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アケボノ
オタル②
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久志と合流して、そのまま寿司屋通りの方に歩く。予め食べるところは調べておいたのだ。海鮮丼以外は。
「本当に最初っからジンギスカンでよかったんか?」
「もちろん。本場のジンギスカン食べてみたかったし。」
そんなことを話しながら緩い坂を登っていく。溶けかけの雪で足を滑らさないように、手を繋ぎながらだ。
「これか?」
「これやな。」
目的地に着いて木の扉を開くと、お客さんは誰もいなかった。
「いらっしゃいませー。2人?」
「はい、2人です!」
「じゃあ好きなとこどうぞー!」
店員のお兄さんがそう言うので、私たちは座敷に座った。
「2人は修学旅行生?」
「はい。」
「ここは先輩とかが来てくれてってかんじ?」
「いえ。自分たちで調べて来ました。」
さっきのお兄さんがお冷とおしぼりを持ってきて、そんな会話を交わす。そして、やはりというか…
「んで、2人は付き合ってるの?」
そんな質問が飛んできた。予想はしていた。2人で回っているんだから。
「まぁ、一応。」
「一応やなくてちゃんとやろ。」
「うんうん。仲睦まじいのはいいことや。んで、どうする?初めてのお客さんには食べ比べがあるけど。」
「じゃあ、それでお願い…桜もそれでいいよな?」
「まぁ、どれが何とか分からへんしね。食べ比べでお願いします。」
そう言って注文し、メニューを閉じようとしたとき、お兄さんがその手を止めてきた。
「飲み物はどうします?」
「「じゃあ…」」
ソフトドリンクのページを見る。そして、1つ見慣れない文字があった。
「ナポリ?」
どんなドリンクなのか、全く想像できない。けど、人気No.1って書いてあるから美味しいんだろう。
「それな。多分本州の方だと四葉サイダーと同じような感じかな?」
「そうなんですか…久志どうする?」
「じゃあ僕はナポリで。」
「私もナポリで。」
「かしこまりました!じゃあ持ってくるんで待っといてね。」
お兄さんは厨房に戻っていく。
私は目の前に座る久志を見た。少し眠そうだ。
「久志、眠そうやな。」
「今日早よ起きすぎてな。」
「何時?」
「…1時。」
1時はまだ私が起きていた時間だ。私は今日1時半過ぎに寝たから、それよりも前に起きていたことになる。
「何かあったん?」
「…………」
私がそう訊くと、久志は少し気まずそうに黙った。
「おいそれと言えるようなことちゃうねんな。」
久志は呟くようにそう言う。
「でも、ちゃんと話すから、教えてくれ。俺がどうしたらいいか。」
久志の決意の目の火が灯った。
「本当に最初っからジンギスカンでよかったんか?」
「もちろん。本場のジンギスカン食べてみたかったし。」
そんなことを話しながら緩い坂を登っていく。溶けかけの雪で足を滑らさないように、手を繋ぎながらだ。
「これか?」
「これやな。」
目的地に着いて木の扉を開くと、お客さんは誰もいなかった。
「いらっしゃいませー。2人?」
「はい、2人です!」
「じゃあ好きなとこどうぞー!」
店員のお兄さんがそう言うので、私たちは座敷に座った。
「2人は修学旅行生?」
「はい。」
「ここは先輩とかが来てくれてってかんじ?」
「いえ。自分たちで調べて来ました。」
さっきのお兄さんがお冷とおしぼりを持ってきて、そんな会話を交わす。そして、やはりというか…
「んで、2人は付き合ってるの?」
そんな質問が飛んできた。予想はしていた。2人で回っているんだから。
「まぁ、一応。」
「一応やなくてちゃんとやろ。」
「うんうん。仲睦まじいのはいいことや。んで、どうする?初めてのお客さんには食べ比べがあるけど。」
「じゃあ、それでお願い…桜もそれでいいよな?」
「まぁ、どれが何とか分からへんしね。食べ比べでお願いします。」
そう言って注文し、メニューを閉じようとしたとき、お兄さんがその手を止めてきた。
「飲み物はどうします?」
「「じゃあ…」」
ソフトドリンクのページを見る。そして、1つ見慣れない文字があった。
「ナポリ?」
どんなドリンクなのか、全く想像できない。けど、人気No.1って書いてあるから美味しいんだろう。
「それな。多分本州の方だと四葉サイダーと同じような感じかな?」
「そうなんですか…久志どうする?」
「じゃあ僕はナポリで。」
「私もナポリで。」
「かしこまりました!じゃあ持ってくるんで待っといてね。」
お兄さんは厨房に戻っていく。
私は目の前に座る久志を見た。少し眠そうだ。
「久志、眠そうやな。」
「今日早よ起きすぎてな。」
「何時?」
「…1時。」
1時はまだ私が起きていた時間だ。私は今日1時半過ぎに寝たから、それよりも前に起きていたことになる。
「何かあったん?」
「…………」
私がそう訊くと、久志は少し気まずそうに黙った。
「おいそれと言えるようなことちゃうねんな。」
久志は呟くようにそう言う。
「でも、ちゃんと話すから、教えてくれ。俺がどうしたらいいか。」
久志の決意の目の火が灯った。
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