陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

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セナカヲ

私は入学式③

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 学校について周りを見てみると、両親を連れている人が多いようだ。私と真奈は全く似ていないので、双子と思われるようなこともないし、こんな感じならバカ兄たちでも連れてきたほうが良かったかな?

「由良先輩連れてきたほうが良かった?」
「なんでそんなこと思うんよ?」
「なんかそんな顔してたから。あっ、向こうでクラス発表してるで。見に行こ。」
「あっ、ちょっ…」

私は真奈に手を引っ張られてクラス発表をしている掲示板の前に行く。もう確認した人が多いのか、前は空いていた。

 とりあえず私の名前を探す。『由良』だから下の方を攻めていったら…あった。バカ兄と同じC組か。なんか孤島って言ってたけど、どんなもんなんやろ。

「おっ、C組や。杏は?」
「C組。一緒やな。」
「やったー!1年間よろしく!」

真奈は私に抱きついてくる。めっちゃ注目されてる。恥ず。

 とりあえずC組のある5階に上がって、自分の席を確認する。廊下側真ん中か。普通の席やな。ちなむと出席番号は37番。

「なんでいきなり…」

真奈は教卓の前の神席を引いたようだ。出席番号は7番。『き』の運命なんだろう。

 自分の席に鞄を置いて、ふと隣の席に目をやる。目が合った。

「よろしくね。」
「ひっ!お、俺?」
「うん。そそ。」
「よ、よろしく。」

私が声をかけると少し驚いて、そして視線を逸らしつつそんな挨拶をしてきた。私の隣の席ならこれからも関わりはあるはずだから、軽くは接しとかないと。

「私は由良杏。君は?」
「俺は…日高川憲士。」
「ケンシ?どうやって書くん?」
「憲法の『憲』に『士|《さむらい》』。『杏』ってあんず?」
「そーやで。じゃあよろしくね。日高川くん。」
「よろしく、由良さん。」

どこか久しぶりに感じる感覚に懐かしさを覚えながら自分の席に戻る。もう一度日高川くんの方を見てみると、さっきは光の当たり方で気づかなかったけど、髪が少し茶色くて、プリンみたいになっていた。

「まさか…ね」

私は時間になるまで1度眠ることにした。

 やがて教室が騒がしくなってきて、私は目を覚ました。

「あっ、起きた。おはよ杏。」
「ん?真奈か。もうそんな時間?」
「いや、喋りに来てみたら寝てるから待ってた。」

真奈は前の席に後ろ向きに座って、背もたれに腕をかけている。前の席の子はまだ来ていないようなので、迷惑をかけることにはなっていない。まぁ来たら真奈なら退くだろうけど。

「着席。点呼するから座れ。」

ちょっとピリついた空気の女の先生が入ってくる。

「山下がまだと。じゃあこれから1年間このクラスを担当する黒潮だ。よろしく。」
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