人の圧がすごい。何曲も作ってきたからだろうけど、それにしても音楽に対する熱がすごいんだ。
「じゃ、書いてみるね。」
私はペンを手に取った。頭の中で刻むビートと流れてくるメロディーに身を任せて、思いのままにペンを進める。
しばらく時間が経って、やっと書き終えた。
「こんな感じかな?」
「ん?どんな感じ?」
「見せてみそ。」
『怖いんだよ 怖いんだよ
僕のことを 忘れられてしまうのが
最終下校のチャイムは1人悲しく鳴り響いて
バックステップ踏んでばっかの僕らの背中を押す
笑いあえていた嬉しさはきっと儚く脆すぎるから
大切なアルバムの1ページにもきちんとしまっておこう
もう分かってんだよ こんなの必要ない
こんな証明ばっかじゃきっと楽しくなんかないから
僕だけの 僕であるために
回り道を探してんだ
敷かれたレールの上を走ったって
きっとそこに僕はいなくて
逢いたいと叫んだ君の虚像が立っている
本当の僕の瞳に映るものは
きっと善でもない悪でもない
ただそこにある虚しさ
1から100まで全部を一人一人に伝え続けて
進んで戻って繰り返してたのまるで時計みたいだ
悲しみなんて全部を掻い摘んで吐き出したら
キリがないことお腹が減って仕方なくなる
もう知ってんだよ こんなのどうしようもない
こんなにリピートしてたらきっと楽しくなんかないから
僕にはもう 何にもないから
茨の道 走ってんだ
言葉だけじゃ足りないから
きちんと全部態度に変えて
夢に見ていた青い春を
隙間もないほど真っ青に染める
敷かれた
敷かれたレールの上を走ったって
きっとそこに僕はいなくて
逢いたいと叫んだ僕の空想がそこにある
ホンモノと呼べるものを見つけるため
狂いそうなほど足掻いている
信じた道を走ったら
きっとそこに僕が立ってて
逢いたいと叫んだ君の実像が立っている
青い春のその先に見えるものは
きっと善でもない悪でもない
ただそこにある煌めき』
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!
佐々木雄太
青春
四月——
新たに高校生になった有村敦也。
二つ隣町の高校に通う事になったのだが、
そこでは、予想外の出来事が起こった。
本来、いるはずのない同じ歳の三人の姉が、同じ教室にいた。
長女・唯【ゆい】
次女・里菜【りな】
三女・咲弥【さや】
この三人の姉に甘やかされる敦也にとって、
高校デビューするはずだった、初日。
敦也の高校三年間は、地獄の運命へと導かれるのであった。
カクヨム・小説家になろうでも好評連載中!
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる