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アケボノ
1個前①
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今日は久しぶりにKYUKA組で遊ぶ日だ。
「よーっす!」
「おっ来たな。これであと2人か。」
「おひさ!」
「みんな久しぶり~!」
「久しぶり。」
珍しく近場ではなく、大阪市内まで出てきて、目的地の横にあるキッチンカーと屋台の前で集合した俺たち。手にはさっき買った全員分のハンバーガーとジュースのセットが入った袋を握っている。
今日は3月31日。2年生として最後の日。そしてきいの誕生日だ。
「奏、よくこんな店知ってたな。」
「部活の先輩とたまに行ってるから。それより、あと2人も来たみたいやで。」
奏が指さした横断歩道の向かい側にいるのは音羽とカレンだ。見ている俺たちに気づくと、大きく手を振ってくる。
「お待たせ」
「よし、じゃ入ってくか。生徒証準備しろよ。」
時間はちょうど12時を少し回った頃。目的地である格安のカラオケがちょうどオープンした。
階段を上がって、レジの列に並ぶ。
「予約していた加太です。」
奏が慣れた手付きで店員さんの対応をしてくれる。生徒証を提示したら、タッチパネルとマイクが入ったカゴを奏に渡して、部屋に移動することになった。
「ジュースは後でいいか?」
「やな。場所は18番やって。」
奏に連れられて18番の部屋に入る。そこはめちゃくちゃ広くて、ステージまである。
「めっちゃいいとこやん。」
「やろ。先輩おすすめんとこやねん。」
奥から詰めるように順に座っていき、それぞれ荷物を置いた。
「えっと、これがきいでこれが桜…」
「はい!エビは私!」
「魚は私ね。」
「はい、2人はこれ。カレンはなんやったっけ?」
「自分はでっかいの。」
「おけ、じゃあこれな。んで、奏と俺が期間限定のやつ。あとこれな。」
全員にハンバーガーと期間限定のパイを配る。
「ジュースは好きなの取れ。ポテトは真ん中置いとくな。」
誕生日会にハンバーガーって少し変だと思うが、俺たちらしいっちゃ俺たちらしい気さえする。
「全員行き届いたか?じゃあ始めるで。音頭誰とる?」
「ここはきいやろ。」
「きいやな。」
「えっ、私!?いいけど。」
きいは驚いてドリンクを落としそうになったが、すぐに持ち直して、ぼそっと言う。
そしてきいは立ち上がった。
「じゃあ、今から私の誕生日会を始めまーす!かんぱーい!」
『かんぱーい!』
「よーっす!」
「おっ来たな。これであと2人か。」
「おひさ!」
「みんな久しぶり~!」
「久しぶり。」
珍しく近場ではなく、大阪市内まで出てきて、目的地の横にあるキッチンカーと屋台の前で集合した俺たち。手にはさっき買った全員分のハンバーガーとジュースのセットが入った袋を握っている。
今日は3月31日。2年生として最後の日。そしてきいの誕生日だ。
「奏、よくこんな店知ってたな。」
「部活の先輩とたまに行ってるから。それより、あと2人も来たみたいやで。」
奏が指さした横断歩道の向かい側にいるのは音羽とカレンだ。見ている俺たちに気づくと、大きく手を振ってくる。
「お待たせ」
「よし、じゃ入ってくか。生徒証準備しろよ。」
時間はちょうど12時を少し回った頃。目的地である格安のカラオケがちょうどオープンした。
階段を上がって、レジの列に並ぶ。
「予約していた加太です。」
奏が慣れた手付きで店員さんの対応をしてくれる。生徒証を提示したら、タッチパネルとマイクが入ったカゴを奏に渡して、部屋に移動することになった。
「ジュースは後でいいか?」
「やな。場所は18番やって。」
奏に連れられて18番の部屋に入る。そこはめちゃくちゃ広くて、ステージまである。
「めっちゃいいとこやん。」
「やろ。先輩おすすめんとこやねん。」
奥から詰めるように順に座っていき、それぞれ荷物を置いた。
「えっと、これがきいでこれが桜…」
「はい!エビは私!」
「魚は私ね。」
「はい、2人はこれ。カレンはなんやったっけ?」
「自分はでっかいの。」
「おけ、じゃあこれな。んで、奏と俺が期間限定のやつ。あとこれな。」
全員にハンバーガーと期間限定のパイを配る。
「ジュースは好きなの取れ。ポテトは真ん中置いとくな。」
誕生日会にハンバーガーって少し変だと思うが、俺たちらしいっちゃ俺たちらしい気さえする。
「全員行き届いたか?じゃあ始めるで。音頭誰とる?」
「ここはきいやろ。」
「きいやな。」
「えっ、私!?いいけど。」
きいは驚いてドリンクを落としそうになったが、すぐに持ち直して、ぼそっと言う。
そしてきいは立ち上がった。
「じゃあ、今から私の誕生日会を始めまーす!かんぱーい!」
『かんぱーい!』
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